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ギタリスト列伝 : 11 エディ・ヴァン・ヘイレン

今回の「ギタリスト列伝」は、意表をついてエドワード・ヴァン・ヘイレンをピックアップしてみます。

「ギタリスト列伝」という言葉、単体でいえば、出てきて当然の名前ですが、うちのチャンネルの傾向からして、これは「ちょっと意外な選択」かもしれません。まぁ、でも、私は、一応、元メタル小僧ですしヴァン・ヘイレンから、キンクスのカバーである"You Really Got Me"をやってますからね。

これです。前にStuとやりました。完コピ寄りの完コピではない演奏ですが。まぁ、それはいいとして。

これも脱線ですが、私が「始めて手にしたギター」はもらったギターだったんですが、メーカーは確か、トーカイのStratocasterで色はピンクでした。
それを自分であれこれ改造して、あのフランケン(エディのあのテープみたいのを貼ったギターのこと)みたいにしたこともありました。

ギターを始めた頃、エディのギター一コピーを一生懸命に試みた記憶はありますね(笑)弾けないなりに"You Really Got Me"とか、"Panama"とかやりましたよ。なので、若い頃に影響を受けた一人といってもよいとは思います。

これです。フランケン!

アルバム的には、「ファースト」「1984」「5150」辺りはよく聞きました。
リアルタイムでは、聞き始めた直ぐに、「5150でサミーにボーカルが変わって、デイブはスティーブ・ヴァイたちとソロを初めて、、、」という時代でしたね。

前述の様に"You Really Got Me"は前にやってみましたが"Ain't Talkin' 'bout Love" ”Unchained”"Panama"辺りは機会があればやってみたいですね。

<エディについての思い出>
一時期、多分、2005年頃、うちの奥さんがエディにはまって「エディ様」と呼んでえらくはまっていた事があり、改めて聞きなおしたんですよ(笑)。
なんでも「笑顔がかわいい」ということらしくてですね。確かにエディはいつもニコニコしながら弾いてますからね。しかもあれだけの演奏を余裕で弾いてますしね。
デイブの変態さもお気に入りだったようですし。

そういうこともあって、ちょうど、その頃、ロックを聞き直し始めた頃(10代から20代前半までににメタル、ブルース、ロック、黒人音楽を一通り聞いて、その後、クラッシックやジャズを聴いて、また一巡して戻ってきた頃でした)でもあったので、アルバムを全部買って、改めて聞きなおしたんですよね。やっぱすごいなの一言でしたね。

メタル全盛期、テクニカルなギタリストはいっぱいいましたが、その走り、開拓者でありつつ、同時に頂点でもあった彼は、やはり時代を超えて特別であったのかなと思いますね。まぁ、要するに天才ですね。

テクニックについて言及されることが多いですが、リスナーの立場からしたら、そこは「へー、そうなんだ」って感じでしょうし、彼からしたらテクニックがメインではなく、それらはあくまでも音楽全体の一部だったんだろうなと思います。だからJumpでのシンセ導入も本人からしたら自然なことだったんでしょうね。

で、ギタリスト列伝なので、エディについてギタリスト視点で書いてみようかなと思いますが、まぁ、エディについては、色んな人が書いてますから、私なりの視点で書くことにします。

ちなみに、このギタリスト列伝は、ギタリストのために書いているというより、ギタリストである私が、ギターを弾かない人であっても、「へー」と思えるような範囲で書いてるつもりですので、ギタリストの方は物足りないかもしれません(笑)。

エディについて言えることは、

・数々の新テクニックを編み出した天才であったが、同時に、それらは凄く音楽的でもあった。いわゆるテクニックだけのギタリストではない。
テクニックそのものでいえば、「タッピング(昔でいうライトハンド)」「アーミング」「ハーモニクス奏法」「ピッキングハーモニクス」とか、色々な事をしますが、センスがいいし、音楽的な人だなと思います。
※タッピングについては、彼の代名詞ですし、やり始めたのは彼ではないにせよ、普及させたのは間違いなく彼といってよいかなと。

・数々のテクニックもさることながら、伴奏のリズムが素晴らしい。
※「リズムについて賛否がある」という意見を読んだことがあるんですが、「???」でしたね。

「正確無比系」のプレイヤーを基準にしている人からみると、そう聞こえるのかもしれませんし、言わんとしていることはわからないでもないんですが「あれは、ああいうリズム(グルーヴ)なんですよ!」と私は思ってます。

私からすると、むしろ、あのグルーヴ感がいいと思いますし、私は、リフを弾いているときのエディーのリズムは最高だと思っていますね。きっと、同意される方の方が多いと思います。

ま、リズムを言うなら、アレックス(ドラマーの兄)の方がたまに乱れてますけどね。でも、彼のドラムはいいですよね。ソロの時のライドの使い方とか、凄く好きですね。

・ソロは直感的なフレーズが多いですが、全体の流れや、まとめ方が、これまた素晴らしい。意表を突きながらも起承転結がある。ソロでテクニックを見せびらかせることを目的としている形跡はあまりない。

