白い子羊たちよ、大きくなあれ

クリスマスと言えば、思い出すのは息子の幼稚園時代。
たまたまその当時住んでいたマンションの隣にあった教会の幼稚園に息子は通っていた。
ずいぶん前にも一度、noteに書いたことがあるが、息子は言葉がなかなか出てこなくて、幼稚園選びにとても悩んだ。その当時お世話になっていた小児科の先生に相談して、支援が必要な子供の通える幼稚園を勧められたりもしたが、結局は隣の教会の先生方の温かいお声に甘えるように、エイヤ!と半分賭けのような気持ちで放り込んだのだ。二人目の子ということで幾分気持ちに余裕があったことと、私の「なるようになる。人間万事塞翁が馬」という性格によるところが大きい。まぁ、なんとかなるだろうと思っていた。

その幼稚園は教会の運営ということもあり、毎年クリスマスには園児たちによるキリスト誕生の物語のページェントが催された。
年少さんの役どころは決まっていて、全員子羊になって舞台の前列に並ぶのがとても可愛かった。自前の白い服がドレスコード。息子には娘のお下がりの白いモフモフセーターを着せた。
白のパンツに白いタイツを合わせ、羊の被り物を頭に被るとそれはもう可愛くて。親バカ全開でちっちゃい子羊の整列をうるうるしながら眺めたものだ。

場面は夜になって子羊たちはうずくまるような姿勢でじっとしている。中には本当に寝てしまう子羊もいて、それはまた違う意味で微笑ましくて可愛くてたまらなかった。群れを脱走してどこかへ駆け出していく子羊もいる。おかしくて可愛くて、その時のことが20年以上経った今でもはっきりと思い出される。


今年も幼稚園の時にとてもお世話になった恩師から、息子にクリスマスカードとプレゼントが届いた。先生はまだ現役で、働く親を持つ園児たちのための延長保育の教室を今でも受け持っておられる。息子はこの先生に本当にお世話になった。息子の言葉が出なくて悩んでいた私にも、とても親身になって相談に乗ってくださった。親の心配をよそに、年少の夏から一気に言葉が洪水のように出るようになった息子に、最初から何も変わることなく接してくださった。

あの子羊の思い出は、今でも毎年クリスマスの時期に懐かしく思い出す。
かけがえのない思い出。小さい手を握って毎日登園したことも、昨日のことのようだ。あっという間に大きくなって、今では私を見下ろすほどに身長も伸びた。
中身はと言うと、多分それほど変わってはいないのだろうけれど。
小さな子羊は今でも母の心の中に。いくつになっても変わらなく存在している。
必死で守り続けてきた小さい命はいつの間にかこんなに立派になった。
一緒に舞台の上でうずくまっていた白い小さな子羊たちは、今頃どんな風に成長しているのだろうか。みんな立派になっているだろうな。

一年に一度思い出す、懐かしい子羊たち。
その成長をありがたく感謝しながら、今年も迎えたクリスマス。
もうすぐ今年も終わり。こうして一つ一つ、ゆっくりと歳を重ねてゆこう。

全ての恵みに感謝して。
今年も一年、ありがとうございました。

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