優良アイドルグループを1年未満で辞めた理由を2年越しに告白する
ちょっと前…と言ってもそろそろ2年前になろうとしているが、私はライブアイドルとして活動していた。デビューは恵比寿LIQUIDROOMワンマン。初日からオリジナル8曲&アルバム公開&衣装2着&コロナ禍とはいえ満席、等々、振り返ればかなり豪華なスタートを切らせていただいたと思う。
5人グループの中で1人だけ未経験というのもあり、最初のパフォーマンスは私だけ酷いものだった。しかし、日々のレッスンやライブを重ねるうちに少しずつマシになったと感じているし、ファンの数も有難いことに右肩上がりで増えていた。準備期間から1年、活動開始から9ヶ月程たち、ももてん列ここ最近ほんとすごいね、ももてんはこれからも伸びそうだ!等と言っていただけているタイミング。1周年を待たずして私は卒業を発表した。
ファンの方にもメンバーにも恵まれ、抜群に可愛くも痩せても歌もダンスも上手くない私にはこれ以上ない程優良なグループだったと思う。本当に感謝しているしだいすきだ。なのにどうして、辞めたのか。その理由を、時がだいぶ流れて消化出来てきた今日、初めて言葉にしようと思う。これは自分自身の気持ちの整理のためでもある。
アイドルを目指した理由
アイドルを志した理由は、昔から可愛いものが好きな事、アイカツなどの2次元アニメを愛していたこと、ニジマスやイコラブなどの王道MVに憧れてたこと、死にかけた時に挑戦してみたいと気付いたことなどキリがない。しかし、1番の理由はコンカフェキャストの経験が幸せすぎたから、1店舗のみならず全国各地の沢山の人と笑顔を作りたいと考えたためだった。
コンカフェからアイドルに行く子は多かったから、アイドルはコンカフェの延長線上にあると思っていた。コンカフェで味わったのと同じ気持ちが、アイドルになれば遠征とかあるし沢山増えるんだ!と。
アイドルとコンカフェは全く違う
しかし、アイドルになって気付いたのは、アイドルとコンカフェは180度違うということだった。それは、何にお金を払うサービスであるかでも明確である。
アイドルは基本的にステージを見ることにお金を払う。特典会とかもあるけど、メインはステージのはずだ。
一方コンカフェは空間と会話にお金を払う。そしてその会話とは、拠り所であり人との繋がりであり居場所作りである。
お分かりいただけただろうか。「名誉を求めたかわいい女の子がいる」というだけで、性質としては全く正反対のものなのだ。
それを踏まえた上で
私が卒業を決意した理由をほちぼち語らせて欲しい。
①コンカフェの価値提供の方が私は好きだった
最初にして最大の問題である。私は自分自身がコンカフェという居場所に救われた過去もあった反面、ステージに救われたことは別になかった。
だからやっぱり、''ステージで歌って踊ってちょっと特典会で接触できる自分''より、''深く話してお互いを知ることで安心感や心地の良さをもたらす自分''の方が価値があると思った。相互理解的な心の繋がりはお互いの自己受容感を高めてくれる。わたしはその感覚を愛していた。
②アイドルの捉え方の差に申し訳ない気持ちが常にあった
私にとってのアイドルは「人生で挑戦してみたかったこと」だし「通過点」だった。
しかし、ステージ命なプロデューサーに加え、他メンバーもアイドル経験4-10年という錚々たるメンバーで「アイドルやめたら死ぬしかないなぁ」「アイドルじゃない自分が考えられない」と当然のように言っていた。私だって安定した仕事をやめてまで望んだオーディションだったし、死ぬほどやりたかった本気のアイドルだったけど、それでも私にとっては人生の選択の一つに過ぎなかった。だから、アイドルじゃ無ければ自分で在らず!程の熱量は持てなくて、なのに足を引っ張るばかりの私に皆やさしくて、なんかいつもすごく悪いことをしているような気がしていた。アイドルじゃないと死ぬって思えなくてごめんなさい。その気持ちがいつもどこかにあった。
③アイドル愛で敵わない人が多すぎた
私が明確に「わたしはだめかもしれない」と思った日。それは、元アイドルであるプロデューサーの限定復活生誕ライブだった。生誕のステージは本当に素晴らしかった。オーラがすごくて、神って感じで「僕はステージとアイドルを愛しています、一生かけて愛し抜きます」と高らかに宣言する姿をみて、「あ、自分はいくら頑張ってもこの愛には届かなさそうだ」と気がついた。かっこよくて、切なくて、悲しくて、楽屋をそっと出て、メンバーにバレないようにお化粧室でわんわん泣いた。
ライブアイドルって、ステージが好きで、無償でもやりたい程に愛していて、才能のある人たちが全力でやっても上に行けるか分からない、そんな世界だ。そんなところで私みたいな覚悟のやつが、こんな愛の強い人たちとアイドルをするのは迷惑なのではなかろうか。
④リスクの高い挑戦なら最もしたいことをすべき
