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『蟹工船』をよむ


読み終えました。

やっと。


連休中風邪っぴきで体調不良のなか蟹工船を読むと臨場感ありで

まるで船上で病気になって寝込んでいる気分で読んでました。


蟹工船は国語の教科書や便覧で見たことのある作品で、

古めかしくて読みづらそうと思ったけど、思いのほか読みやすい。


沢木耕太郎の『深夜特急』や佐藤秀峰著の『海猿』『ブラックジャックによろしく』あたりが好きな人は楽しめると思う。


以下、ネタバレ含む。


冒頭から中盤までは、いかに船上の生活が過酷かがリアルに描かれていて、100年ほど前の労働環境を間近でみているようでひきこまれる。

が、終盤はサボタージュ、ストライキ、失敗、ストライキで「完」みたいに、わりとあっさり。

労働者たちの暴動、争い、海軍とのバトルなどなど、いまの作品ほどアクションやドラマっぽさがない。あっけない。


とにかく読んでいて汗のにおい、蟹の生臭さ、潮のにおい、船の鉄錆のにおい、いろんなにおいが強烈なにおいを放っている。

そのぶん臨場感があるんだけど、文字から伝わる嗅覚が敏感な人には不向き。


労働者vs資本家という構造、100年前は極端で労働者たちは虐げられた環境のなか、労働力を絞るだけ絞られてる。

当時は上司の監督もハラスメントの塊みたいな感じ。

それに対して労働者たちは団結して仕事をサボる、ストライキするという抵抗を示す。

これって現在でも仕事のなかで理不尽な扱いがあった場合、なるべく仲間を見つけて仲間と連帯する、全体で動くなど、現在でも応用できそう。


著者の小林多喜二のwikiをみると、著者本人が壮絶な人生を送っていて、他の作品や著者自身について掘り下げていくと当時のアンダーグラウンドな世界に迷いこみそう。

ちょうど蟹工船を読みおえたタイミングで、以前から気になっていたトーキョーバイスという作品がプライムビデオで見れることに気づいたので、100年前の蟹工船の世界から1990年代の日本のヤクザ社会の話へと一旦移ります。

トーキョーバイスのKindle本も買ったので、原作とドラマを並行して楽しみます。



本文111ページと、サクッと読めます。
一度は読む価値あり。
無料版で十分読みやすいし楽しめます。


蟹工船のハードボイルドな文体から深夜特急を連想しました。
どちらも「壮絶」な「旅」という点で共通してる。


同じく佐藤秀峰氏の作品の魂の叫び!感を連想してしました。


原作からずっと気になっていた作品。
自分のなかに温めていただけにプライムビデオでみれて爆発的にうれしい。
欧米人が描く日本って上海や香港の延長上にあるネオンサインのケバケバさがあって、彼らの目線から見た日本が面白い。日本の有名俳優も多数出ていて、山Pがホスト役でおおっ!てなりました。


こちらは原作。Kindleだとワンコイン。
500ページあってしばらく楽しめそう。
こちらだと読売新聞とか、実名がバンバン登場してきて当時をリアルタイムで過ごした世代として緊迫感半端ない。


うちの子ノエルにちゅ〜るをあげます。