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勝手に10選〜50's イカすRock’n Roll編

(前記)
もともと"ROCK'NROLL"という言葉は黒人社会を中心に、メイクラブ、乱痴気騒ぎ、などの意味合いを持ったスラングと言われる。

さて、我々が知る、音楽のジャンルとしての"ROCK'N ROLL"は、1950年代にアメリカにて産声を上げたのだが、その誕生の瞬間には諸説ある。
ブルース、カントリー、ゴスペル、R&B、JAZZがマテリアルとして融合し、誕生したのは間違いない。

しかしその瞬間が、エルビス・プレスリーが登場した時だとか、ビル・ヘイリー&ヒズ・コメッツのROCK AROUND THE CLOCKが世に出た瞬間だとか、アラン・フリードがラジオで「ROCK'NROLL!」と叫んだ瞬間だとか、まあ色々と言われている。

リトル・リチャード、エルビス・プレスリーやチャック・ベリーやバディホリーやジェリー・リー・ルイスなどが台頭して、確かに50年代にROCK'NROLLは誕生し、一世を風靡した。

しかし、エルビス・プレスリーが陸軍に招集され、ジェリー・リー・ルイスのスキャンダル、チャック・ベリーの逮捕、バディ・ホリーの墜落死、エディ・コクランの事故死など相次いで、50年代の終わりと共にROCK'N ROLLは1度衰退する。

オールディーズというと、ビートルズ登場以前の50、60年代初期のロックの総称であるが(そう考えるとビートルズがロック史において、いかにモンスターな存在か解る)、60年代前後はポップス的な要素が加わりと、純粋な50'sと比較すると60'sは少し大衆的な異なる雰囲気を醸し出す。

しかし、新しい音楽のジャンルとして、また、新しい時代の到来に、人種を超えて若者達がハートを鷲掴みにされ熱狂したROCK'ROLLが世を席巻していたのは、50年代だろう。

ジョン・レノンは「エルビス以前は何も無かった」、「ROCK'ROLLを別の言葉にするなら、チャック・ベリーだ」と言う。

チェッカーズはアマチュアの頃は、自称ドゥーワップバンドである。バンド内にコーラス隊がある為、と思われるが、実に50年代〜60年代のドゥーワップに留まらず、オールディーズの数々の名曲をコピーしている。

先ずは、そんなオールディーズを50年代に限定して、10組のアーティストに対して1曲ずつ、勝手に10選する。

・HOUND DOG
言わずもかな、KING OF ROCK'N ROLL、エルビス・プレスリーの1956年にシングルとして発表された。

黒人のR&B、白人による黒人音楽の搾取、ロックンロールが誕生期に混沌としていた中で、エルビスが登場して、腰をくねらし甘い声でシャウトをする事で、人種を超えたロックンロールが音楽史の中にはっきりと位置付けさせたのだ。

・That's Rock&Roll
1959年にドゥーワップグループのコースターズがシングルのカップリングとして発表した曲だ。

コースターズは"Yakety Yak"や、"Charlie Brown"などの愉快でキャッチーな曲も奏でるグループだ。

ドゥーワップグループのコースターズが、この曲を通じて、これがロックンロールだぜ!と歌っているのだから、ドゥーワップもロックンロールなのだ。

キング・カーティスのテナーサックスも跳ね回り、ノスタルジックなメロディライン、ブレイク、どこをとってもカッコいい、筆者フェイバリットの曲だ。

デビュー前の方がチェッカーズは、ヤマハ主催の「L-MOTION」ジュニア部門でグランプリ、「LIGHT MUSIC CONTEST '81」本選大会・ジュニア部門で最優秀賞を受賞しているが、その際に演奏したのが本曲なのだ。

