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好きに描いた

土曜日です。
目が覚めて瞼を開けてみれば室内も窓の向こうも真っ暗。天気悪い日になるって寝る前に見たような気がするけどでもそれにしたって暗すぎないか??ってさすがに気になって、iPhoneを手に取って時刻を確認したら4:44なる数字がロック画面にでかでかと(寝起き故のインパクト)表示されてました。上向いてみっつ並んだ鋭角が起き抜けの眼に刺さる刺さる。
確かにゆうべやたら眠くて21時半過ぎには部屋の電気消したけれども……と頭抱えるきもちで目を瞑って、なんとか5時半までそのまま過ごしました。眠れないとしても目を閉じておけばただ漫然と起きているよりは疲労感が数段マシになるという以前どこかで読んだ豆知識を信じて。その後はもうさすがにおとなしく横になっていられなかったので、起きていつも通りの身支度をしたり掃除したりなどして7時半過ぎに外出。

朝から斜めに降る雨。でも雨量はそんなでもなかったから不快ではなかったな。それよりあまりの肌寒さに半袖を選択した数十分前の自分を恨みました。なんか一気に秋めいてきましたよね。その季節にしか着られない色ってありますよね。明日衣替えをしてそういう色の服をあれこれ引っ張り出そうと心に決めた駅への道のり。秋に最適な色があるように夏のための色もある。それらと交換。交代。また来年会おうね。

そのまま電車に乗ってすぐのところにあるタリーズで、おうちの本棚から抜いて持って行った本を読みました。
吉田篤弘さんの『針がとぶ Goodbye Porkpie Hat』。中公文庫。物語の内容もコンセプトも装丁も全部ひっくるめて存在が美しい一冊。
唐突ですけど先日のシルバーウィーク、これを読んでくださっている方のうち4連休だったあなたはどんなふうに過ごしたんでしょうか。わたしはここぞとばかりに本を読んで映画も観てnoteも書くぞ!おうち大好き人間の本領発揮や!と気合入れてたんですが、いざ始まってみたら4日のうち2.5日はnoteを書くことに費やしていました。起きて活動している時間を1日と換算した上でのざっくり計算だけども。そんで残りの0.5日はプロレスを観て1日は外出という感じの時間配分で、これだけの時間があるのに本を一冊も読まずに休日を終えるなんていつ以来だろうという驚きとともに記憶を手繰ったものです。
その反動だったのかもしれないけど、今日タリーズで『針がとぶ』を読んでいて、好きな作家の小説を読むために活字を追う恍惚を思い出したような気持ちになったんですよ。自分が活字中毒だと思ったことは一度も無いけど、冗談抜きで癒されて潤う事で初めて渇望していたのだと自覚するような驚きがありました。ここ数年熱中症対策が謳われるようになった事でよく言われているのを目にしますが、水分補給って喉が渇いてからだと遅いらしいですね。喉の渇きを感じる前にこまめに飲むのが重要だと。それを今日思い知って納得したことまでひっくるめて、悪くない過ごし方が出来たと思う。

自宅から歩いて行けるところにサウナ付きの大浴場があって、本格的に寒くなる前に行きたいなと思ってたんです。で、ほんとなら今日夕方に行くつもりだったんですが、本を読む時間がもっと欲しいっていう熱量が自分の中で優先されたので結局やめました。タリーズを出て1時間ぐらい本屋さんをうろうろして2冊買って、お昼ごはんがてらおうどん食べてスーパーで食材を買って帰宅してからはずっと『針がとぶ』を読んで過ごしましたよ。何回も読んでるのにやっぱり面白かったな。

スーパーでレジを打ってくれた店員さんの声と物腰がスペシャリストで、なんかこう美しい風景を見た時のような清々しい気持ちになった。スーパーを出たら雨が止んでた。帰り道をてくてく歩きがてらALI PROJECTの『禁書』を口ずさむ自分の安直さがわりと好きだと思った(サビのフレーズ”活字貪り生きられればいい”)。さっき天気予報を見たら明日は晴れ予報だった。
いい一日でした。
なにか映画を一本観て寝ようと思います。
おやすみなさい。