AirPodsを人ごみの中でケースに入れてぶら下げるのは危ない
Ⅰ.AirPodsを街で失くしたら「デバイスを探す」は意味がないよね
このあいだAirPodsを紛失した。
その日僕はファミレスでお昼を食べたあと、ショッピングモールで買い物をした。いつもなら外に出ているときは必ずAirPodsを装着するのだが、この日はなぜかつけなかった。ショッピングモールで一通り買い物をすませクルマに乗りこんだとき、ハッと買い忘れたものがあったことに気付いた。
そこで駐車場を歩きながらバッグにぶら下げていたAirPodsケースをその日はじめて開けた。「あれ......?ない!」AirPodsのR(右)だけがケースからスッポリ抜けているのだ。
外出直前に僕はきちんとイヤホンが入っていることを確認していた。だから外で落としたのは明白なのだ。「ん?ん?ん?どこだ?」ぼくは慌ててあたりを探し始めた。
※AirPodsをぶら下げた僕のバッグ
※なぜかなくなっていた......
駐車場でコンクリートの床ばかり見てうろつく僕は、すでにちょっとした怪しいヤツと化していた。
コミュ障である僕にとって、外を出歩くときにAirPodsは欠かせない。Airpodsをつけていると、ワイヤレスイヤホンなのにビヨ~ンと伸びた真っ白な軸が、イヤホンつけてますよアピールを否が応でも主張してくれる。何も語らずして「僕に話しかけるな」バリアを張ってくれるのだ。
しかもかつては「うどんが耳から垂れ下がっている」などとバカにされたデザインも、今ではオシャレアイテムとして堂々と君臨している。軸の頭を手前にもっていくことで劇的にオシャレにみえるのだと、ネットで女子が謎のビフォーアフター写真をドヤ顔で載せているのも、ちゃんとチェックしているのだ。
iphoneを持ちながら「デバイスを探す」で音を鳴らしてみたものの、残っていたL(左)からしか音がきこえない。ちなみにAirPodsを持っているみなさんはこの「デバイスを探す」で音を鳴らしてみたことがあるだろうか。もし鳴らしたことがなかったら一度やってみるといい。音がか~なり小さい。
これでは耳につけている最中なにかの拍子にポロリと落とした場合とか、部屋で紛失してどこにあるのかわからないとか、そういう状況でない限り気づくことは難しいと思う。人ごみの中では雑踏や喧噪にAirPodsのノイズ音はむなしくかき消されてしまうことだろう。
クルマのなかも探してみたが、やはりどこにもみあたらない。音もしない。
僕はショッピングモールへと入っていった。スマホ片手に床ばかりじろじろと見てまわる挙動不審の男は必死だった。ただでさえショッピングモールはひたすら広い。それに加えて僕の停めていた駐車場は3階だったから、3階から1階まで自分のたどったと思われる足跡をくまなく探すことになってしまった。
結局AirPodsは見つからず、とりあえずサービスカウンターで落とし物はなかったか聞いてみた。割と若い女性の店員さんだったが、「エア?なんですか?」......僕はとりあえず紛失届を書いた。
そのあとファミレスにも電話をして、落とし物がないか確認してもらった。しかし年配のお姐さんは「エア?なんですか?」......案外AirPodsの知名度は低い。ファミレスでうどん落としましたって言ったほうがわかりやすかったかもしれない……。
Ⅱ.AirPodsの交換方法について
どうせ見つからないだろうと思った僕は、家に帰ってから居ても立ってもいられなくなり、AirPodsを交換することにした。
AirPodsを紛失した場合にはいくつかの交換方法がある。
たぶん僕の知る限りこんなところだろう。Amazonでは売り切れになっていたし、メルカリは中古ばかりだった。耳に装着するものなので、中古はちょっと気が引けた。AppleStoreでの交換が一番早いだろうが、ぼくは仙台に住んでいて、仙台のAppleStoreは昨年閉店してしまったのだ。
僕に残されたカードはすでに限られていた。とりあえずAppleのHPから交換の手続きをしようとしたが、僕があせっていたせいなのかもしれない。取り寄せの手続きの画面に行かず、代理店で交換する画面へどうしても案内されてしまうのだった。しかも代理店の場合予約が必要で、向こう側の指定する時間帯に行かなければならなかった。
面倒くさい。しかも距離もそこそこ遠い。
Ⅲ.Appleの代理店は悪魔だった?