・ピアノからの影響も感じるギタープレイが結構ある(ピアノも弾ける人なので)。

・音作りがかなりうまい! よく言われる「ブラウン・サウンド」は歪み物の中でもやはり特別ですね。これは音作りだけではなく、弾き方もあると思いますけど。
 90年代以降は、歪みつつクリーンみたいな音も魅力的でしたね。
・右手の手首の動きが柔らかくタッチが柔軟に見える。
・作曲能力が高い。
・どちらかというと、直感的天才系

こんなところでしょうかね。

後、関係ないですが、観察していて気づいたんですが、エディはライブ中によくジャンプしますが、リズムのジャストの時に飛ぶのではなく、そこをめがけて着地することが多いんですよね。面白いですね。
ちなみにギターを弾き始めたのは、「ピアノは飛び跳ねながら演奏できないから」とか、インタヴューでいっていたようなw これも面白い。

<バンドとしてのヴァン・ヘイレン>
・デイブ期はワイルド系、エンタメ系でやっていたが、サミー期に、音楽性の幅をさらに広げて国民的バンドへ。
・90年代、メタルが衰退する中でも、作曲能力の高さで人気を保っていた面を感じる。
・やっぱりベースはマイケル・アンソニーだ!彼のコーラスと、後、エディーのソロの時の補助的ベースラインのセンスが好きですね。
・個人的にはゲイリー・シェーロン期も悪くない。もう一枚くらいやればよかったのに&ゲイリーちょっとかわいそう、、。
・最後は、デイブに戻って、、、。息子のベースは悪くはないんだけど、やっぱマイケルでしょと言いたくはなりますね。
・全員テクニカル系ではあるんですが、サウンド的には、バンドサウンド。
テクニカルな個々のプレイヤーが集まった系ではないなと思いますね。
・歴代、フロントマンに恵まれたバンドでもあった。

ということで、せっかくなので、PVとか貼っておきます。彼らはMTVの全盛期とも被るので、MVはいっぱいありますね。貼っていっていたら、結局、ほぼ、全部のアルバムから、一曲づつくらい貼ってしまいました(笑)

"You Really Got Me" Van Halen (1978年) 
これだけ音声レベルが低い(ここで音量を上げた方は、次、以降聞く際は音量を戻してください)。エディは弾いたふりですが、ほぼ完ぺきな弾いたふりだな。後、やっぱデイブの動きは面白い。冒頭のマイク回しもいいな。
これ、冒頭に貼ったやつの元ネタです(念のため)

"Ain't Talkin' 'bout Love" Van Halen (1978年)
これはいつかやってみたい曲ではありますね。


"Ice Cream Man" Van Halen (1978年) 

これは、ベスト盤に入っているタイプの曲ではないですが、リズムの例として貼りました。こういうオーソドックスなロックのリズム、ブギー調のリフって、メタル系の人は苦手な人が多いと思うんですが、エディのこれは、ブルース好きの私が聞いても違和感がない(主にアコギの部分のことを言ってます)。総合的にリズムについては、自分のノリがある人なんだと思います。

"Dance The Night Away" Van Halen II (1979年)
当時としては珍しい明るめの曲ですね。これは確か、ヒットしたはず。

"Unchained" Fair Warning (1981年)
これもやってみたい曲ですね。6弦ドロップDにして、ちょっと引きずったようなリズムがかっこいいですね。


"Panama" 1984 (1984年)
まぁ、これはもう言わずと知れた大ヒット。これもやってみたいですね。
デイブのエンターテイナーぶりがお見事(まぁ、そちらはデイブのソロの方でさらに加速してましたが)。まさにダイヤモンド・デイブだな。


これと"Jump"は当時の双璧ですね。ギタリスト列伝なので、シンセ全開で当時、物議をかもした"Jump"は一応、外しておきましたが、名曲ですね。

"Hot for Teacher" 1984 (1984年)
これはテクニック的にすごいですね。Videoが笑えますがw


"Why Can't This Be Love" 5150 (1986年)
サミー期に突入。この頃は、ギターがスタインバーガーでヘッドレスでしたね。

この時代、曲の完成度がいきなり上がりましたね。
メタルファンからはいろいろ言われましたが、シンセとギターサウンドもうまく融合して完成度をあげましたよね。同時に、時代の音でもありました
ね。結局、この路線って、誰も真似できませんでしたよね(単にシンセを使っているとかではなく)

"Dreams" 5150 (1986年)
これも時代の空気を感じますね。このMVは当時MTVでよく見ましたね。
この動画でもうミュージックマンのエディModel(MUSIC MAN Edward Van Halen Model)を使ってますね。このギターはエディ云々を抜きにしても、いいギターだと思いますね。私は向いてませんけど(笑)。


