見出し画像

おれのツールドフランス🇫🇷 day1 グルノーブルへ、トラブルを超えてフランス初ライド

”自分の自転車でフランスのアルプスを走る”という夢。

時間的にも金銭的にもハードルが高い夢ではあったけど、これは自転車人生の中でいつか必ずやりたいと、密かに思い続けていた夢だった。

”いつかやりたいな〜”なんて、自転車を買った当初はぼんやりと思うだけだったし、国内のスポットを巡るだけでも十分に満足できていた。

けど、この”いつかやりたい”が”絶対にやる”に変わった大きなきっかけがある。それは2019年の台風19号、そして2020年から始まったコロナ禍だ。

台風で馴染みの道や気になっていた道が走れなくなり、コロナで当たり前のようにできていた旅行に不自由したり。

”いつか”というのは一生来なくて、行けるときに行かないと機を逸してしまうと、痛感した。

以来国内の気になるところは仕事の休みを無理矢理作ってででも行くようにしてきた。

今の働き方は時間に融通が効く反面、休むことはダイレクトに収入に響くけど、それでも行くようにしていた。

その体験は一生モノだと思っているからだ。


そしてコロナ明けが見え始めた去年、”来年は絶対にフランスに行く”と決めた。


これを書いている今、まさにこの”おれのツールドフランス”を実行している最中の4日目。移動とライド続きで一息つく時間を作ってこなかったが、一旦ここで小休止を入れている。せっかくなので旅の記録をここに残そう。


今回の目的地はフランスのグルノーブルというところ。アルプスの麓の都市で、日本でいう松本みたいなポジションと捉えている。(多分)


見ての通りパリからだいぶ離れている

旅の始まりは15時成田発の便だったので、朝はゆっくり起床していつも通り過ごした。妻に見送られて、電車とバスを乗り継いで成田へ。

時間にかなり余裕を持って着いたので空港でのんびりしようかと思っていたけど、早速scicon(飛行機輪行用の自転車ケース)に洗顔周りの液体を入れてから預けるのを忘れてしまうミス。

機内持ち込みできないので、急遽持ち込みサイズを買い込んだ。無駄な出費…

そんなこんなであたふたしたけれど、無事出国できてまずは香港へ。

国際線に乗るのは7年ぶりなので機内食を楽しみにしていた。



楽しみにしていた機内食、正直美味しいかというと…笑

香港で4時間ほどの乗り継ぎ待ち。ゴールドカードでラウンジを使おうと思ったけど残念ながら日本のAMEXは対象外だった。結局空港の座椅子待機。少し仕事をした。


学生の時にバックパッカーしたときをおもいだした

時間になるパリ行きの飛行機の搭乗口へ。搭乗券を気まぐれで財布に入れていたことを忘れていて、搭乗寸前で”無くした”と頭が真っ白になるなどのポカをしつつギリギリで搭乗。

23時発なので、ちょうど寝てればパリに着くだろうと楽観していたけど、流石に14時間は寝られない。機内食を食べてからは多少起きつつも合計して7時間ほどは睡眠できたけど、それ以降は映画を見て時間を潰していた。本を読むには振動が大きかった。


パリに着いたのは現地時間でAM6時30分ごろ。3時間ほどの待ち時間の後、ここからさらにTGV(日本でいう新幹線)を乗り継いでグルノーブルへ向かう。


フランスの郊外は日本以上に何もない

この待ち時間でSIMの設定をしたけど、事前に買っておいたSIMが何故か10分で使えなくなり、結局現地で新しいのを買う羽目に。前途多難だ。

準備が整ってようやく空港内のコンビニで小休止。ここでパリ物価の洗礼を受けた。


エスプレッソとサンドイッチで1000円くらい笑

TGVは満席で、バーカウンターのある列車で立ち移動になったけど、景色を見ていたらあまり退屈しなかった。山がちな日本とは対照的に、どこまでも平原が広がっていて新鮮だった。全国どこにいても、うっすらでも何かしら山が見える日本の地形は結構独特なのかもしれない。


