見出し画像

「スキ」はあちらに

 昨日からポレポレ東中野で公開されているようです。(公式サイト
 それでこんな(↓)「映画感想文」があって、よかったです。「これだけしっかり観てもらえたら作り手は幸せだよね」と思いました。「スキ」やコメントはぜひリンク先(綾乃つづみさん)に。 

 谷川俊太郎や田村隆一って好きな詩人だったから、そういう人たちが認めていたという長谷忠さんの詩集を読んでみたい。「母系家族」「私生子」という二冊がヒットするのだけど、買えない……読みてええええ。つい「いま印税が入ったら嬉しいんじゃないのかな」と考えてしまう。


 私も50歳なので、「同性愛は病気」という時代に育ちました。しんどかったのは肉親がテレビの「ホモ」を笑うことで。その歪んだ顔を脳裏から消そうとしても消えないことですね。長谷さんの時代とちがうのは、いわゆるゲイ・ブームが起きて、それ自体ではなくその余波として良質な海外の小説が多く翻訳されたことでした(何でも良いというわけじゃなくてエドモンド・ホワイトは全く好きになれなかった)。砂川秀樹さんみたいな存在もあったし。しかしそうした救いが後からあったのは確かにありがたいことではあっても、思春期までにぶち壊されたものって消えないわけで。心が要請するもの、脳からの信号、育とうとする身体を憎まされた恨みはありますね。やっぱり、とことん歪んだと思うしね。性を笑われるって、傷が消えない。

 言うなら「おれに何をした?」という気持ち。

 突き詰めればそれだけで、ずっとそれを言ってて、それが全て。なんですよね。誰かに謝って欲しいわけじゃない。ただ「おれの権利を新品で返せ」と、もうそれだけなんですよね。


 これも絶版なんでしょうけど、福島光生さんの「ソメイヨシノは、実をつけない」という本も嬉しくて買ったなあ。良いタイトルですよね。日本人が最も愛する花は、実をつけない。しかし画像は、枝垂れ桜。わざとじゃなくて、どこかで使いたかったストックなんですが。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?