龍造寺文庫

尾張の国の生まれ。九州の数ケ国を経て現在は武蔵の国の人。旅のお供エフハチと日本各地のミ…

龍造寺文庫

尾張の国の生まれ。九州の数ケ国を経て現在は武蔵の国の人。旅のお供エフハチと日本各地のミュージアムを西に東に。増え続ける図録の収納が永遠の課題。

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固定された記事

地域別インデックス

初めてお越しの方、はじめまして。 時々覗いてくださる方々、ありがとうございます。 さらに足跡まで残してくださる方々、心から感謝申し上げます。 話題の場所もひっそり…

龍造寺文庫
2週間前
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伊勢商人からはじまる旧財閥系ミュージアム  三井記念美術館 日本橋

マンモスを凌ぐ巨象にオオサンショウウオから伊勢商人、他にはない一味違った展示だった前回の三重県総合博物館。県内松阪には当時の豪商の邸宅が現存していて、その圧倒的…

龍造寺文庫
19時間前
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オオサンショウウオと伊勢商人  三重県総合博物館 津市

三重は境界線がボンヤリした地域。東海地方というくくりでは愛知や岐阜、静岡と同じグループ。一方、中部地方ではなく近畿地方に入っていたり。 東日本と西日本の境界線は…

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織田家の源流  劔神社 織田文化歴史館  越前町【織田家のトビラ2】

北陸新幹線が石川県金沢から福井県敦賀まで延長され2ヶ月ほど。人の流れはどのように変わっているのでしょうか? 個人的には石川も福井も見るべきトコロは多く、アクセスの…

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禅とアートの親和性はアリ?  神勝寺 禅と庭のミュージアム 福山

古刹と呼ばれるにはどれぐらいの年月が必要なのでしょうか。紛れもない古刹、比叡山延暦寺や高野山金剛峯寺の歴史は約1,200年。また鎌倉や室町時代の創建寺院も古刹でしょ…

龍造寺文庫
10日前
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私鉄系ミュージアム:近鉄 大和文華館【吉田五十八】奈良

明治から昭和初期に源流を持つ実業界の創業家。彼らが事業で成した莫大な財産によって設立された大小さまざまなミュージアムたち。中でも私鉄系美術館は質・量ともに規模が…

龍造寺文庫
13日前
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黒田家と松永耳庵と現代アート  福岡市美術館【前川國男】

そういえばあそこにあるなと気付いていても、なかなか行かないことが多いのが公立の美術館。一方、博物館や資料館はとりあえず行ってみようかなとなります。興味の対象とオ…

龍造寺文庫
2週間前
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曜変天目茶碗【 3/3 】 MIHOMUSEUM 滋賀

東京から大阪へと続いた曜変天目茶碗も最後の1碗。ところが、これが一筋縄ではいかない1碗でした。この茶碗を追いかけて10年ほど経った2019年。この年は偶然にも国宝3碗が…

龍造寺文庫
3週間前
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曜変天目茶碗【 2/3 】  藤田美術館 大阪

唐物と呼ばれる中国から海を越えてきた茶碗。その中でも曜変天目茶碗は世界にたった3碗といわれ、何故かすべて日本にあります。その1つを所蔵している東京の静嘉堂文庫美術…

龍造寺文庫
3週間前
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饒舌館長ベスト展  静嘉堂文庫美術館1.0@岡本

前回は丸の内にある静嘉堂文庫美術館を取り上げました。 丸の内移転後の入館者数はどう変化したのかと調べてみましたが、入館者のデータは拾えませんでした。美術館のHPに…

龍造寺文庫
4週間前
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曜変天目茶碗【 1/3 】  静嘉堂文庫美術館@丸の内・明治生命館【岡田信一郎】

東京都心では再開発がいつもどこかで行われ、都市の進化?に終わりがありません。破壊と再生・再構築を繰り返し、利便性は増して視覚的にもキレイになっていきます。SDGsと…

龍造寺文庫
1か月前
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中谷宇吉郎 雪の科学館【磯崎新】から由布院   加賀 大聖寺

