贈り物

震える手のひらで縋るように握りしめたスマホで、本当はミラギフを見ようと思ってた

足元に覗く明るんできたベランダの窓越しの空に焦って、誰にも言えなくて、無邪気に泣きじゃくることもできなくて、世界中で唯一いつでも私に優しい世界になんとかして救ってほしくて、でもこれでダメだったらと過ったら恐怖がむくむくと湧き上がって心がすくんだ

今日はd!もwtも見れないと思った YouTubeの検索ボックスを開いて、いざ打ち込んだのは、何度も聞いたあなたのピアノだった

いつも変わらない音
まろさと堅実な強さのある彼だけの音
声を上げるタイミングも、メロディも強弱もすっかり覚えていた 呼吸を取り戻していく たった3分半で、私はまた息が吸えるんだ
深呼吸したらもう大丈夫だと思った 吸って吐いて食べて寝られれば生きていけるんだ
辛さで押し潰されて見えなくなってた、人狼RPG楽しみだった気持ちがひょっこり顔を覗かせてきた 躊躇いなく再生ボタン押せて嬉しかった これ1つで全員の証明なんだもん
目閉じて深呼吸 凪の心地で声だけ聞く いつも通りに戻れたなあと安堵して微睡んでたら「鉄砲玉のきり」とか意味わかんないこというから声あげて笑った
「辛いことがあった時、動画見て笑えた時が、1番好きで良かったと感じる瞬間」って言葉に、それってこの界隈での悩みはないってことなんだろうな、いいな、ここで辛いことがあったときは、思い出しちゃうから私には手に入らないなと思っていた
こんな1回の出来事でくるっと手のひらを返したりは無いけど、私でも笑えるときはあるんだな、なんて薄明かりの中で思った

d!のファンばかりの環境で、ぶるーくの話に反響があると嬉しい
彼のことをもっと知って欲しい みんなにもっと興味を持って欲しい 簡単に手に入る紹介文のような表層の彼じゃなくて、奥に眠る宝物たちをもっとたくさんの人に見つけてもらいたい

あのコラムに君が「贈り物」と名付けてくれたから、あなたがくれるものは全部ちゃんと宛名が私だ
あなたが日々の活動の中で発信するパワーの中にコンマ何センチ、ミクロレベルで「何かを送りたい」という気持ちが内包されているだけで、そこから私が受け取れる気持ちは全部君と私で起こした化学反応で、私専用の贈り物になる

いつか、直接声を届けられる機会があったら
そんな想像をつい何度かしてしまったほど、伝えたいことばかりだ
願わくばこれからの人生、まだまだあなたが必要でありますように
山積みになったあなた宛の箱を、「贈り物」と呼べる日が来ますように

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