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文学フリマへの道 『悩み抜いた本の値段』

結論から言って、1冊、1000円に決めた。

文学フリマ東京38で初めて販売する自分の本
『余白』
『僕があなたに最期に伝えたいこと』

どちらも、1冊の値段は1000円になります。
⬇️Webカタログはこちら⬇️

いろいろな意見があると思うし
それぞれの値決めがあるんだと思う。

僕はずっと決めきれなかったし
本の見本が出来てから何人かの方に実際に本を手に取ってもらって
正直に、どれくらいの価値があるのかの意見を聞いてみた。

情けないことに、どうしても自分で「価格」を決めることができなかったからだ。
恥ずかしい。情けない。自分には出展する価値なんてないのではないか。

ただ本に「いくらか」を決めることが、本当にできなかった。

4月に見本が出来た際に、真っ先に見せた親友からは
「この本の価値を、安くはしない方がいい」と言われた。

5月11日に友人の大好きな編集者さんにお会いした際に
人生で初めて自分の本にお金を出して買って頂いた。

その際の金額が、1冊、1000円だった。
僕が本当に大好きな、その編集者さんは
「1000円以下で売っちゃダメだよ。やまざき君がその本にどれだけの想いを注いだのか、その価値を安く見積もっちゃいけない」と、言われて。

重かった。
その人は、たくさんの商業誌を編集し、世に本を送り出してきた方。
いまもご自身で出版社を営んでいて、本当にすごい、素敵な方。
そして何より、僕の憧れている数少ない編集者さん。

その人から言われた言葉。
重かったし、素直に受け取ることが怖かった。

めちゃくちゃ嬉しい気持ちもある。
その尊敬する人から「宝物にするね」と言ってもらえるような本を
僕は自分の手で編むことができたこと。
それは、素直に受け取りたいし、受け取った。

と同時に、幼い頃からお金のことがトラウマだった僕にとって
「1000円」という金額は、大きいなと、思ったから。

「そんな価値はないんじゃないか」
「安くしなければ誰からも買われないんじゃないか」
「買う人の気持ちにもなる必要があるのではないか」

とにかく自己否定が激しく、自分を過小評価する天才だから、僕は。

また、自分を蔑ろにしようとしていた。

そういう自分を変えたかった。
とにかく自分を変えたかった。
その決意が、こうして「本」になったのだ。


僕は弱い。
あまりにも弱い。
自信満々なんてありえない。
いまも怯えている。
もう、明後日には自分のブースを開くというのに
いまも怖くて、手も足も震え続けている。

こういう内側は、書くつもりなんてなかった。
文学フリマが終わってから、ぜんぶ書こうと思っていた。

無理だった。
お金のトラウマに引っ張られて
僕の本音はダダ漏れになってしまい
情けない姿もさらして、ブースに立つことになりそうだ。

今からこの記事をすべて消せばいいハズなのに
あろうことか僕はすべてありのままを書いて、アップする。

これが、めちゃくちゃ弱い人間の、リアルです。
何ひとつ隠すことのない、言葉です。


僕は自分を変えたいから、本を作りました。
僕は自分を変えたいから、ブースを出しました。
僕は自分を変えたいから、あなたに届けます。

こんな僕の本に何かしらを感じ、価値を感じてくれたら
ブースにいらしてください。

ほんとうに泣いて喜びます。
何も喋れなかったらごめんなさい。

あなたとのご縁を大切にします。
よかったら、お待ちしています。


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