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わかりやすい障害福祉論(新人さん向け)

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このマガジンは、業界に入って間もない新人さん向け。 障害福祉のあれこれを取り上げていきます。 新人さん向けなので、できるだけ平易なことばで専門知識を解説できるよう、書いていきたい… もっと読む
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記事一覧

がんばれ!と言ってしまう就労移行支援

がんばれ!と言ってしまう就労移行支援

就労移行支援は、2年間で就職を目指す障害福祉サービスです。職業訓練→企業実習→就職活動→就職と、2年以内に完結させる必要があり、そこでのプロセスにはどうしても「がんばる」がキーワードになったりします。

がんばることは、決して悪いことではないです。でも、相手に言われてがんばるものというよりは、自分なりに「がんばろう!」と思えてこそ意味がある気がします。それに、がんばりすぎていないか?と支援者や家族

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【社内ブログ】書籍のご紹介(ゼロから始める就労支援ガイドブック)

【社内ブログ】書籍のご紹介(ゼロから始める就労支援ガイドブック)

おはようございます。
今朝のNHKニュースで、大学のオープンキャンパスが対面で再開されるようになったと報道されてました。
今の高校3年生は、小学校1年になる年に東日本大震災があり、高校1年の時がコロナ禍1年目ということで、様々な背景を抱えているようです。

インタビューに答える高校生は、対面の良さを話しておられ、実際の場で得られる情報の良さが伝わってきました。
就労支援も実体験が大事ですね!

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【社内ブログ】津久井やまゆり園の事件から6年

【社内ブログ】津久井やまゆり園の事件から6年

おはようございます。
ニュース等でも取り上げられていますが、津久井やまゆり園の事件から今日で6年です。

元職員による事件は、6年経った今も痛ましい記憶のままとなっていて、福祉業界に様々なことを投げかけられた事件でもあったように思います。

今朝のNHKでもやまゆり園のことを特集していて、事件前から働く主任職員さんのインタビューがとても印象的でした。
事件当時は、入所施設を否定され、元職員の犯行と

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複数の意見を擦り合わすことは、アセスメントの質をより良くするのかも!

複数の意見を擦り合わすことは、アセスメントの質をより良くするのかも!

先日、昨年に続けてご依頼もらった大阪府主催の「発達障がい者のための就労サポートカード」の研修会が終わりました。今回も、講義とグループワークを担当させてもらい、全てオンラインということで参加者の方と直接ご挨拶できなかったのが残念でしたが、一応無事に終わり、ひとまずホッとしています。

今回の研修会も、昨年同様に架空の事例をもとに就労サポートカードを作ってもらい、それを使ってグループワークで意見交換を

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本人抜きの支援にならないように

本人抜きの支援にならないように

どちらかというと、自分に言い聞かせるために書いてる気がします。一応、最近思うことを書いたんですが、でも、この意見が全てではないと思うので、ご覧になってる人はテキトーに読んでもらえたらなぁって思ってます。

本人抜きの支援とは、本人が同席しないところで本人のことを話し合い、今後の対策や方向性を話し合うこと。これは、障害福祉の中ではよくある場面なんだと思います。

例えば、個別支援計画は福祉サービスに

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就労支援者にとってのロールモデル

就労支援者にとってのロールモデル

「CEF(Conference of Employment First)〜質の高い障がい者雇用を考える会議〜」が大妻女子大学で開催され、行ってきました。2日間のセッションは対面開催の盛り上がりも後押しして、会場の熱気もとても良い感じでした。やはり、対面はオンラインとは違った学びがあります。

今回、一番の収穫は最後のセッション。昔ながらの就労支援というと誤解があるかもしれないですが、地域の中小企業

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毎年、実践報告会を開催する理由

毎年、実践報告会を開催する理由

昨日、実践報告会が無事に終わりました。コロナ感染の広がりが気になる中、なんとか無事に開催でき、ひとまずはホッとしています。ご参加いただいた皆さま、本当にありがとうございました。

個人的には、昨日の実践報告会は、今までやった4回の中で一番良かった会でした。これは、登壇者に良し悪しつける意味ではなく、コロナでオンライン研修が多い中、対面で、同じ場所に集まって、会場の雰囲気を一緒に感じることができたの

