見出し画像

神のみぞ知る

大谷選手の通訳さんがギャンブルで多額の借金を背負っていた、という話題について。

いつもこの手の報道が出ると思うのだが、
「分かってもいないことをさも事実であるかのように発信する輩がやたらと多い」
のには辟易する。

もちろん初期の報道のとおり、事情を知っていて肩代わりしていたのかもしれない。
しかし二人の共用口座があって、水原氏はそこから自由にお金を出し入れすることができたのかもしれない(グラブを送るような慈善事業をされていたわけで、それを全て手ずから行っていたとは考えにくい。我々一般人からすれば6億円は他人に自由に使われては困るような大金だが我々一般人とは金銭的な面でもスケールが違いすぎるので数十億円単位で共用の口座を作っていて「何かあったら(もちろんビジネス的な意味で)ここから支払っておいて」という程度の約束はなされていたかもしれない)。
日常会話ならともかく専門的な会話については大谷選手も水原氏に任せていたため、細かなニュアンスまで把握してはいなかったかもしれない。
水原氏も野球賭博でないから、という理由でここまで話が大きくなることは予測していなかった可能性はあるし、自分の借金は帳消しとなり大谷選手は膨大な借金を支払ってくれたスーパースターのような扱いを受けるだろう、という甘い見込みがあったのかもしれない(後で事情を話して謝れば済むという判断も働いていたかもしれないし、まさか借金を肩代わりすることに違法性があるという認識もなかったのかもしれない)。
とまぁ、「大谷選手は知らなかったし関与もしていない」とする推論はいくらでも立てられるし、それを覆すだけの客観的な事実というものも今のところは存在しない。
推定無罪というのはそういうことであって、客観的な証拠が出てきたり、本人が「これが事実だ」と告白したりしない限り、外野は無罪として扱うべきだというのが私のスタンスである。

今の段階で外野が、(推論を述べる程度ならともかく)まるで確定した事実であるかのような言い回しであれこれ述べ立てるのは見ていてあまり気持ちの良いことではない(スキャンダルに関する初期の報道があまり当てにならないことは松本氏、伊東氏の件から考えても明らかで、また日本人は同じ轍を踏もうとするのかと悲しい気持ちにすらなる)。
まさしく現時点では「神のみぞ知る」領域であって、たとえ個人的な思惑が色々あるにせよ、外野は推定無罪の原則に立って情報を送受信すべきではないか、と思わずにはいられない。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?