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植木との付き合い方

私達植木屋は、人と身近な緑地を作りその緑地の管理をしています。
公園や庭、神社やお寺、街路樹などなど。一見すると自然環境を作り環境に貢献しているように思いますが、私の意見は逆で、環境破壊をものすごくしている職業であると思っています。

例えば春先になるとわかるように、都市部では異常な数のサクラが咲きます。山の広葉樹林を見てみると、ヤマザクラは山一面を埋め尽くすほどの量などはなく、数えられそうな程度の数があります。
そのため都市部緑化には植物に非常に偏りができています。これによって特定の生物がより多く繁殖し、適応できない生物が生存できなくなります。
この辺の話は外来種問題にも通じますが、「風が吹くと桶屋が儲かる」のように、一つのピースを人為的に欠かいてしまうと全体のバランスが変化してしまい、どこでバランスを取るかが非常に難しい問題です。

ではバランスを取るのが難しいならすべてを自然にまかせて、人間の手を入れるべきではないという意見もあると思います。それはそれでアリかとは思いますが、その状態が私達にとって恵みがあるかは別問題になります。
私達は自然に手を加えることによって、様々な利益を得ています。川の護岸整備によって水害を軽減し、ダムを設けることによって水を一定的に確保できています。山を切り植林をすることによって木材を手に入れ、森林をなくし畑を整備することによって作物の恵みを得ています。その行為によって多くの生物を排除してきました。しかし多くの恵みを得ることもできました。

私達にできることは、業をきちんと受け入れ感謝し、責任を持って真摯に物事を考え、実行する事が自然に対して敬意を払うことになると思います。