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風のヒューイは弱いのか?-統率力と機動力の非凡なる才能-(再掲)

いろいろな場所で書き散らしたものを、あとから自分で探し出してきてまで読み直すということは、特にブログ文化の中ではほとんどしたことがないが、なぜか私が書いたブログ記事の中で、何年経ってもアクセスされ続けている記事がひとつだけある。どこに需要があったのか謎ではあるが、そもそも私が唐突にこの記事を書いたのも、あとから検索して辿りついてきてくださる読者と同じような疑問を抱いたからに他ならない。
そうやって見返すと、この稀有な、小さな記事を贔屓したくなってしまったので、改めて、今後も細々と存続させていくであろうnoteの方に再掲しておきたい。

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 風のヒューイがなぜ弱いのか。「拳王の強さを際出せるため」「相手が拳王だったから」というのが定説となっているが、やっぱり拳士としても、何より将としてそこそこは強かったんじゃないかという思いが拭い去れない。

 その根拠が、なぜ彼が五車星の一翼を担えたかを考えることと同意だとすれば、やはり荒廃した世紀末において、圧倒的な機動力を誇っていたこと、これに尽きるのではないかと考える。

 部隊で見た場合、機動力は、動力のほかに類まれな統率力を兼ね備えていなければ機能しない。

 ヒューイが率いる「風の旅団」は、ヒューイによって完璧に統率され、おそらく拳王直属の部隊はもちろん、五車星の部隊の中でもだんとつに機動力に優れていたのではないだろうか。斥候であり、先鋒隊であり、部隊内外の連絡や諜報業務を担って仕損じなかったろう。

 この部隊の機動力の源は、これまた完璧に仕上げられた大量のバイク軍団であった。あの荒れ果てたモノ不足の時代に、あれだけのバイクを集めて軍団を編成するあたり、バイクの入手やメンテナンス先、パーツの入手経路など、かなりの独自な情報網を持っていたはずだ。

必要であれば、バイクの集まる場所をいちはやく見つけ出し、急襲をかけて簒奪しては部隊を強化していたのではないか。

 統率力と機動力。風のヒューイは、でっかい拳が正義、な時代に生まれたことが不幸だったよな、なんてどうでもいいことをなぜまじめに考えていたかと言えば、たぶん風邪ひいたからだろう。(了)


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