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移動そのものを楽しむ旅-寝台特急・サンライズ出雲に乗って-

先日、東京へ行く予定があった。
地元・関西から東京に行くには、新幹線で行くのが一番メジャーではないだろうか。
場合によっては、飛行機や夜行バスを利用することも多いかと思う。

しかし、今回は初めて寝台特急・サンライズ出雲に乗って東京に行ってきた。
寝台特急に乗ることで、移動という快楽を改めて考えるきっかけとなった。

寝台特急・サンライズ出雲で東京へ

サンライズ出雲(サンライズいずも)は、東京駅 - 出雲市駅間を、東海道本線・山陽本線・伯備線・山陰本線を経由して運行している寝台特別急行列車である。

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「サンライズ出雲」


サンライズ出雲は、東京駅と出雲大社で有名な島根県出雲市の出雲市駅を約12時間かけて走る寝台特急で、主に首都圏と岡山県・鳥取県、そして島根県間の移動で利用されることが多いのではないだろうか。
しかし、上り方面(出雲市⇒東京駅)の列車は、途中大阪駅からも乗車できるため、サンライズ出雲を使って、大阪から東京まで行くことができる。

大阪駅で東京行を見れる唯一の案内板



いつもとは違う慣れないホームで列車の到着を待つ。
目的地の表示された案内板は、自分にとってこれからの楽しさを前もって感じさせる旅の予告編だ。

30分程前にはホームに並んでいた


サンライズ出雲の到着で一斉にカメラを構える


サンライズ出雲は毎日往復1本で、0:33に大阪駅を出発した電車が東京駅に到着するのは7:08。大阪から東京までゆっくりと時間をかけて向かう。あえて選んだ長旅は、時間を存分に使っている贅沢ささえ感じさせる。

座席はB寝台シングルという座席。
サンライズ出雲には、寝台料金なしで指定席料金だけで利用できるノビノビ座席という雑魚寝形式のようなシートもあるが、今回はゆっくりとベットに寝ることができる席を予約することにした。

個室といってもベットと荷物置き場だけがあるような簡易なしつらえだが、ゆったりとしたスペースで電車でありながら、寝転んだり、伸びをしたりしてホテルのようにくつろぐことができる。

B寝台シングル
シェルター感のある自分だけの空間


まわりの目を気にすることなく、楽な体勢で窓の外を眺める。マンションの明かりや街灯が思いのほか近くに感じては、すぐに流れていく。
車輪がレールを滑り、車体が揺れる音を聞きながらしばらくすると、自然と横になり目を閉じる。

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寝台列車では一晩過ごせるので、車内で朝を迎えることができる。
旅先で迎える朝はいつでも特別な時間だ。旅に行くと、ちょっとだけ普段はしないようなことをしてしまう。早起きして街をランニングしたり、ホテルに置いてある地元紙の朝刊やタウン雑誌に目を通したり、キャンプ場で少しはりきった朝食を作ったり。
目覚めたときはすでに目的地へと向かっている真っ先中。
朝に出発していては味わえない時間を過ごせて、少し得した気分だ。

途中停車駅の沼津駅あたりで目覚める


雲間からのぞく朝焼け


7:08 終点・東京駅に到着


移動そのものの楽しさを

かつて寝台特急は、出張での利用を中心に多くの種類の列車が運行されていた。
しかし新幹線や高速道路網の整備が進んだことや、格安ビジネスホテル・夜行バス、LCCの普及などにより、次々に廃止され、サンライズ出雲は現在、併結しているサンライズ瀬戸とともに唯一の定期運行を行う寝台特急となった。

移動というものは、いかに目的地へより早くより安く向かうかという観点で考えられることが多い。

もちろんビジネスシーンなど時間とお金を有効に使わなければならない場面では、そのように考える必要はあるだろう。
またオンラインツールの出現で、移動そのものの存在が揺らいでいる。

しかし時間とお金に縛られる必要のない場面では、そのような目的地に向かうための手段としてではなく、移動それ自体が目的になるような捉え方ができれば、旅をすることや、それに付随する移動そのものの楽しさはより深まるだろう。

自分を取り巻く環境がどのようなものになっても、好奇心を満たす旅への期待感、更にはどこかへ向かっているというなによりの実感をもたらしてくれる移動のもつ豊かさを忘れないでいたいと思う。


そんなことを考えさせてくれた6時間35分の小旅だった。


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