造園業の目指す目標

またレポートから抜粋します。

1章で書いてあるように現在の工事高は約2,400億円である花卉の売り上げが約3,500億両方合わせても6,000億円。建設業全体の出来高が約50兆円である。
目指すべき目標は造園業界単独で1兆円規模の市場に拡大すること。それにより長期的な樹木研究への投資も可能になり、次世代への技術の伝承や新規技術の開発、植木の生産などを行うことにより後ろの世代へのバトンを渡すことができる。ピープルツリーを大きくすることが可能になる。そこから歴史的な天才が現れるかもしれない。そういった夢をみてしまう。
そのためには各社ごとにきちんと収益を上げ、値段によって消耗する競争ではなく、お互いが切磋琢磨し、技術による競争、デザインによる競争の激化を図ることが大切である。

1兆円市場にするためには、私たちはマクロな視点を持つ必要がある。公共工事は確かに売り上げには非常に貢献するが、景気に左右される。ないがしろにしてきている個人の顧客の開拓をきちんとする必要がある。個人の市場が拡大し、造園に関心が向けば緑地インフラの拡大によって公共工事の増大も可能になり、就業人口も増えていく、さらに個人の顧客の場合、入金が2~3か月後や手形での支払ということはまずない。資金繰りがもう少し楽になる。この様な良好な循環に持っていく必要がある。
個人の開拓をするためには、まず大衆に受け入れてもらい認知を高める。庭を持つことは特別ではなく、車を持つことと同じという意識の地位まで向上させる。車の市場は約58兆円、新車販売台数より50分の1台分売れば民間だけで1兆円を超す。

10年前の私のレポート「7章・私達が目指す目標」より

なかなか業界全体が活性化する施策を考えるのは難しいです。
しかし未だに業界が何かをしているようには映りません。全員とはもちろん言いません。素晴らしい方たちもいます。

最近私の私感ですが、会社に属せず個人事業主になっている植木屋が多くなって来ている気がします。
植木屋は初期投資がかなり少なく始められます。そして現在は人手不足のため仕事は困りません。個人事業主は時間に融通が利き、特に営業をしなくても知り合いの会社に仕事ないですか?と声をかけると大体仕事があります。

そのため収入自体はものすごく高くはありませんが、組織に縛られずに自分の思ったように仕事ができ、それなりに収入があるので、人気が出るのもわかります。
しかし一人前扱いされるので、自分で常に勉強をしていないとそこから先の付加価値を生み出すことができません。そのため庭工事ができる職人さんはとても減っている印象があります。

技術の継承は難しい話だと思います。例えば対面での打ち合わせがいいか、リモートがいいかのような話で、その時適切な方を選べば良いが答えだと思うのですが、ある程度選択肢を知っていないと手数が少なくなります。
手数が多いほうが問題の解決には役立つと思います。

私の会社の理念として、ピープルツリーを守り育てたいというものがあります。次の世代やずっと先の世代までこの仕事が変わりつつ、変わらず続くことを願っています。