ヤクザ(父親)について
こんばんは
今日は僕の父親について話そうと思います
僕の父親はヤクザです
しかしこの“ヤクザ”と呼ばれるものは2種類のタイプに分けられると思っています
1つ目は“生き方ヤクザ”というものです
・ルールを守らない
・自分さえ良ければどうでもいい
・金は自分で稼ぐ
という考え方です
「無理が通れば道理が引っ込む」のように筋や義理もありません
あるのは己の欲望のみです
僕の父親はまさにこのタイプです
もう一つは“サラリーマンヤクザ”というものです
・ルールや規律を重んじる
・己より組織
・筋や義理を重んじる
・金は組織によっては給金が出たり、組織の仕事をするか兄貴分がいればその仕事を手伝ったりなどします。もちろん自分で仕事もします
・毎月の本部当番(組織によっては事務所や本家も)
・義理事 多いと月に10本以上入ります
・運転手 指名されればやります
・縄張りがあれば地回りもしなければなりません
僕はこのサラリーマンヤクザのタイプというか時代的にどの組織もこのスタイルになっていたと思います
ここで業界の変化を少し
2012年に暴対法が改正
・組織名を名乗れない
・名刺を切れない
・事務所を構える事ができない
・口座を持てない etc...
これはヤクザの死刑宣告かなと思います
暴力団は躊躇なく暴力行為に出る暴力性やそのような人間が組織だっていることが暴力団を暴力団たらしめていたのですが法改正でがんじがらめにされ、虫の息どころかイケイケと呼ばれていた武闘派のヤクザの需要は減り、偽装破門が増え、外舎弟やフロント企業として仕事をさせる事が増えたのもこの時期を境にだと思われます
一般企業や一般人にもペナルティが科されの
で頼れる企業や人もかなり減りました
だから余計に組織の外に人間が必要になったのだと思います
オレオレ詐欺が流行ったのもこの改正法があったらだと推察していて、ヤクザは基本詐欺はご法度なのですが表だって仕事をやれなくなった事とカタギの者が増えた事で詐欺をできる環境ができてしまったかなと
これまでも詐欺は在りましたがここまでの規模のものはなかったと思います
オレオレ詐欺等の収益はドラッグビジネスがアホらしくなる程ですし始めるのも少しの金と人間さえあれば誰でも始めることが可能です
仮に捕まっても一般人として逮捕されますし、もし現役のヤクザが捲れて逮捕されても基本は黒字破門なので復帰も簡単です
しかし業界でこのオレオレ詐欺等が暗黙の了解となったことで確実になにかを失ってしまったと思います
部屋積みを経験して運転手もやって真面目にサラリーマンヤクザをやっていても結局は出世に必要なのは“金”
それならこの無意味な行為は何のために?と思いたくもなりますよね
金だけで出世できるなら誰もこんなものやりたがらないはずです
[出世の為には誰もが通る道]と思えばこそ辛抱もできるのです
結局金なら金を稼ぐことに時間を使いたいと思うのは当然ですよね
薬物ご法度の組織もあるのですが、体を取られてしまい自由な時間が取れず稼ぎも増やせない...なんて人間もいるでしょう
散々コキ使われてばかりでシノギ方を全く教えてもらえない人間や仕事すらもらえない人間、周りからも馬鹿にされてうだつの上がらないまま続けている人間もいるでしょう
馬鹿らしくなったのか嫌になったのか順応できなかったのかは分かりませんが改正法後からヤクザ人口はここ10年で役半数の4万人ほどにまで減っています
本当に厳しい時代だなと感じます
当時これらの変化が業界を覆う中、僕は真面目にヤクザをしていました
理不尽と感じる事もなければ将来に不安を感じる事もなく当番に入り義理に出て行くという生活を送っていたのですが
ある日父親に
父「お前らサラリーマンかよ」と言われることがありました
僕「は?決まりだし皆やってんだから仕方ないだろ」
父 「縛られる事が嫌で好き勝手してるんじゃないのか?それを苦と思わないなら本当にサラリーマンでもやってろよ」
僕「なにあいつきも」
ここで言いたい事はどちらが正しいか?ではなくヤクザといってもこのような価値観の違いがあったり法改正などで業界も常に変化しているのでサラリーマンヤクザですらもう古いタイプになりつつあると思います
ヤクザも社会人と同じで頭が切れるかスキルを持っていないと厳しい時代になってしまいました
話は変わって