当時良くしてくれていた美人経営者の先輩に、''アイドルせっかくなれたし頑張りたいし頑張ってるつもりなんだけど根本の価値観が違うから心がもやもやする''などと相談したら、うんうんと話を聞いてくれた上で、「会社を辞めるというリスクの高い選択をしたんだから、自分が幸せにしたい人たちを、自分が価値あると思っている手段で、幸せにする挑戦をした方がいいような気がするけどなぁ」お給料がいい訳でもないなら尚更ね、と言われた。本当にびっくりした。忘れていたが、私には辞めるという選択肢があったのだ。''でも今応援してくれてる人は悲しい気がする'' 私がそういうと「形が変わっても応援してくれる人はいるし、まいるちゃんは魅力的だからまた新しい人と出会えるよ。その人達と幸せになるのはちがう?」と言った。その発想はなかった。そう思ったら辞めてもいいかなと急に思うことが出来た。若さも可愛さも有限だ。私は私自身が価値あると信じている方向性のアイドルになった方がいいかもしれない。
⑤アイドルを嫌いになりたくなかった
これ以上続けたら私は自分自身のことも、アイドルのこともどんどん苦手になってしまいそうだった。今でも自分の出ていたステージの動画とかを見返すとやっぱり申し訳なくて結構しんどかったりもする。(好きでいてくれた人に申し訳ないからそういうことはあんま言いたくないけどね)
社長が「辞めたいと思ったら嫌いになる前にやめた方がいい」と言っていて、それはひどく大切なことだなぁと思った。おかげさまで今の私はアイドルのこと嫌いじゃない。ぎりぎり助かった。
アイドルが好き
本当は、今だってアイドルが好きだ。きっと、歌が抜群に上手だったら、踊ることが好きだったら、そして私はアイドルになるか死ぬしかない!とまで思える程、アイドルの自分が好きだったら、絶対辞めなかったと思う。やり切ったか?と聞かれると微妙だ。憧れだったかわいいMV撮れてないし。(続けても''かっこいい''MVは撮るかもだけど''かわいい''MVは撮れなさそうだぞ?と気付いたのもあるが)
だから、時折アイドルの話を聞くとちょっと気まずかったり、切なくなったりもする。でも、あれ以上続けるのは無理だったと思うし、続けられてもあと3ヶ月くらいで活休とかしてたと思う。アイドル時代より今の方が、人も時間も精神も、全てにおいて私は満たされているから、確実に幸せであることは間違いない。
自分軸の価値を大切に生きる
アイドル時代の私にも応援してくれる人は居た。だから、アイドルももてんにもちゃんと価値があるはずだった。でも、他の人にとってではなく、自分にとって価値があると思っていることをするのが、心をしっくりさせるには大切なのだ。価値があるとかないとかは自己満足で良くて、自分にとって価値があることをしていると思えれば、自分のことが好きになれる。そして、それが人間にもアイドルにも、最も重要なことなのだと思っている。
自分にとって価値があるな、素敵だなと思えることを、仕事でもプライベートでも紡いでいくこと。それこそが、もしかしたら幸せの秘訣なのかもしれないね。
チョコを食べる時もしあわせだけどね!!!🍫
桃辿まいる
【 限定公開 】
なんと2021年、プロデューサーの生誕の日の深夜2:30の音声日記がありました。
2本・合計22分の音声データを限定公開します。
①めっちゃ眠そうだがアイドルについて淡々と分析し喋ってる冷静な6分
( 価値観の違い 執着・嫉妬できない自分を嘆いたり 淡々と話している 貧困学生心配過ぎてたまに結構酷いこと言ってるが許して欲しい、、)
➕
②今日の記事の内容で大号泣している16分間
( 葛藤って感じ 今聞いて自分でもまた泣いちゃった🥲めっちゃ鼻すすってる音がうるさい コンカフェのことも話す 何言ってるかわからんとこもある 可愛いに縛られたくない とか 憧れとか 向いてないとか )
最後、「私、アイドルやってていいんですかね、?⋯わかんないよ」で終わってます。
②について
プロデューサーの生誕を見たあと、筋トレ・動画報告がてらこんなLINEをしました。
と伝えたら
という返信をもらって
カッコイイなと思うと同時に、私だって夢中になりたいよって、悲しくて切なくてめちゃくちゃ泣いてる音声です。本当にめちゃくちゃずっと泣いてる、がんばったんだね笑
絶対に深夜に聞いてね!
間違っても朝とか聞くもんじゃないよ!
本当にみっともない、人間みしかない部分だから、私のことや、私のアイドル時代を深く知りたいと思ってくれる数名だけに届いてくれたらいいです。知りたい人にとっては痛いほど気持ちが届く22分間だと思います。キャスドリ一杯分の価値はあると思うし、多くの人に聞いて欲しくはないのでこうします。泣きたい時とかに買ってください。購入記録に個人的なメッセージを返します。
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