それでも仕方なく翌日代理店へクルマを飛ばし、AirPodsの交換に行った。するとApple担当のお兄さんが僕に目も合わせず、Macのキーボードをたたきながら悪魔のように淡々と死の宣告をし始めた。
「取り寄せになるので、一週間ほどかかります。」カチャカチャカチャ......
......はい?(あれ?行く前に電話したら在庫ありますって言ってなかった?)
「金額は税込11022円になります。」カチャカチャターン!カチャカチャ......
......はい??(税込8000円位じゃなかったっけ?)
そう、代理店は3000円が別途手数料としてかかってしまうのだ。しかも取り寄せでまたここまで足を運ばなければならぬとは......。
「え、え、どうしようかな......どうしよう......ちょっと考えさせて下さい......」
思わぬ痛恨のダブルパンチに気を失いかけ、呆然と立ちつくす屍のようになってしまった僕を哀れに思ったのか、しばらくすると店員のお兄さんが一枚の紙を僕にくれた。
「ここに電話するといいですよ。その方が手数料もかからないし、配達してくれますから。」
Appleのカスタマーサポートの電話番号である。え、結局Appleに電話なの?天下のAppleが?うどんもオシャレにしてしまうあのAppleが?なんかアナログなんですけど。もしかしてAppleのHPでは交換対応できないのかな?
とにかく悪魔のお兄さん、実は天使だったんだね。誤解してごめんね。ありがとう!
Ⅳ.Appleの電話対応は神だった!
家に帰った僕はさっそく電話した。けれどイヤな予感がしてならなかった。恒例のあの儀式が始まるんじゃないかと思ったのだ。
「ご用件に応じて、番号を押してください。〜のお問い合わせは1、~のお問い合わせは2、~のお問い......」どこまであるんじゃ〜い!それに加えて「ただいま、電話が混みあっておりますので~」などといういかにも無感情な音声案内のあと、音質の悪さがやけに腹立たしい癒しの音楽を、ひたすら聞かされ続けるあのパターンの気がしてならなかった。
ところが実際は最初に「番号の1~3を押してください」くらいはあったけど、アッサリ電話がつながり、お姉さんが親切に交換の手続きをしてくれた。めちゃめちゃスムーズじゃん!
ヤマト運輸で直接自宅まで配送されるということで、届くまで2、3日程度かかるといわれた。そして実際2日後には送料無料で僕の手もとに届いたのだった。AirPodsの片方をなくしたら、電話が最強という結論です、はい。
Ⅵ.紛失の原因と反省
今思い返せば僕がAirpodsを紛失した原因は、ショッピングモールが割合混雑していたため、すれ違う時にだれかとぶつかったときかもしれない。そのときバッグにぶら下げていたAirPodsのフタが開き、ポロっと落ちてしまったのではないだろうか。
一応磁力でフタもイヤホンもくっついてはいるが、それほど強い磁力ではないので、人ごみにもまれたりした場合には結構あぶないと思う。それこそ満員電車やライブ会場のような、人間どうしがギュウギュウに押し込められたシチュエーションは危険だ。
そんなときは一にも二にもバッグの中にケースごとAirPodsを入れてしまったほうが良いと思う。
僕はそこまでの状況に巡り合うことは滅多にないのだが、外出するときは必ずAirpodsを耳につけることに決めた。僕とAirPodsはもはや一心同体だ。もう一生うどんを僕の耳から離しはしない。家帰ったら離すけど。
今夜はうどん食べよっ。
最後まで読んでいただきまして、本当にありがとうございました!