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仕事は、相手が与えてくれるもの

仕事は、相手が与えてくれるもの

「相手の立場に立って考える。」
これは、15年ほど前に受講したジョブコーチ養成研修で教えてもらった言葉。「障害のある人の立場で考える」「企業の立場で考える」など、講義や演習を通して何度も繰り返し教えてもらったことを今でもよく覚えています。「相手の立場に立つ」は簡単なようで難しい。きっと奥の深い言葉なんだと思います。

少し前のことですが、自閉症・発達障害支援で頑張る他法人の職員さん(彼は30代半ば

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福祉側の定着支援は「権利擁護」が目的

福祉側の定着支援は「権利擁護」が目的

就労移行支援から就職して6ヶ月が経つと、就労定着支援という福祉サービスを利用できます。3年間使える福祉サービスであるため、就職日から考えると3年6ヶ月まで支援を受けることができる制度です。僕が所属する事業所では、就労定着支援の利用期限が終わった後も、福祉サービス以外で定着支援を続けていて、いわゆる期限なしでご本人支援を続けています。最近も、長く働く就職した人と面談をしました。2人で話したり、担当ス

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会議の進め方

会議の進め方

このブログは、日々書いている職場内(就労移行・自立訓練の事業所2箇所)ブログの中からnoteで公開できるもののみ、シェアさせていただきます。noteの皆さまにとって少しでもご参考になれば嬉しいです。
(5/25職場内ブログ)

おはようございます。
緊急事態宣言は、どうやら再延長になりそうですね。
利用者の方や就職した人の余暇にどれくらい影響があるのでしょうか⁇
我慢しすぎることなく、うまく

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上手い支援者は、相手に必要なことをタイミングよく話してる 〜「想像力」と「感性」の大切さ

上手い支援者は、相手に必要なことをタイミングよく話してる 〜「想像力」と「感性」の大切さ

障がいのある人を支援する人(支援者)は、優しい人が多く、人と関わることが好きな人が多い。感覚的な意見ですがそんな風に思います。人のために自分が何かできるなら…って思っていて、役に立てることがモチベーションに繋がり、支援者として頑張ろう!って思ったりするものです。

でも、支援者の中には、ついつい支援したくなることがあります。アドバイスしたくなるっていうか、手を差し伸べたくなる。人の役に立ちたいって

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就労支援におけるアセスメントの進め方と大切となる視点

就労支援におけるアセスメントの進め方と大切となる視点

おはようございます。
最近、「アセスメント」について考えることが増えたような気がしています。
講義っぽい感じになりましたが、アセスメントの視点・大切さをまとめておきたいと思います。

1、アセスメントとはアセスメントとは、「その人をよく知るための作業」。
直訳すると、評価とか、査定とかって意味になります。
就労支援に取り組む支援者は、利用者の方をお客様として仕事をしているわけですから、いわば「プロ

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担当する利用者の方をもつ、就労支援者に求められること

担当する利用者の方をもつ、就労支援者に求められること

前回は、これからは「働き始める人」に向けて書きました。
今日はその続きというか、担当利用者さんをもつ支援者に求められることを書きたいと思います。

*前回の記事

 

ちなみに担当利用者とは、個別支援計画を作ったり、定期面談をしたり、通院同行や企業訪問・面接同行などを主に担当させてもらう利用者の方のこと。
利用者の方にとっては、メインの支援者って感じでしょうか。

「担当する」とは、そんなイメー

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就労支援を担う支援者に求められること(これから働き始める人に向けて…)

就労支援を担う支援者に求められること(これから働き始める人に向けて…)

おはようございます。
暖かかった一週間が過ぎ、今週はまた寒くなるみたいです。
寒暖の差が気になるとこですが、日が沈むのも遅くなったし、春が近づいてる感じがして嬉しくなります。
春まであともうちょっと!

さて、今日のテーマは「就労支援を担う支援者に求められること」。
これからこの業界で働く方に向けて、大事なことや魅力についてまとめておきたいと思います。

1、答えのないことを楽しむこと僕らの仕事は

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