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#02 【読書記録】 「ニンジンから宇宙へ」


1. 本の題名

「ニンジンから宇宙へ」

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2. 感想

大分県で何十年も無農薬・化学肥料不使用の循環農法を推進している方の本。

人も植物も地球も宇宙も全て繋がっているんだ、と強く実感した。

せっかく近くに住んでいるので、会ってみたいなあ。

3. 気になった文章

たとえば動物なら、体内の微生物(腸内細菌)が体重の三パーセント以上あって初めて健康だと言えるように、昆虫も微生物も、彼らが住む土の重さの三%以上は必要です。
十アールで計算してみましょう。十アールと言っても、ピンとこない人がほとんどでしょう。およそ畳六百枚ほどの広さだと言ったら、少しは想像がつくでしょうか。そこにある表土は表面十センチ分ですから、ざっと百トンほどの重さになります。その三%以上の量ということは、十アールに三トン=三千キログラム以上の昆虫や微生物が生活しなくてはならないということになります。1坪(畳二枚)で言うなら、十キログラムもの昆虫や微生物です。
植物が自分の意志で肥料を吸収するのではなくて、浸透圧という自然界の決まりによって、水と合体した肥料分が植物の体内に入るのでした。植物の体内に入ったいろんな成分は光合成によって、ペクチン酸カルシウムやペクチン酸マグネシウムのような、人間が食べた時に吸収されやすい形に変えられて、植物の体内に貯蔵されていくのでした。
作物は人間が作っているのではなく、浸透圧や光合成などの自然の力によってできているのでした。
奈良県の医者であり百姓である梁瀬先生の言葉、「土からできたものは土に返せ」という一言は、今までの私の漠然とした考えに光をもたらしてくれました。
現在までに海水のなかには五十二種類の元素が確認されています。ウランや金なども微量ながら含まれており、コバルトや銅など人体に欠かすことができないミネラルは、全て含まれています。ちなみに人体には五十四種類の元素が確認されています。試みに、海から作られた自然塩と、人間の体の元素組成を調べてみると、当然のことながら、よく似ています
ところが、命の源とも言える自然塩を、あろうことは私たち日本人は食べていません。私たちが日常食べているのは、塩化ナトリウムが九十九%の科学塩です。生成された純度の高い塩で、ミネラルを含まない塩なのです。これはもう、塩とは言えません。電気をかけ、塩酸や硫酸を使い、カセイソーダで中和された、いわば石油の力で生み出された、塩化ナトリウムという純粋な化合物に過ぎません。
昭和四十七年に施行された塩田法(正しくは塩業の整備及び近代化の促進に関する臨時措置法)のために、四方を海に囲まれた島国でありながら、その海から自由に塩を作ることができなくなってしまったのです。この塩田法というのは、これからイオン式の塩(塩化ナトリウム九十九%の塩)も食用塩として作るけれど、今までの自然塩も作っていいですよ、というのではなく、これからは、食用塩はイオン式の塩だけしか認めないというものだったのです。
その後、わずかに「特殊用塩」という枠で、自然塩に近いものが市販されています。「天塩」や「伯方の塩」「シママース」などがそれで、海外から輸入した原塩を、国内で再製したものです。海水から直接生産した自然塩には及びませんが、高純度の科学塩よりははるかに良質なものです。
砂糖がなくても人は生きていけますが、塩がなかったら人は生きていけないのです。
食べ物が体内を通過するのに、玄米自然食ならおおよそ三十五時間ほどかかります。食べてから、便として出てくるまでの時間です。
白米を食べていて、肉食中心で野菜が少ない場合には、三日も四日もかかります。長く体内に食べ物の残骸が残ると、異常発酵が始まり、腸の中はどぶのようになり、毒ガスを発生させてしまうのです。
夏野菜は陰、太陽は陽。女性は陰、男性は陽。こんなふうに、自然界の、いえ、宇宙生命体全てが陰と陽に属している。
根のものである大根や人参は陽であり、これよりなお、深く地中へもぐっていくゴボウは、ニンジン、大根に比べて陽の強い作物になります。逆に、地表を境に地上へ伸びていく緑は全て陰です。
・陽/太陽、男性、元気、重い物、丸い物、動く物、暑い所、低い所、ナトリウムを含んでいる物、求心力
・陰/月、女性、病気、軽いもの、大きい物、寒い所、高い所、長い物、静止している物、カリウムをたくさん含んでいる物、遠心力
冬に体温が低くなる人間の体には、陽の気の入った根のものであるニンジン、ゴボウ、大根などが必要です。しかも、夏できるものが水分を多く含み、生で食べるものが多いのに対し、冬の作物は火を使った方が美味しいものばかりです。煮て炒めて、熱(陽)を加え、海の塩(極陽)を補給しながら、陽を一段と強くしたものを食べれば、体が温まり、寒い冬を元気に過ごすことができるのです。
身土不二。(しんどふじ)
これは読んで字のごとく、肉体は土だと教えているのです。
なずなは、高血圧の予防薬。胃腸を丈夫にし、肝臓の働きを強めます。カルシウムをたっぷり含んでいるため、食べていると気持ちも和んできます。早い時期のなずなは、おひたし、天ぷら、汁の実、なずな飯が大変美味。
スギナは、なんといっても、ケイ酸ナトリウムを多量に含んでいますから、カルシウムが欠けている結核病、アトピー性皮膚炎の人には最大効果をあげます。
ハコベは、血液浄化の効果に。粉にして自然塩と混ぜ、歯磨き粉にすると、歯槽膿漏の予防薬になります。
ヨモギは止血剤になり、胃腸の弱い人はお茶にして食前に飲むと効果的です。
植物(緑の大地)なくして、動物の命の誕生はありません。人間や動物に、光合成で酸素を与え、土を作り、水を呼び、光を食べ物に変えて、私たちに命をくれます。
大地に蒔いた種子は芽を出し、土と水と光に育てられ、葉をつけ、実になる。緑は酸素を作り、茎や根や果実や葉は、人間が含む動物の食べ物となり肉体を作り命をつないでくれる。人や動物の食べたものはやがて堆肥となり、発酵させ、微生物に食べさせて、再び土に返ってくる。植物の体内を通過した水は、葉から蒸散作用により空中へ出て、冷やされて雨となり、その雨は作物の命を育てる。人間も植物も虫も水も光も、宇宙のすべてがつながり、すべてが循環しているのだ。


いつも読んで頂きありがとうございます!最大限の愛を❣️