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おれのツールドフランス🇫🇷day12 クイーンステージの観戦

目を覚ますとそこは車の中。そう、トラブルによりシャモニーの駐車場で車中泊になったことに目が覚めてから思い出した。

涼しい朝で、外で空気を吸ってからもう一眠り。というのも、この駐車場が開くのはスーパーの営業時間からなのだ。

しかしいざエンジンをかけようとすると…なんとバッテリーが上がっていた。泣きっつらに蜂とはこのことか。

車の保険屋に連絡して業者を手配。ユージンの流暢なフランス語のおかげで乗り切ることができそうだ。時間的にも、シャンベリーに戻って準備してからまた車で移動してもなんとか観戦には間に合いそうな時間。ギリギリのラインだ。

シャンベリーにトンボ帰りして宿に戻り、シャワーを浴びたらすぐにライドの準備を。久々のシャワーは気持ちいいものだった。

車に自転車を詰め込んですぐ出発。行きがけにFlunchというファミレスのようなお店に寄った。半ビュッフェのようなスタイルで、ライスがおかわり自由なのがありがたい。(写真は撮り忘れた)

車内では申し訳ないが寝させてもらった。というのも連日のライドのダメージを負った状態で車中泊をしたからか、体調が最悪だったからだ。体温計を持っていかなったのは失敗だったけど、多分この時は熱があったと思う。

とはいえこの時身を置いているのはツールドフランス開催中のフランスである。しかもこの日はクイーンステージ。当面体調を崩すリスクを負ってでも峠を登り、この目で選手たちの走りを見たかった。


クイーンステージのラストの登りのロズ峠の麓に車を止め、そそくさに準備していざ出発。乗った感じのコンディションは悪くなかったので淡々と走り出した。レースのコースと違うアプローチから峠を登りだす。

かなり暑くてしんどかった。日陰がない広い県道のような道だったので、日差しに常に焼かれるような感覚。いいペースを刻んで登っていたけど、15分程度でギブアップ。いいタイミングで墓地があったので水汲みに寄った。

この墓地から程なくしてレースのコースに合流。観客も大勢いる中Metierの街に着いた。スキーリゾートのような雰囲気の街で、パブリックビューイングもある。

盛り上がりがすごかったので、頂上付近このエリアで良いかとなった。キャラバンが続々来る。

キャラバンタイムを終えると再び上に登る動きをするサイクリストがちらほら。それを見ると行きたくなるもので、もう少し行けるところまで行くかとなった。

その先の直登を登ると、人がまばらだけど大きいコーナーに到着。ここを再びの拠点とした。

話していたら時間はあっという間に経つもので、集団の到来を感じさせるヘリコプターの音が聞こえてきた。いよいよだ。

この日の注目はなんと言っても、総合争い。ポガチャルが前日のTTで失った900秒近い差をどこまで埋められるか、それともさらにヴィンゲゴーがその差を広げるのか。

総合上位の集団が来てもやはり目で追うのはその2人。黄色と白のジャージを視認した。

少なくとも自分の目には、ポガチャルの姿勢と表情からは90秒差を埋めるほどの爆発力を発揮する余裕を秘めているようには見えなかった。

果たしてその見立ては当たっていて、私たちが見ていたカーブの先の直線でユンボのペースアップが起こりポガチャルは陥落した。最終的に6分差がつき、総合勝負はほぼ決着したと言える。

衝撃の展開で興奮冷めやらぬまま、交通規制が解除された後にロズ峠の頂上を目指して登った。標高2000m近いスキー場の合間を縫うような道で、延々と10~20%の斜度が繰り返されるような坂で、登り切るだけでもかなりの出力を求められる。

ユージンと宇賀くんとは自然にバトルのような展開に。登坂力には分があるかと淡い期待を持ったけど、そこはやはい地力を見せつけられた形になった。

苦労して登った頂上からの景色は絶景のひとこと。360°アルプスを見回す景色はガリビエ峠とまた違う迫力があった。この景色もまた一生忘れないと思う。


汗で体温が冷えそうなのに加えて標高は2300m。かなり寒かった。ウィンドブレーカーを持ってこなかったことを後悔。チームカーやバイクの渋滞も相まってなかなか下れず、ここがある意味この日一番タフだった。

無事下山して車の元に戻れたのは18時くらい。日本だと焦る時間だけど日没の遅いフランスでは気持ちの余裕が違う。

シャンベリーまでも快調に戻ることができた。夜は2人の宿で晩餐。手作りのガレットが美味しかった◎

募る話はいっぱいあったけど、いかんせん眠くなってしまったのが申し訳なかった。翌日はパリへの移動の日。この旅も残すところ2日。遊べるのは1日だけになった。

シャンベリー最後の夜







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