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退職面談にTシャツ、短パン、サンダルで行ってきた話

1年9ヶ月勤めた会社を今日辞めてきた。正確に言うなら、今日はあくまで書類の手続きをしてきただけで、やめるのは今月末付だ。

今日は、昼にラーメン二郎を食った。全マシで。たぶん僕はロットを乱した。一緒に入店したみんなが食い終わって店を出ているのに、僕だけ居残ってまだ伸びきった麺をすすっていたのだから。思えば小学校の頃も給食を残して昼休みまでこんな感じで食わせられていた。惨めだ。

何とか全部平らげて渋谷に向かって、スタバで作業。書類選考が通った会社のSPIを受ける。言語テストはまあ出来た方かもしれないが、非言語テストが壊滅的。性格検査は楽しんで出来た。

その後、慣れ親しんだ道を通って会社へ。階段を上がるときは見知った顔に出会わないように祈っていた。

約束の時間。ユニクロのブルーのTシャツにGAPのベージュの短パン、モンベルのサンダルを履き、ポーターの斜めがけのバッグをかけた僕は人事部の担当者を探していた。

すると、同じ部署で働いていた女性の先輩とすれ違った。苦手な先輩で、できれば言葉を交わしたくなかったが、向こうは笑顔で挨拶してきた。複雑な気持ちだった。自分が幼く思えた。

人事部の担当者と会議室に入り、事務手続き。転職先が決まっている訳ではないので、一時的に無職になる。健康保険も国民健康保険になるし、住民税も、自分で納付する形になる。

書類にサインや押印をしてから、人事の人とエレベーターホールで事務的に別れる。

最後くらい、スーツで来て、お菓子を配りながら挨拶回りをしてもよかったかなとも思った。でも、そういう堅苦しいところがないのが今の会社のいいところでもあった。

敬意を込めて名前を出すけれど、2016年にメディアジーンに入社した時、全社員が私服で仕事をしていた。今と同じ季節、夏には、短パン、サンダルで働いてる社員もいた。

僕はそういう「進歩的」な社風がえらく気に入っていた。メディアジーンの中でも肝いりの新メディア、ビジネスインサイダーで働いていて、自社の自由な気風を誇りに思っていた。

それが、持病をこじらせたりして、休職を繰り返したりしつつ、親会社のインフォバーングループ本社の総務部に転籍になると、少し雰囲気がお堅くなった。総務は管理系だから、流石にメディア人ほど自由ではいられない。僕は、新鮮な気持ちを味わいつつも、同時に居心地の悪さも感じていた。もっと言えば、窮屈だった。

これが原因という訳ではないが、持病が悪化し、上記のように会社を辞めるに至り、僕は最後、会社にどんな服装で行くか悩んだ。総務で働くときは、メディアという自由なイメージと、お堅い管理部のイメージの中間をとって、シャツにジーパンという格好がほとんどだった。さて、最後の日はどのような格好にしよう。

最終出社日。

このところ有休消化で家を出ていなかったからヒゲは伸び放題。面倒臭がりで風呂にもあまり入っていなかったからとりあえずシャワーを浴びて、合わせてヒゲを剃る。

人前に出るということで髪の毛にワックスを塗り、顔にベビーパウダーを塗ってテカリを抑える。脇には制汗剤を塗る。

そして、僕はTシャツ、短パン、サンダルで家を出た。

この日、日本の国内最高気温は歴代最高を塗り替えていた。


P.S. 写真は退職記念に僕がねだって妻に買ってもらったシュークリーム

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