映画にモヤり、対話と風くんに救われた話
先日、嶋津さんの「対話パーティ」に呼んでいただきました。
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私が持参したテーマは「やさしさ」について。
なぜこのテーマを思いついたかというと、その数日前に何年かぶり?に映画館へ邦画を観に行ったのです。日本の映画を映画館で観ることは滅多にありません。なぜって?まぁ、その、あまり興味がないからです。最近特に、漫画が原作の日本映画が多くないですか?あとは「シン・なんとか」みたいな特撮ものとか。
ネトフリで好きな時間にワインを飲みながらドラマを見る方が気軽で、しかも内容も面白い気がして。
ではなぜ観に行ったのか。主題歌が私の推しの藤井風くんだったからです。納得。
この映画の監督である山田智和さんはこれまで風くんのMVを何本か撮っていて、今回、ご自身が初の映画を撮るにあたり、その主題歌を是非とも風くんに書き下ろしてもらいたい、とオファーされたそうです。贅沢だぁ!
映画の試写を観終わった風くんは早速曲作りに取り掛かったそうです。集中するために選んだ場所は都内にある、とある教会。
神聖な場所で、ピアノに向かっていると、スルスルと曲が降りてきて、数時間で出来上がったというではありませんか。天才か。そうです。風くんはまごうことなき天才なのです。というか、風くん自身がよく言うことは、「降りてくるものをわしの身体を通して発信してるだけ」なんだそうで、まぁ天才あるあるですね。またはイタコ状態。
どちらにせよ、映画館で最後のエンドロールに大音量で風くんの「満ちてゆく」が聴けるのであれば、1800円は決して高くはない。そこにはもちろん映画を観終わった後の感動や色んな感情がエモーショナルに絡み合って、唯一無二の空間と時間を味わえるはずだから。多分、きっと。
期待度200%でいそいそと品川へと出かけました。家から一番近い映画館でラッキー!月曜日だったこともあり、空いとる〜。
どんだけ号泣してもいいように手には吸水性抜群のタオルハンカチを握りしめ、前日ネットでリザーブした最後列端っこのシートを陣取りました。泣く準備万端です。
さて。さてさて。
まぁ、人による。うん、人によるよ。だって映画だもん。
映画って観た人の数だけ感想があるでしょ?そうでしょ?
周りの人はいい感じに仕上がっていましたよ。多分。鼻グスグスいってたし。
私?えっとね、え〜〜〜っとね。
まぁ、色んな意味で「美しい」映画でした。
主演が佐藤健だよ?長澤まさみだよ?美しでしょ?いいでしょ?
うん。
そしてウユニ湖だよ?どこ?
南米のボリビアですって。知らんけど。
湖が塩なんですよ。だだっ広い塩の上をかわいい女の子が赤いコートを着て一人歩いてゆくんですよ。白と赤のコントラストの美しさよ。でもなんでそんな場所へ?それは言えませんけど。ネタバレ禁止!
とにかく、その映像はとても美しかった。映像は、美しかった。2回言いました。
予告編は素晴らしかったんですけどね。予告だけでよかったかな?(コラ)
川村元気さんの小説「四月になれば彼女は」の映画化なんですけどね。(今頃いうな)
小説読んでから行けばよかったかな?きっと映像だけでは伝わらない主人公の気持ちを私が汲み取れてなかったんだと思います。フォローになってる?
長澤まさみ演じる女性が結婚間際に失踪するんですけど、彼に向かっていう言葉がありまして。
「愛を終わらせない方法、それななんでしょう?」
謎かけです。その言葉を残して忽然と姿を消すんです。
どこへ行っていたかというと、とある場所なんですけど、うっそぉ〜〜ん!ってなりました。そこで?働く?なんで?そんな簡単に自分の仕事ほっぽって?行く?
