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デンマークと日本の小中学校の違い

こんにちは。
先日は、デンマークと日本の大学の違いについてまとめました。

大学教育においても充実した制度が整っているデンマークですが、小中学校教育においても、かなり独特な特徴があるので、今回は小中学校に焦点を当てて紹介します。


点数のつくテストが禁止されている

まず1つ目の大きな特徴は、点数による序列化が禁止されていることです。

デンマーク教育では、子どもの考えや答えが合っているかどうかを気にすることはしません。

正しいか正しくないかではなく、

  • 他者と協働する力

  • 自分の考えを発信する力

  • 問題を解決しようとする主体性

等が重視されます。

テストによる数値的評価は、勉強を、一つだけの正解を追い求める単純作業的なものにしてしまいかねない他、勉強の苦手な子どもの意欲をそいでしまうというのがデンマークの見方なのでしょう。

僕もデンマークの日本人学校で小中学校の子どもに授業することがたまにあるのですが、デンマークで育った子どもたちは自分の考えを伝える力のある子が本当に多いなという印象を受けます。

ここら辺も、デンマーク流の非競争的教育の賜物なのかもしれません。


転校が自由

デンマークの学校では、転校の自由度が高いです。

やはり学校との相性というのは子どもたちにしてみれば非常に大切なもの。
どんなに良い学校と世間的に言われる場所でも、合わないと感じる子どもは確実にいます。

日本だと、引越しするくらいしか転校の手段としてはないですが、デンマークだと比較的自由に転校ができるため、学校が合わないと感じたら別の学校で再スタートを切れます。

また、近くに良い学校がないと感じられたときには、親が新しい学校を作って教育してもいいという仕組みまであります。

子どもたちのことを配慮して、自由度の高い選択肢を提供しているのもデンマーク教育らしい特徴です。


教育はイデオロギー

これは、僕がデンマークの人達から聞いて印象に残っている言葉の一つです。

ある日、知り合いのデンマーク人と、

「デンマークでは非常に特殊な方法で教育が行われているよねー」

と会話をしていたときに、こう返されました。

「Ryu、教育はメソッドでは無くイデオロギーだよ。

私は、この言葉にこそ、デンマーク教育の根幹が詰まっていると考えています。

よく、「〇〇流教育メソッド」という言葉が用いられることがありますが、デンマークでは「どういう方法で」というより「どういう考え方で」の方を重要視します。

そもそも、子ども一人一人によって、最適な教育方法は異なりますし、どういう教育が良いかというのは時代によっても変化する。

ただ、どういう考え方で教育をするのか。ここさえブレさせないことが大事です。

デンマークでは国民意識として教育に対する高い意識が浸透しており、熟成された教育イデオロギーにこそデンマーク教育の特徴があると言えるのかもしれません。


前回の大学の時の話でも言いましたが、一概に日本とデンマークのどちらが優れていると断言できることはないと思います。

例えば、日本の学校は掃除を子どもたちできちんと行いますが、デンマークを含むヨーロッパやアメリカだと、掃除は子どもがやるのではなく、大人がこなしてしまうことが多い。

ここら辺は日本の方が良いなと個人的に思うところです。

ただ、他の国の教育を知ることで、自国の教育を客観視できるようになるし、改善の方向性もわかってくる。

日本がどういう教育を行うのか。どういう方向性を目指していくのか。

ここを考えるヒントはデンマーク等の北欧諸国にもあるのではないかと個人的に考えています。



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