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感想『そして、バトンは渡された』瀬尾まいこ

瀬尾まいこ作品は元気ない時にも沁みるなー、元気湧いてくるなーと思って読んでます。本って読むタイミングによって見え方が変わるというのが自論なのですが、娘がいる自分には今読んでよかった本だったと思える本でした。

あらすじ

幼い頃に母親を亡くした主人公の優子と、一緒に暮らした4人の親との物語。

感想

こんなにもしみじみと、人と暮らすのは良いものだと思わせる作品は始めてだったかもしれない。優子の親として登場する人物はみんな異なる優しさを持っていて、それが話を通じてじんわり伝わってくる。

人を大事にする って言葉にすると理解が難しい気がする。物じゃないんだから、金庫にしまっておくでもないし。じゃあどういうことだ の一つの答えが、目の前にいなくてもその人のことを思っていて、それを表現することなんだなと思わせてくれたのが本作だった。

どの親も表現の仕方は違うし、同じではない。それでも、それぞれの行動やその裏にある思いには、娘の幸せを思う親の気持ちが伝わってくる。それは小さな一つ一つの言動から伝わってくるもので、まるで木に水をあげるような、地道な過程にも思える。

木が花を咲かせるように、自分の日々の言動で誰かの心をパッと晴れやかにさせることができるなら、それはなんて素敵なことだろう。気まぐれにではなく、日々意識して過ごしたいと思った。

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