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「やばい、もう19歳、20になったらババアじゃんwww」

この界隈にいると そんな会話を耳にする時がある。

''ババア''

書くだけで不愉快な気持ちを引き起こす、人のことを不幸にしかしない言葉。これはこの世にある悪口の中で、最も浅ましいものの1つだろう。
何せ、ババアはまろやかに使うことが出来ない。

例えば、悪口として代表的な「ばか」は、愛をこめて「もうっ、ばかだなぁ笑笑」なんて言えるし「アホ」だって「アホちゃうか笑」と、軽い仲良しツッコミに使える。
この悪口は、まろやかだ。

しかし、「ババア」という言葉は「えー、なんか最近ちょっとババアになった〜?笑✨️」なんて ''キラキラ絵文字''と''笑''を付けてまろやかにしてみても、全然トゲが緩和されない。そんな言葉を言われたら、相手を2度見した後、あまりの無神経さに心底驚いてしまう事だろう。どう調理してもまろやかに出来ない、最悪レベルに鋭い悪口である。

''ブス''と並んでノーベル逆平和賞・受賞。
(ブスもまろやかに出来ない言葉なのだ)



未来の自分を己で殺す

私が14歳くらいの時に読んだ何かにこんな会話があった。「いつか自分が必ずなるものを悪くいうことは、未来の自分を苦しめる行為なのよ。今ただ持っているだけの若さに慢心し、老いを馬鹿にすることは言葉の呪いとなって未来の自分の首を絞めるわ」

中学生ながら、この言葉は正しそうだ、という予感があった。以来、私は未来の自分が傷つかないように、その言葉たちは自分にも相手にもなるべく言わないようにしてきた。

20歳を越した私から言いたいことがある。
14歳の予感は当たっていた。君はえらい。

当たり前だけど、20歳はババアと呼ばれるほど老いていない。きっと、いや絶対に、30、40、50になったって、永遠に、そんな言葉は必要ない。

20歳ででばばあとか、そんなわけあるかっ
人生80年を1日で表すなら、まだ朝6時だからな!



若さとかわいさの関係性

しかしコンカフェ・アイドルという世界では、学生アルバイトが多い&その形態の性質上、20歳を超えたら「お姉さん」になることも多い。もちろん、その基準は所属しているグループやお店、組織の平均年齢層によるけれど、コンカフェやアイドルという世界で、''若い''と評価される時間はあまりにも短い。それなのに、女たちの大半はいつだってなるべく若くみられたいと願っている。

歳をとることは確実に訪れる未来だと言うのに、なぜ我々はそこまでして若さにこだわるのか。
その原因の1つして「カワイイ」の価値基準がある。

坂東眞理子さんの書かれた「70歳のたしなみ」という本では「日本人は、若くて未熟で幼稚な女を好む男が多い。それがカワイイの基準になっている」と訴えていた。

無知でも、何も出来なくても、少々愛嬌があって若ければ、全てが「カワイイ」で許される世界。かわいい免罪符というSSRカードを持たされた我々は、その効果に味をしめ、いつからかそれの剥奪を恐れるようになっていく。

若いからかわいいという日本に根付く価値観の他に、若くてかわいいから好きと言われたり、アイドルの募集要項が14~20歳だったりすることとか、20超えてんならババアじゃんと言ってくる人(そんな人はお客さんとも思いたくないけど 君は何歳なんですかね それでぷんと怒るやり取りで仲良くなったと勘違いしてる小学生男子のような気持ちの悪いコミュニケーションは大嫌いです永遠に帰ってこないでください☺️)がいるせいで、歳を重ねるごとに自分の価値が落ちていくと感じている女の子は多い。

だから、若さを失うのが怖いのだ。
この恐怖から、ちょっと歳をとるだけでババアだと発言したり、もう終わりだ、未来なんてないと考えるようになってしまう。

ここで考える。
やはり、女にとって若さは縋るべき最強のステータスなのだろうか?



若さは最強のステータスか

答えは、やっぱり、悔しいかな、
Yesである。

若い女は、年を重ねてた方より、肌が綺麗で健康である。個人差があるとはいえ、若い子の方が可愛いと呼ばれることが多い。 メイド屋さんという、「かわいさ」も大切な要素になることをしている私の肌感でもある。生物学的にみても、若いということは色々なところで選ばれるための、確実なプラス要素だ。

しかし、''最強''というのは間違っている。
若さという要素は、ルックスとかオシャレとか香りとか、優しさ、面白さ、知性、居心地の良さなど一人一人が沢山持っているステータスのうちの1つでしかないはずだ。持っていたらいいけれど、他の魅力が育っていれば、なんてことないくらい十分に補える。

逆に、歳を重ねる中で、多様な経験をし、彩り豊かな感情を味わい、心に取り入れ、時の流れを受け入れる。そうやって、歳を重ねたことを認められる、大人の女性は本当にうっとりするくらいの底知れぬ魅力を放つようになる。

私は平凡だからそんなに沢山の経験なんて出来ないよ、という人もいるかもしれない。私だってなんにも成し遂げてないし、今日はたまたま、この文字の中で貴方と話してるだけで、実態としてはそういう平凡な女の子のひとりだ。なんならかわいさに頼った仕事をしてる事で、普通の仕事をしてる人より老いることやかわいさを失うことへの恐怖心は大きいはずです。

でもきっと、若さを失う事を非難して、また1つババアになってしまった、、はぁ、、なんて思って生きるより、歳を重ねるのも楽しんじゃうぞ!天才お姉さんになっちゃうんだから!と決めて、恐れたりしない方が、心が輝いて、本当の意味で綺麗でいれるような気が、する。

だから、
老いを蔑むこと
老いを憐れむこと
老いを恐れすぎること
老いを自虐に使いすぎることは
きっときっと、人生に不必要だ。



大人の美しさに焦がれて

人は老いる。死なない限り、必ず。
だから、数個下の名前も知らぬ19歳ちゃん達には、そっとこの想いを届けたい。

いつか来る未来の自分の姿を悪くいうのは、
多分、やめた方がいい。

それが自虐ネタの1種だとしても、自分の心は思ってる以上にその言葉を覚えている。年々、歳をとる事が辛くなってくるはずだ。
努力しても抗えないことで辛くなるのはどうしようもなくてとてもしんどい。なるべくやめちゃった方がいい。

毎年歳を重ねるのを恐れない自分でありたい。
私は、総合評価のかわいいの価値も、若く思われることもすごく素敵で強いカードだと知っている。だから、勿論その要素もちゃんと大切にしていくつもりだ。けれどそれ以上に、沢山の経験と感情を味わって、歳の流れを正面から受け取れる、綺麗な女性に憧れている。心の強い素敵な人になりたいね。



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