見出し画像

為替介入の効果のほどは

経済のこと、市場のことは、難しくて本当によくわかりません。恥ずかしながら大学は経済学部で、最初の勤め先は銀行員。それらが、ほとんど役に立っていないことを痛感しています。

先週末には2回目の円買いドル売りの為替介入が行われたと報じられました。1ドル152円近くまで進んだ円安は、145円台まで一気に円高に。政府はノーコメントを貫いていますが、7円近い値動きを見れば、介入があったことは間違いないようです。ところが週明けの10月24日には再び149円台まで円安へ。直近の最安値を更新するのは時間の問題といわれています。

なぜ為替介入をするのでしょう?
政府は「急激な円安は好ましくない」とし、「必要に応じて必要な対応をとっていく」としています。その『必要な対応』が為替介入で、それ以外にはないようです。政府から「好ましくない」などといわれるまでもなく、実際に為替の影響もあって物価が上がっているわけですから、事態は深刻です。

「なので為替介入」ということなのでしょうが、先ほども触れたように、1回目以上に効果は薄い。バイデン大統領はドル高を容認する発言を繰り返し行い、日米の協調介入は考えられません。また円買いの原資となる外貨準備高にも限界があり、現在の大幅な貿易赤字が円売り要因になっていることを考えれば、為替介入に限界があることは火を見るよりも明らか。「何もやらないわけにはいかない」といったところでしょうか。

円安の主要因が日米の金利差にあるとするならば、日本の金利を欧米並みに引き上げればよいのでしょうか?
それも企業の資金調達コストや個人のローンにも影響し、かなり膨らんだ国債の利払いにも直結することから、現在の経済情勢、財政事情からも、現時点での金利の引き上げは不可能に近い。まさに八方塞がりといっても過言ではないような状況を、どうやって突破するつもりなのでしょう。

大学時代にもっと真面目に勉強しておけばよかった、銀行員時代に市場部門を希望すればよかった、と悔やんでもあとの祭りです。これで私がもし投機でもやっていれば、上がれば上がったなりに、下がれば下がったなりに、先物などを使って利益を得るやり方があるのかもしれませんが、残念ながら皆無です。一部には円安で潤う企業や個人もいるのでしょうが、おそらく、多くの国民が私と同じような感覚なのではと思いました。

10月19日のnoteでも話しましたが、市場の力の前ではただ無力さを感じるのみです。

【世の中を動かすもの】
https://note.com/s_kohyama/n/nc3a19fc0cf14

とはいえ、目をつむって現実逃避するわけにもいかず、これからどの方向に進んでいくのか、おおよその方向性くらいは見極めるだけの見識は持っておきたい、今さらながらそう思っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?