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間取りの考え方~三角のある家

アラフォー女性建築士の『さわ』です。
主に関西で住宅を設計しています。

土曜日は私が仕事で書いた間取りの紹介をしながらどうやって間取りを考えているかを書いていきます。
今日は少し前に書いた間取りから『三角のある家』の間取りについて書きます。
以前書いたの『三角の家』でしたが

今回の間取りは『三角がある』です。
さてどういう事でしょうか。

敷地条件と間取りに至る経緯

この間取りはもともと大きな敷地を6区画に分けた敷地にはめて書いたものです。
敷地面積はかなりゆとりがあり車2台駐車しても自由に間取りを考えれるだけありました。

そしてこの間取りは6戸目に作った間取り図でした。
全て違う間取りを考えていると6戸目ともなるとちょっと発想がおかしくなるんですよね。
なんか他の間取りと違う変わった事をしなければと思ってしまって書いた間取りです。
そんな間取りを早速見てください。

間取り図

三角のある家の間取り図

四角の家の中の壁をわざわざ斜めにした家です。
ちょっと発想がおかしくなったというのが伝わるでしょうか。

一応斜めにした意図はあります。
6区画の家が並ぶ家なので他の家と窓やバルコニーをバッティングしないようにする工夫が必要でした。
ちょうど南側が5号地の敷地だったので南に大きく窓やバルコニーをとれないのを斜めにすることでお互いの家からの視線を外す事を狙って三角のバルコニーを作りました。

そのバルコニーに合わせて2階のキッチンも45度斜めにしました。
この辺はちょっと可笑しくなってきてる要素ですね。
まぁそもそも一応販売用プランとしては書いてはいますが、少しネタ的要素で書いていたからという言い訳もしておきます。

三角のデメリット

敷地が三角計の場合などやむを得ない場合もあると思うのですが基本はあんまり壁は斜めにしない方がいいです。
(書いた私が言うという・・・)

理由①無駄な空間ができる

間取りを見ても分かるように無駄な三角のスペースが増えます。

無駄な三角スペース

色々無理やり活用しては見てますが・・・
何より三角の部屋の角は掃除をどうするんだ!?ってところですよね。

理由②構造的負担が大きい

これは木造の場合に言える話です。
実際に先日、構造計算してもらった物件が一辺が斜め壁になる建物でした。
この建物はそもそも敷地が三角形の為やむを得ず壁の一辺を斜めにしました。
私は構造は専門ではないので詳しい事は言えませんが。
とりあえず斜め壁は構造設計事務所に嫌がれる。
その時点で建物構造としても無理をさせているのだと分かります。
木造の場合壁で耐力をとるのですが、斜め壁は耐力壁としてみません。
その為斜めの建物は壁があるようでない建物になります。

斜めにしたことはさておき

この間取りで気にっているところはキッチンとテレビ後ろの壁面収納です。

壁面収納

オープン収納はキレイにしなければいけないと嫌がられる事が多いのですが私は個人的に好きです。
何故なら物を一目で把握できるのと出し入れのしやすいからです。
通路兼壁面収納にしたことでLDKから死角になっているのも気に入っています。
その他の内観パースはこちらです。

リビングダイニング
リビング
リビングキッチン

さいごに

この間取りの反省点は無駄に壁は斜めにしないですね。
するなら鉄骨造にするなどの工夫は必要かもしれません。

たまに無難な間取りばかりを書いていると奇抜な間取りを書きたい衝動に駆られる時があります。
ネタの間取りならいいのですが、お客様がいる時はキチンと暮らしやすい、そして安全な間取りを考えるようにしています。
そういう間取りでも個性が出せれば一番いいんですけどね。

今週もありがとうございました。
こんなアラフォー女性建築士を応援してみようかなと思ってもらえたらフォローとスキをよろしくお願いいたします。

左巴建築設計事務所 さわ。


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