2024年正月に自然の猛威にさらされた北陸地方。 被災者の方々にはお見舞い申し上げます。 復興が進んでいるのかいないのか断片的な情報ではよく分かりませんが、北陸新幹線…

龍造寺文庫
1か月前
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西の伊達   宇和島城・伊達博物館・天赦園【伊達家のトビラ2】

土佐山内家・高知編で、古来土佐へのアクセスの難易度に触れました。加えて四国の西側もまたアクセスがあまり良いとは言えない地域(ネガティブな話ではありません)。です…

龍造寺文庫
1か月前
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カレーうどんにRBとRC  ホンダウェルカムプラザ青山【ファクトリーマシンのトビラ2】

ホンダウェルカムプラザ青山は、ホンダのショールーム&イベント会場です。2025年の春にはその本体となる本社の建替が発表され、先の予定は未定です。 ココはちょっとした…

龍造寺文庫
1か月前
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妹島和世さんと小笠原家書院・資料館【SANAA】

なんでこんな所に?という不便な場所にあるカッコいい建築(器の役割を果たしてないモノはちょっと違うけど)。 例えば建築家のキャリア初期の作品(依頼主をあまり選り好…

龍造寺文庫
1か月前
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伊達家のトビラ1    仙台市博物館・瑞鳳殿

「奥州王」、なにかと妄想を掻き立てる名称。 伊達政宗(1567-1636)はそう形容される1人。実際に政宗自身がそういう野望を持っていたのか分かりませんが、地図で政宗の支…

龍造寺文庫
1か月前
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地域別インデックス

地域別インデックス

初めてお越しの方、はじめまして。
時々覗いてくださる方々、ありがとうございます。
さらに足跡まで残してくださる方々、心から感謝申し上げます。

話題の場所もひっそりのトコロも、日本各地のミュージアム(広い意味で)を網羅的に記録しております。
ややヘンタイ的な視点は自覚しておりますが、ご意見等いただければありがたく存じます。

ネタがアチコチに飛んでしまうので、地域別の索引にしています(地域バランス

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伊勢商人からはじまる旧財閥系ミュージアム  三井記念美術館 日本橋

伊勢商人からはじまる旧財閥系ミュージアム  三井記念美術館 日本橋

マンモスを凌ぐ巨象にオオサンショウウオから伊勢商人、他にはない一味違った展示だった前回の三重県総合博物館。県内松阪には当時の豪商の邸宅が現存していて、その圧倒的な財力を実感できます。
そして明治期に豪商からさらに飛躍し、日本経済を牽引する巨大企業グループとなった家もあります。そんな伊勢商人のハナシの続きです。

日本橋の北に位置するのは三井の越後屋からはじまる百貨店。三井は家の名前ですが、越後屋と

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オオサンショウウオと伊勢商人  三重県総合博物館 津市

オオサンショウウオと伊勢商人  三重県総合博物館 津市

三重は境界線がボンヤリした地域。東海地方というくくりでは愛知や岐阜、静岡と同じグループ。一方、中部地方ではなく近畿地方に入っていたり。
東日本と西日本の境界線は岐阜の関ヶ原あたりに引かれるようですが、三重はどちらなのでしょうか? 言葉は関西のような印象ですが。

伊勢の国の大半を領有する津藩主となった藤堂高虎(1556-1630)は戦国ど真ん中の人。豊臣家そして徳川家とも良好な関係を築いた人で築城

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織田家の源流  劔神社 織田文化歴史館  越前町【織田家のトビラ2】

織田家の源流  劔神社 織田文化歴史館  越前町【織田家のトビラ2】

北陸新幹線が石川県金沢から福井県敦賀まで延長され2ヶ月ほど。人の流れはどのように変わっているのでしょうか?
個人的には石川も福井も見るべきトコロは多く、アクセスの良し悪しはあまり関係ありません。新幹線に合わせて道路も整備されるのはありがたい。
そもそも歴史オタクにとって越前の国はスルーできないエリアです。

