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ギタリスト列伝 : 10 サン・ハウス デルタブルースの巨匠!

もはや半ばブルースマン列伝化しつつありますが、昨日の続き、ギタリスト列伝いきます! 今回は、Son House(サン・ハウス)でいってみます。

この方は、ロバート・ジョンソンより前からやっている人で(初録音は1930だったかな)、ロバ・ジョンにも相当影響を与えた一人です。戦後は、音楽をやめていた時期があり、その後、60年代のフォークブルースが流行するその流れの中で「再発見(確か65年だったかな)」され、そこで有名になった感じですかね。

この「再発見」という言い方は、あまり好きではないんですが、まぁ、一般的にそういわれていますので、ここではそれでいきます。

いわゆるカントリー・ブルース。デルタ・ブルースの人ですね。

10代の頃、ロバ・ジョンにはまった流れで、知った人でしたが、この辺り人たちはカントリーブルース、デルタブルースを聞いていると、当然、チャーリー・パットンとかサン・ハウスを聞くことになるのは自然な流れかなと思います。

当然、戦前録音もいいんですが、せっかく、60年代に、撮影された映像があるので、映像があるのを貼っておきます。

有名な曲としては「デスレターブルース」ですね。
まぁ、「死亡通知」とか「死の知らせ」のことですよね。
他にいくつかありますけど、これに彼の特徴のほとんどが詰まっていますね。

Son House - Death Letter Blues

どうですか、この圧倒的な歌と演奏!
どうですか、このビシバシ感。
どうですか、この尋常ではない炸裂感。
どうですか、こののたうち回るリズム!
もはや、「ギターって打楽器でしたっけ?」状態ですね。
というか、これで弾き語りですからね。
※ただ、この上のは、ギタリストがもう一人いるようなので、ギターは二本ですが。

この曲は、確か、記憶が間違っていなければオープンGだったはずです。
スライドも垂直ではなく、斜めですね。
後は、この有無を言わせぬ歌。
こんなの生で聞いたら死にますよw。
その場で死亡通知を発行してもらわないといけなくなりますw

どうでしょうか?今までご紹介してきた、いわゆる一般的なイメージのブルースとは、少し違ってますよね。よりプリミティブというか、飾りもなく、生々しというか。


ギタリスト視点でいえば、「やはり指が長いし、手のひらもでかい」、そして、「手の振りが凄い」なと思います。こんな弾き方、一般的な教則本では絶対出てきませんし、「ただでさえ手がでかいのに、その上これだけ手を振ってヒットさせたら、すさまじしいおとになるわな」と思います。でも、当てる瞬間の当て方だけではなく、同時に引きも早いので、瞬間的にえぐい音になるというか、そういうことなのかなと思いますが、まぁ、こういう分析は蛇足ですね。

スライドは、上にも書いたように斜めあてなんですよね。
「慟哭を音で表現のしたらこうなる」みたいな揺らし方みたいな感じですかね。

ブルースは悲しみの云々とかよく言われますが、私の中では少し違っていて、一般的なブルースは、そうとも言えつつ、そうしたことを音楽の力を借りてタフさで弾き飛ばすような音楽でもあるんですが、この人のは、まさに慟哭というか。しかし、やはり同時に力強い!
そこがかっこいいですね。

John The Revelator · Son House
これなんてアカペラですが、鳥肌ものですね。


Scary Delta Blues

これは通しでもライブですね。語り(話もしつつ)のライブですが

他にも色々凄いのがありますので、興味のある方は、ぜひご自身でも調べてみてくださいませ。

ということで、ブルースマンといえば、キャラ立ちが凄い人が多くて、関西人からしたらなんというか、ボケとツッコミをしやすいキャラとか、「ツッコミを入れながら聞く音楽」みたいなところもあるんですが、この方は、その要素は少なく、シリアス要素が強く、圧倒されるみたいな人かなと思います。

その理由は、色々あると思うんですが、長くなるので、興味がある方は、調べてみてくださいませ。


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