乗り換えの駅での駅員さんの案内が明らかに間違えていて、あわや乗り遅れそうになったけど無事グルノーブル行きの列車に乗ることができた。

この列車は席も空いていて、椅子に座ってゆっくり景色を見ながらの電車旅。

二階席に向かう階段とか、なんでもないところでも座ってる人が結構いたりして、”日本ではあり得ない”というギャップを感じられて楽しかった。海外旅行の醍醐味だと思う。


退屈さを一切感じずにパリからようやくグルノーブルへ。移動時間にして丸24時間かかった。駅を出ると広場で思い思いにくつろぐ人がたくさんいて、”穏やかな街なんだな”とすぐに分かった。

Airbnbで抑えていたアパートは駅近く。Sciconを転がしても辛くない距離だ。これは予約の段階で重視していたポイント。

(ちなみに長期滞在かつ拠点の移動が少ないならAirbnbが圧倒的におすすめ)

入室方法がやや複雑だったのと4階だった。これが最後にして最大の重労働だった。

現地時間で14時、ようやく部屋に着いて一息安堵、、とせずにしてすぐに自転車を組み立て始めた。

まだこの時間なら、2時間程度なら走れるだろう。

バイクを取り出して、外したディレイラーを取り付けて、ホイールを付け…あれ?チェーンがあらぬ方向に絡まっている。

輪っかができて交差して、知恵の輪みたいな状態。やはりチェーンは外すべきだった。


結局フレームのまま自転車屋さんに持って歩いて、無事?解決。

この時点で日の入りの時間的にライドは無理かと思ったけど、なんと夏のフランスの日の入りは22時!これは最大の驚きだった。

これなら走れるなぁということでそそくさと準備していざライドへ。

地図を見るにグルノーブルは山に囲まれているので、短時間でもかなり良いコースが引けそうだった。

元々当日に走ろうと思っていた山に向かい意気揚々と登り出した。念願のフランス初ライドだ。


景色と空気を楽しみながら登れていたけど、、一向に終わりが見えない。街の横の山の割には長くないか??と。しかも決して斜度はゆるくない。地図で見てこの辺を走ろうくらいには決めていたけど、細かいデータは見ていたなかったのだ。

トレーニングではないので淡々と、結局1時間ほど登ってPorte峠というポイントに到着。

グルノーブルはこの写真中央の山のような、切り立った大きな山に囲まれている。この雰囲気でこれほど大きい山は日本では見たことなかったので、すでに満足度が高かった。

峠を下ると何人もサイクリストとすれ違う。こんな夕方でも山でサイクリストに会うのがまた新鮮だった。

降った後の景色もとにかく絶景。


地図で見て決めていた折り返し地点についてからはまた長い登りへ。今度は林道チックな登りで、ちょいちょい砂利道になっていた。


ここは慎重に。雰囲気といい斜度といい、どこか奥武蔵GLっぽさがある道だった。そう、斜度はなかなか10%を下回らなかった。普通に登るだけでもキツい。

だからこそ峠でのこの景色は一際素晴らしく感じられた。ここはcoq峠というらしいとあとで知った。



フラッと入った道でこういう景色に出くわす感動を長らく味わっていなかったかもしれない。この旅はこんなことばかりになるんだろうな。

ここの下りも砂利が結構あって怖かったので、慎重に。アルプスの山を見ながらのダウンヒルが楽しめた。

ちょうど3時間くらいでライド終了。乾燥しているからか、やたら喉が渇いた。フライトで脱水していたのもあるかもしれない。結構水は意識的に飲んだんだけどなぁ。

19時くらいに街に戻っても、昼間のような明るさ。気を急かされることもなくゆっくり片付けて買い出しに出られた。

到着したこの日は土曜日で、商店がほぼやっていない。というかフランスは土日休みのお店が多いようで、街もどこか静かだった。ここも日本との大きなギャップ。(そしてこれには翌日のライドで苦しめられることになる…)

なんとか見つけた小さい店でパスタと卵と水を買い込む。大きい店は平日しかやっていないのだ。

簡単にパスタを作って初のフランス自炊飯完了。


シャワーを浴びてすぐ、移動とライド疲れで、日没と同時に22時にはすぐに寝たと思う。


初めての国で、自炊しつつ走りつつの旅。

チャレンジングではあるけど、このワクワク感は20歳の時に東南アジアを旅したとき以来だ。

海外は適応するまでが大変ではあるけど、そうした苦労もひとえに楽しんでいこうと思う。

















この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?