【ありふれた日常から】パパと女の子
「パパッー」
朝の通勤電車からホームに降り立つと、女の子の声が聞こえた。
目の前のお父さんらしき男性が手を振っている。
その視線の先には、近くの歩道橋の上からお母さんに抱っこされた女の子。
欄干から、鼻から上だけをこちらに覗かしている。
出勤前のお父さんを駅までお見送りに来たのかな?
お父さん、電車が来たらどうするのだろう。
たぶん扉のガラス越しに手を振るのだろうな。
そこに先客が立っていたらどうするのだろう。
座席に座らないで窓越しに手を振るのだろうな。
電車が満員だった