父親は僕が物心ついた頃には売人をしていました
子供心に父親は普通ではないと思っていましたが薬物の売人をしていると分かったのは小学校3年生くらいだったかと思います
僕が小学校1年生の頃から父が家にいる時にはしなければいけないことがありました
なにをするかというと、毎日学校から帰って来たら家の周りを自転車でグルグル回って父親に教えられた地名のナンバーの車がいないかの確認をすることです
「〇〇ナンバーで二人乗っていたらすぐに知らせるように」
父の言いつけを不思議とも変とも思わずに行っていた気がします
ハッキリと覚えてはいませんが
「父親に頼りにされてる僕かっこいい」
なんて考えていたのかもしれません
父は盗難車を海外に輸出する仕事もしていました
セルシオやアリスト、クラウン、ランクルといった高級車がこの時代はすごく高値で売れたみたいです
窃盗〜運搬〜輸出まで全て自分の所でやっていたのでかなり儲かったみたいです
ですがうちの父は[金は手段ではなく目的]って考えなので
「稼げるなら捕まりそうでもやる!」という訳の分からない人間です
もちろんこれが原因で捕まり全国紙の一面を飾る事なるのですが 笑
父親が稼いでいるんだから裕福な暮らしをしていたんだろうなって想像した方もいると思います
ですが忘れてはなりません
そう、父は生き方ヤクザ男なのです
そもそも家にいませんし金もほとんど家に入れません
【女 ギャンブル 車 ブランド 薬 】
よく飲む打つ買うなんて言われますがうちの父の為にある言葉じゃないか?と思うくらいです
良いマンションに住んで良い服を着て良い車に乗っていました
僕は子供の頃に施設に少しいましたが、もちろん僕の事などおかまいなしです
たまに電話をくれるだけで会いにも来ませんしなにかしてくれたこともありません
清々しいほどに自分の為にしか生きてませんし今も己の為にしか生きてない男です
その皺寄せをモロに喰らったのが家族であり母です
母親は昼夜掛け持ちで僕を育ててくれました
家は団地ですし食事も豪華なものではなかったです
しょうゆかけご飯をたべて凌いだ日もしょっちゅうです
母親もファンキーなのでそれはまた別で書きます
父は僕が小学校に上がったくらいからほとんど家にはいなかったので父親って感じもしません
一緒にキャバクラや風俗も行くので友達って関係の方が近いかもしれません
威厳なんてこれっぽちもありませんし幼少期の父との思い出もありません
なにかをしてもらったとか父から何かを学んだとかはありませんが父親の行動から十分すぎるほどの教訓を得ましたし最高の反面教師なのでそこに関しては中途半端な男じゃなくて良かったと思っています
僕は両親に「あなたの人生だから好きに生きな、骨は拾ってやる」と伝えてはいます
こんなこと言わなくても好き勝手やってるんですけどね
業界から学んだ事はたくさんあります
礼儀作法はもちろんマナーや組織運営の大変さや人との付き合い方や物事の考え方にいたるまで本当に色々学ばせていただきました
そして【いち早く変化に気づき対応する】ことは社会で生き残るためにも必要な事だと思います
落ちぶれた方達に共通していることは[諦め]です
「諦めたらそこで試合終了です」って誰かが言ったように諦め=死です
人生になのか自分になのかは分かりませんが諦めてしまったら一からやり直したり別の道を選択することも出来にくくなります
そうならないように変化を見落とさず固定観念を持たずに社会をよく観察してください
家族が他人になることもあります
他人が家族になることもあります
この世に不変なものはありません
鋏もやがて錆びて切れなくなりますがいきなり錆だらけになるのではなく今この瞬間も錆び続けているわけですよね?
これと同じように社会も人間も変化し続けていますし人との在り方も常に変わり続けています
変化にいち早く気づき、環境にすぐ順応できればそれだけ他人に差をつけることもできますしリスタートするにしても早いに越したことはないはずです
ヤクザの世界もこれから変化し続けていくと思いますしすでにドラッグビジネスなどはSNSを利用するのが一般化されつつあります
こうゆう小さな変化をチャンスと捉えるか固定観念にしがみつき置いていかれるのかはあなた次第です
立ち上がり続ける限り負けじゃねぇぞ!
サポートしてもらったらサポートします🫶 なぜなら人という字はぁ〜人と人がぁ〜...