という訳でチェッカーズバージョンもご紹介する。


・Rock And Roll Music
1957年に発表されたチャック・ベリーのシングルだ。

チャック・ベリーと言えばロックのギターリフを発明したロックンロールの神様である。

"Johnny B. Goode"もロックンロールギターのお手本として君臨している。

そんなチャック・ベリーが、ロックンロールって、こんな音楽で最高なんだぜ!と、説明し歌っているのがこの曲なのだ。

・Lucille
1957年にリトル・リチャードが発表したシングルだ。

ピアノを激しく全身で弾きながらラウドにシャウトして、名曲を連発したリトル・リチャード。
この曲はそのテンポと、激しくピアノを弾き鳴らし、そのバックでサックス奏者とベーシストが、お揃いで陽気なダンスを踊る、観ても聴いても実にカッコいいナンバーなのだ。


・Ain't That A Shame
1955年にファッツ・ドミノが発表した曲でファーストヒットとなった。

ファッツ・ドミノ、ピアノが小さく見える巨体を揺らしながら首をマイクの方に傾げ歌う姿が実に印象的だ。
ブギウギ、ブルースの要素をふんだんに取り入れたミドルテンポのイカしたロックンロールである。
後にジョン・レノンもカバーしている。

・Be-Bop-A-Lula
1956年にエディ・コクランと共にロカビリーの元祖とも言えるジーン・ヴィンセントにより発表された曲だ。

黒髪のリーゼントに骸骨マイク、粋なロカビリーファッションを身にまとい歌うボーカリストだ。

実にソリッドかつミニマムな演奏で、ジーン・ヴィンセントのボーカルが実に緩急をつけて演奏と絡み合い、イカした50`sを象徴する実にクールな曲なのだ。

・Blue Suede Shoes
1956年にカール・パーキンスによるシングルとして発表された曲だ。

エルビス・プレスリーに触発され、サンレコードからデビューを果たし、この曲で大ブレイクするが即座にプレスリーがカバーをし、そちらもヒットというなんとも面白い経緯を持つ。
とあるダンサーがデート中にスウェードの靴に傷がついていたのを目撃し、この曲の着想に至った。

ロカビリーの帝王と呼ばれ、ポール・マッカートニーは、カール・パーキンスがいなければビートルズは存在しない、とまで言わせたレジェンドなのだ。

このブルースウェードシューズのカップリングが、ハニードントであり、マッチボックスなどをビートルズもカバーしている。

・Great of the fire
1957年に、ピアニストかつボーカリストのジェリー・リー・ルイスのシングルとして発表された曲だ。

端正なルックスで、ピアノを華麗に引きながら、たまには椅子を蹴り飛ばして、甘めの声で華麗にロックンロールを歌い上げる。

実にかっこいい曲だ。もはやギターがなくとも成り立つのだ。

・Peggy Sue
1957年にバディ・ホリーのシングルとして発表された曲だ。

眼鏡をかけ、ロック史上初めてストラトキャスターを使用したロックスター、バディ・ホリーだ。
若干22歳で飛行機の墜落のため亡くなるまでの3年間に残した楽曲はロック史に煌びやかに輝き続ける。
近眼のジョン・レノンに眼鏡をかけてもロックスターになれる、と思わせたのはバディ・ホリーだ。

ドラミングが見事で、抑揚があり自由奔放にかつスマートに歌い上げるバディ・ホリーがさいこあ最高にクールなのだ。

・C'Mon Everybody
1958年にエディ・コクランのシングルとして発表された曲だ。

今やブライアン・セッツァーの代名詞ともなっているグレッチ性の6120というオレンジのギターがあるが、最初に元々ジャズギターであったこのギターを最初にロックに持ち込んだのがエディ・コクランであり、それをセッツァーが真似た訳だ。

端正な顔立ちで身体を揺すり、グレッチをかき鳴らして歌う姿は実にクールなのだ。

(後期)
チェッカーズの流れから、50's、60'sのロックンロールを聴きまくって育ったので、記したい名曲はまだまだある。

今回は軽い自身における入門編の範疇だろうか。

古き良きロックンロールを更に追求しながら、思い出しながら、紹介させて頂きたい。

読んでくださった方々へ
ありがとうございました。

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