戦国時代の覇者にわずかに届かなかったものの、その知名度はトップレベルにある織田信長(153

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禅とアートの親和性はアリ?  神勝寺 禅と庭のミュージアム 福山

禅とアートの親和性はアリ?  神勝寺 禅と庭のミュージアム 福山

古刹と呼ばれるにはどれぐらいの年月が必要なのでしょうか。紛れもない古刹、比叡山延暦寺や高野山金剛峯寺の歴史は約1,200年。また鎌倉や室町時代の創建寺院も古刹でしょうか。大切なのは長く続いているということ。その一方で「檀家さん減少による寺院経営の苦境」というニュースも近頃は耳にします。

一部の雑誌で取り上げられるようになった、テーマパークのようなお寺があります。瀬戸内海に面した地方都市の郊外にあ

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私鉄系ミュージアム:近鉄 大和文華館【吉田五十八】奈良

私鉄系ミュージアム:近鉄 大和文華館【吉田五十八】奈良

明治から昭和初期に源流を持つ実業界の創業家。彼らが事業で成した莫大な財産によって設立された大小さまざまなミュージアムたち。中でも私鉄系美術館は質・量ともに規模が大きく見応えがあります。
関東には東武鉄道系の根津美術館や東急鉄道系の五島美術館が、関西には阪急鉄道系の逸翁美術館があり、過去に触れてきました。いずれも所蔵品の核心は、個人の趣向により蒐集された美術品。
一方、関西最王手の近鉄系は、他とはチ

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黒田家と松永耳庵と現代アート  福岡市美術館【前川國男】

黒田家と松永耳庵と現代アート  福岡市美術館【前川國男】

そういえばあそこにあるなと気付いていても、なかなか行かないことが多いのが公立の美術館。一方、博物館や資料館はとりあえず行ってみようかなとなります。興味の対象とオーバーラップする部分はあるものの、ややズレがあるからでしょうか。
ところが時間が空いたのでちょっと寄ってみたりすると、急に視界が開けたりします。福岡でのコト。
 

福岡市は人口が1,645,000人と九州最大の都市です。古くからアジアへの

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曜変天目茶碗【 3/3 】 MIHOMUSEUM 滋賀

曜変天目茶碗【 3/3 】 MIHOMUSEUM 滋賀

東京から大阪へと続いた曜変天目茶碗も最後の1碗。ところが、これが一筋縄ではいかない1碗でした。この茶碗を追いかけて10年ほど経った2019年。この年は偶然にも国宝3碗が展示されるとの情報が(場所は別々)。
東京は静嘉堂文庫美術館、大阪の藤田美術館は建て替え中だったので奈良国立博物館で、ラストピースは滋賀のMIHO MUSEUM(ミホミュージアム:以下MIHO)でした。
さながら2019年は曜変天目

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曜変天目茶碗【 2/3 】  藤田美術館 大阪

曜変天目茶碗【 2/3 】  藤田美術館 大阪

唐物と呼ばれる中国から海を越えてきた茶碗。その中でも曜変天目茶碗は世界にたった3碗といわれ、何故かすべて日本にあります。その1つを所蔵している東京の静嘉堂文庫美術館に続き、関西で年に1回ペースで展示される美術館を。
 

関西には実業家によるコレクションを源流とする個性的なミュージアムがいくつかあります。その中でも新しくなったモダンな建物が印象的な藤田美術館。大阪は水の都といわれますが、美術館はそ

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饒舌館長ベスト展  静嘉堂文庫美術館1.0@岡本

饒舌館長ベスト展  静嘉堂文庫美術館1.0@岡本

前回は丸の内にある静嘉堂文庫美術館を取り上げました。
丸の内移転後の入館者数はどう変化したのかと調べてみましたが、入館者のデータは拾えませんでした。美術館のHPにある法人概要を覗いてみると、年毎に公開されている正味財産増減計算書の中に事業収益額があります。
2023年度のデータはまだなく、2022年度(2022年4月-2023年3月、移転の年)で見ると3.86億円、なんと前年の約2.3倍に。事業収

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曜変天目茶碗【 1/3 】  静嘉堂文庫美術館@丸の内・明治生命館【岡田信一郎】

