見出し画像

神戸物産(業務スーパー)創業者が語る経営の心持ち

こんにちは。創業者オタクのポジプスです。

今回は、神戸物産(業務スーパー)創業者の沼田昭二(ぬまた しょうじ)さんが語る、会社を経営していく上で欠かせない心持ちについて、創業者オタクなりに解釈した側面から言及します。

はじめに

神戸物産と聞いて耳馴染みがない人も多いのではないでしょうか。神戸物産は、全国1,000店舗を達成した「業務スーパー」を生み出しました。私も日頃より大変お世話になっています。

そんな一流企業の神戸物産、その創業者・沼田さんですが、実は私、お会いしたことがあります。神戸で開催された起業家の集いにご招待いただいた際に、沼田さんのご講演を拝聴し、実際にご挨拶をさせていただきました。加えて、私が作成する創業者図鑑も見ていただき、沼田さんイラストと共に写真も撮っていただきました。創業者オタクとしては、貴重で夢のような時間となったわけです。

そんなイベント内のご講演にて語られていたお話を創業者オタクなりに噛みくだき、会社経営をする上で大切な心持ちについて言及します。

沼田さんの経営人生「三つの時代」

沼田さんを語る上で、欠かせない「三つの時代」があります。

まず一つ目は、創業当時です。神戸物産の前身となる有限会社フレッシュ石守を、1985年、35歳の時に創業しました。当時は、とにかくお金がなく、手持ち10万円から軽トラックを一台購入し、商売を始めたのだそうです。

そして二つ目は、株式会社神戸物産として経営活動をされていた期間です。2000年に、業務スーパー第一号店を開業し、その翌年、株式会社神戸物産に社名変更し、新たな時代が幕を開けました。

現在(2023.9.20時点)はすでに、神戸物産の事業を継承し、主力経営陣を降りられた沼田さんですが、CEOであった2013年当時には、東京証券取引所第一部に上場させるほどまで大きな会社に成長していました。そのほかにも財団の設立や、フランチャイズによる店舗数拡大など、数多くの功績と共に事業を成長させてこられました。

最後に三つ目は、現在(2023.9.20時点)に至る、次なる挑戦です。2016年より、沼田さんは、株式会社町おこしエネルギーという会社を設立され、地熱発電の開発事業に従事されています。日本のエネルギー自給率や食物自給率など、多くの問題要素を抱える中で、日本の強みとなりうる地熱に着目し、日本の未来のエネルギー事情と向き合い続けておられます。

沼田さんの3ステップ経営論

沼田さんに「三つの時代」には、まさに沼田さんの経営論を忠実に表出されていると言えます。それを私は3ステップ経営論と呼ぶことにします。

その名の通り、事業体の変化に合わせ、三変化するのです。この柔軟さも含めての経営論です。

1ステップ:【質素倹約で、事業の元づくり】


これは、まさに沼田さんの創業当時から業務スーパーを開業するまでの時代を創り上げてきた経営論です。いかに小さなコストで、事業を基盤を築くのか。それのみに注力するのです。というのももとよりお金がない状態なので質素倹約は絶対項目です。ここで資金使途管理に甘さが出てしまうと、とたんに会社は立ち行かなる、そんなフェーズですので、当たり前っちゃ当たり前ですが、単純かつ簡単なことでもありません。

漠然と大きな夢を持ったり、大きな目標を掲げたくなる時期において、いかにお金を使わず小さく検証を繰り返し、今後の大きな躍進のための知見や技術を得るのか、というのは経営・起業の最初の共通課題なのではないでしょうか。

2ステップ:【質実剛健で、事業を拡大する】

これは、沼田さんが業務スーパーを開業され、神戸物産を躍進させた時代に当たります。そんな時代を築いた経営論です。心身事業ともに飾らず中身を充実させ、強くたくましく進み続けるのです。まず第一に経営者自身が心や体を病んでは元も子もありません。自分が一番強く柔軟に入れる状態を心がけてください。沼田さんは、二度の癌に見舞われた身でもあるため、特にその重要性を感じられたそうです。

そして第二に、事業を見せかけのものにしてはいけません。見せ方によっては、中身がないもの(製品・サービス)でも豪華絢爛に魅せることができます。しかし、それは一時的なものに過ぎません。見せかけで続く事業はこの世にありません。

とにかく製品・サービスを磨き続ける必要があります。お客さんの声をよく聞き、試し、また声をよく聞き、試し、常に製品・サービスの質を追い求めます。それが事業を拡大、つまり世に広く愛される事業を生み出す最適解なのかもしれません。

3ステップ:【滅私奉公で、夢と希望を次世代につなぐ】

これは、沼田さんが神戸物産の主力経営陣を退き、町おこしエネルギーの代表として、エネルギー事業に従事している時代に当たります。まさに沼田さんの今の経営論・心持ちと言えます。簡単にいうと、私利私欲を捨て、公に奉仕する姿勢です。当然、これまでの時代も世のため人のためと、身を粉にしてきた沼田さんですが、このステップでは、次の時代を見据える必要性を訴えられています。

現在の日本は、課題が山積みだと言われています。少子高齢化、資源枯渇などなど、今後さらに懸念視される課題がゴロゴロ存在する中で、夢や希望を持てぬ若者も少なからず増えているように感じます。そんな世の中をひっくり返すには、大きなコストを伴います。沼田さんはこれまで築いてきた知見・富・心持ちをフルに活用し、先陣を切ります。いわゆる社会課題と言われるジャンルとも言えますが、経営人生初期に、社会課題を意識して事業を構築するのは至難の技です。(私自身も社会課題解決を軸とした事業づくりに日々命を燃やしていますが、想定通りもがきまくっています。笑)

沼田さんはこれまで積み上げてきたものが大きく、まさに今の自分は次の世代の人たちが夢と希望を持てるように尽力することが最も重要なことであると、同世代の事業者・経営者の方にも、普及されています。私たち若者からすると、世の中の愚痴しか垂れないご年配の方よりか、何億倍か頼もしい存在なわけです。ある種、これも私が未来に希望を持てている要因だとするのならば、この沼田さんの経営論・心持ちは大きな意味を持ちます。

最後に

会社経営をするにあたって、それぞれのタイミングで最適な経営論が存在するのだと思います。

世の中が目まぐるしく変化していく中で、会社の在り方も大きな変化を求められます。そんな今の時代に、たった一つの考え方に固執するのではなく、沼田さんのような3ステップ経営論のように、柔軟な思考変化・切り替えが、キーポイントになるのだと解釈しています。

3ステップ経営論それぞれの具体的な内容に関しても、大切な要素が密に込められているかと思います。

これから事業始めるという人は、まず質素倹約で事業の元づくりを徹底的に体に染み込ませると良いのでしょう。私もその段階です。いかにコストを抑えるかというこの感覚は、いつの時代もどのフェーズでも重要だとよく耳にします。

まさに沼田さんの会社経営する上での心持ちは、「当たり前」の指標とも言えるのでしょう。

この記事が参加している募集

仕事について話そう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?