"Finish What Ya Started" OU812 (1988年)
エディは、ジミ、アランホールズワース、クラプトンとかから影響を受けたとよく言ってますが、このリフとか聞くと、ストーンズもでは?と突っ込みたくなりますね。

この曲のギターソロはカントリー系ですが、リズムがかっこいいですね。
たしかに、少し乱れている部分があるので、先のことは、そういうことをいってるのかもしれませんが、これ、そのほうが味があるというか、「こんなの機械的に弾いたって面白くないじゃない?」と思うんですがw

それと、サミー! いや、歌は好きなんだけど、このわざとらしいエンタメぽいのが、なぜか逆に笑えてしまいます。「いや、すまんサミー、かっこいいとおもっているんだろうな、とはわかるんだけどさ」みたいな感じw 要するにナルシス?と、突っ込んでおりますが、歌はやはり一流ですね。

余談ながら、これはサミーの公式チャンネルにアップされていました。
これ、レコーディング時にはエディがFender Stratocasterをミキサー直挿しでやったそうです。サミーはGibsonのアコギをつかったそうな。


"Right Now"  F@U#C%K (1991年)

これはちょっとシリアスな曲ですね。でも、成熟を感じますね。
これは「作曲」というところに焦点を当ててる曲ですかね。
「パウンドケーキ」は逆ぶりで、テクニック全開でしたが、あれは公式から映像がでていなかったので、いれませんでした。


"Can't Stop Lovin' You" Balance (1995年)

これもアメリカンロック全開ですね。
これもたしかにジャカジャーンのところが、若干ずれてるので、リズム云々はこういうところから来てるのかもしれませんが、私は、半分は意図的だと思ってます。これもジャカジャーンは、キース風だと思うんですけどね。
この頃エディはクラプトン風になってましたね。渋いけどね。

"Humans Being" Twister (1996年)
こいつもシリアス調ですよね。後、これも見た目がクラプトン風になっていて、うけましたね。これはアルバムではなく、映画ツイスターのサントラの曲でしたね。


"Without You" Van Halen III
ゲイリー・シェーロン期から、これも公式に映像付きがなかったですね。
ちょっと音が悪いけど、ファンがアップしているのから貼っておきます。


"She's the Woman" A Different Kind Of Truth (2012年)
これがアルバムとしては遺作になってしまったデイブ復帰のアルバムですね。

このツアーを、うちの奥さんと見に行きましたね。

ファンの方はご存じかと思いますが、このアルバムの曲は、デイブ期に、当時、ボツになった曲を復活させてやったのが多かったとか。

それはさておき、デイブの動きがほんとに面白いし、好きだなw

息子のベースは悪くはないんだけど、やはりマイケル・アンソニーでしょといいたくはなる。

"Tattoo"  A Different Kind Of Truth (2012年)

ということで、この後、65歳だったかで、なくなってしまったエディー
いやぁ、早すぎる死ではありましたね。

サミーは番組とかもって、お店も持って、自分のバンドもあって、充実しているようですね。

息子氏はアルバムも出したし、去年だったかに新譜も出してましたよね。

エディから離れますが、デイブのソロは、なかなか渋くて好きですね。

それと、デイブは日本好きで、日本に住んでいたこともありますし、変な日本語もしゃべれますからね。
「イシノウエニモサンネン」とか、ラジオでDJして叫んでましたねw

デイブは引退をほのめかしてましたが、まだ早いでしょうと言いたいし、「引退するなら、日本に永住して、たまにライブやってよ」といいたくなります。

彼のソロは、メタル系ではなく、古き良きアメリカのエンターテイナー的なのも多いから、あの路線なら、まだまだ続けられると思うんだけどな。


最後に来日した際に、奥さんとライブに行ったんですが、その時、公式にバンド側から「写真撮影してOK」だったので、その写真も貼っておきます。
もう、奥さんは、その頃は前ほどの熱狂度ではなかったようですが、それでも二人で見れてよかったなと。ただ、あの会場、ほんとに音が悪かった(大阪)。あれはもったいなかったな。

後、話しかけませんでしたが、ホテルでアレックスを見かけました。

音楽的成熟度や聞きやすさとしてはサミー期なんでしょうけど、私はデイブが好きですね。あのエンタメ、野獣さがすきですね。

日本刀が大好きなデイブ。ステージでも舞ってましたねw 


ということで、今回は、いつもと違った基準で選びましたが、「ギタリスト列伝」というタイトルでいえば、文句なしの人選であったかなとw

私は、若い頃、早い時点でメタルから離れてしまったので、あれなんですが、まぁ、でもエディからは影響を受けたし、ギタリスト列伝として紹介したい一人ではあるので、書いてみました(このシリーズ、いったいどこまで続けるのかわかりませんが)。

そういう意味では、いずれ、「パット・メセニー」とか「エリック・ジョンソン」についても書いてみるつもりです。特にメセニー先生については、個人的にな並々ならぬ思い入れがありますので。

なのですが、とりあえずは、また、次回から、いつもの路線に戻ります。




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