曜変天目茶碗【 1/3 】  静嘉堂文庫美術館@丸の内・明治生命館【岡田信一郎】

東京都心では再開発がいつもどこかで行われ、都市の進化?に終わりがありません。破壊と再生・再構築を繰り返し、利便性は増して視覚的にもキレイになっていきます。SDGsとはやや矛盾する部分がある気もしますが、企業側はもっともらしい大義名分を掲げ、経済発展に突き進みます(笑)。

そんな終わる事のない再開発が絶賛進行中の丸の内。そこに2022年にオープンした静嘉堂文庫美術館の記録です。
 

静嘉堂文庫美

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中谷宇吉郎 雪の科学館【磯崎新】から由布院   加賀 大聖寺

中谷宇吉郎 雪の科学館【磯崎新】から由布院   加賀 大聖寺

2024年正月に自然の猛威にさらされた北陸地方。
被災者の方々にはお見舞い申し上げます。
復興が進んでいるのかいないのか断片的な情報ではよく分かりませんが、北陸新幹線は予定通りに敦賀まで延長され、国による旅行支援やら被災地首長の「支援にもなるので是非お越しください!」という空気はスッキリ受け入れられずモヤモヤ。

混雑は避けたいのと被災者の人たちが混在している所に今敢えて行くのにはチョット躊躇しま

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西の伊達   宇和島城・伊達博物館・天赦園【伊達家のトビラ2】

西の伊達   宇和島城・伊達博物館・天赦園【伊達家のトビラ2】

土佐山内家・高知編で、古来土佐へのアクセスの難易度に触れました。加えて四国の西側もまたアクセスがあまり良いとは言えない地域(ネガティブな話ではありません)。ですが愛媛から高知を繋ぐ国道56号線沿いには大洲、宇和島、宿毛、四万十と雰囲気の良い町がズラリと並びます。いずれも長い歴史を実感できるトコロです。
その中で伊予の国(愛媛県)、宇和島のかつてのお殿様は伊達家。「伊達家って東北・仙台じゃないの?」

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カレーうどんにRBとRC  ホンダウェルカムプラザ青山【ファクトリーマシンのトビラ2】

カレーうどんにRBとRC  ホンダウェルカムプラザ青山【ファクトリーマシンのトビラ2】

ホンダウェルカムプラザ青山は、ホンダのショールーム&イベント会場です。2025年の春にはその本体となる本社の建替が発表され、先の予定は未定です。

ココはちょっとした観光名所にもなっていて、先日も貸し切りバスで団体さんがゾロゾロと見学に。何かの教育プログラムとかで、アメリカからの学生さんとバスの運転手さんが教えてくれました。
小さなカフェスペースとグッズショップもあり、待合にも使われていたり。ショ

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妹島和世さんと小笠原家書院・資料館【SANAA】

妹島和世さんと小笠原家書院・資料館【SANAA】

なんでこんな所に?という不便な場所にあるカッコいい建築(器の役割を果たしてないモノはちょっと違うけど)。
例えば建築家のキャリア初期の作品(依頼主をあまり選り好みできない?)で、後に建築家の知名度が上がるケース。
もしくは予算充分の変わった依頼主が、どうしてもその土地に建てたくて著名建築家に依頼するケース。
ココ小笠原資料館は後にビッグネームとなる建築家の手による建物ですが、その土地にとって必然性

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伊達家のトビラ1    仙台市博物館・瑞鳳殿

伊達家のトビラ1    仙台市博物館・瑞鳳殿

「奥州王」、なにかと妄想を掻き立てる名称。
伊達政宗(1567-1636)はそう形容される1人。実際に政宗自身がそういう野望を持っていたのか分かりませんが、地図で政宗の支配が及んだ領域の変遷を見ると、陸奥の国の最大30~40%ぐらいでしょうか。「三日月の丸くなるまで南部領」の方が広そうですが、陸奥の国はとにかくデカすぎる。
 

現代の陸奥の中心は仙台市。東北最大の都市で人口は1,096,000人

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