まぁ、そこは小説ですからね。現実ではなかなかそうはいかんやろ、というツッコミどころ満載でしたが。まぁまぁ、ヨシとしましょう。しかしながらその心情が私には全く理解できなかったんですよ。なんというか、頭皮?いやいや、呑み書きじゃないんだから。逃避。そこまでして確かめたかったのか?何を?てか、そんな感じじゃなかったよね?最初から最後までめっちゃテンション低かったやん。そんな情熱、どこに隠してたんですか?
その心情の動きや彼女の持つ内面の問題や葛藤がいまいち伝わってこなくて。いやきっと小説の中には細かく描写されていたのだろうなと思うと痒いところに手が届かないようなモヤリ感だけが残りました。
はるばる失踪先に迎えに行った彼を拒否して、波打ち際で転がるように二人びしょびしょになりながら泣く場面もね。ちょっと感情移入できんかった。次の瞬間、服乾いてバスに乗ってるし。海水、頭から被ってずぶ濡れになって、そんなすぐには乾かんで。リアリティという言葉はどこへ行った?
なんだかなぁ。一々モヤる。
まぁ、そんなこんなで結局、愛を終わらせない方法を二人は完遂?するんだが。
要するに、「諦めない」ってことなんだろうけど、途中のゴタゴタや、そもそも二人の最初の始まり方にも違和感が残り。人生そんなにドラマティックでもなければ美しくもないぜ、とウユニ湖を遠い目で観ている冷めた私に「最後まで頑張って観ました!」のご褒美として大音量の「満ちてゆく」をいただきました。
あれ?なんの話だったかな?
そうそう、嶋津さんの対話パーティですよ。
モヤリまくった私は、愛ややさしさについての答えを嶋津さんにもらいたくて。
だってね、一応ハッピーエンドなんですよ。でもなぜこんなにモヤるのか。
すったもんだで元の鞘には収まるものの、そこに出てくる人たちの中に、私は肝心の愛ややさしさを残念ながら感じなかったからなんです。
一体何が言いたかったんだろう?と思いました。
諦めないことはもちろん大事なことなんだけどさ。目的のために行動することも大事なことなんだけどさ。その根底にあるはずの、一番大事なものの輪郭がこの映画を通して最後の最後までずっとぼやけていたような気がして仕方がなかったのだ。結局最後まではっきり受け取ることができなかった。感情移入ができなかったんです。だから余計にウユニの塩湖の美しさが際立って、もはや約2時間のMVを見ているような感覚になりました。ある意味贅沢だ。
愛とは。やさしさとは。
私と嶋津さんは90分間の対話パーティの中で色々な話をし、私なりに納得のいく答えを見つけることができました。とてもよかったです。ようやく、自分の中にある大切にしているものを確認することができてホッとしました。この映画を観て共感できなかった自分の感覚が人とズレている、もしくはちょっとオカシイのかもしれないと思っていたので。
昨今、仕事に忙殺されている自分の殺伐とした感覚をどうにかしたくて観に行ったはずの映画で肩透かしを食らい、ますますささくれだっていた心がようやく潤いました。嶋津さんは恩人です。本当にありがとうございました。
対話パーティを聴きに来てくださっていた皆様にも改めて御礼申し上げます。
途中までひどい音声で申し訳ございませんでした。夜店のテキ屋のおばちゃんみたいな声でした。イアホンを変えたら良くなった最後の20分間ぐらいを聴いてください。ちょっとはマシです。
しかし、あの映画の試写を観てすぐにあの神曲が降りてくる風くんって、マジで天使かもしれない。彼には邪念というものがないのか。本当に最後にこの「満ちてゆく」を大音量で聴かせていただいて、私は救われました。風くんありがとう。推しは最強。
ちなみに、映画の主題歌「満ちてゆく」のコチラのMVも山田智和監督作品です。映画より感動しました。(コラ)
よかったらご覧くださいませ。
#対話パーティ #映画感想 #愛 #やさしさ #藤井風 #エッセイ
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