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以前出版した本を読んで下さった方に「カミングアウト・レターズ」作ったの俺デスと言ったら…

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以前出版した本を読んで下さった方に「カミングアウト・レターズ」作ったの俺デスと言ったら「あなたは(編者として)何をしたんですか?」と澄んだ瞳で聞かれ撃沈。ですよね。ほんと、何やったんですかねえ。2023年にはベトナム語版が出ました。2027年頃には文庫になりますように。

マガジン

  • 看護学生との対話 Archives

    2008年~現在、看護学生からの「講義を受けての感想」にフィードバックした内容。その保管庫です。性的少数者という背景をもつ患者に医療者はどのように向かい合えるのか、セッションの記録になります。

記事一覧

あなたは泥酔していた時間を知らない

 北区で強盗にタクシー運転手が拳銃で撃たれたとか、北九州市でロケットランチャーが捨ててあったとか、怖いねと職場で話していたような日ではあったのだけど。電車の中で…

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2日前
19

昨夜の日記

 荒天だったりする日の仕事帰りは、「タワーリングインフェルノ」や「ポセイドンアドベンチャー」みたいな状況をつい考えてしまう。今危機になったら誰と助け合えるだろう…

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4日前
23

30デイズ/ゲイと一緒に30日間

 ドキュメンタリー映画「スーパーサイズ・ミー」で知られるモーガン・スパーロック氏が亡くなった。残念な気がする。私は「スーパーサイズ・ミー」は未見で、氏の作品では…

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9日前
20

ジオニック社製、型式番号MSM-04

 「父さんにもぶたれたことないのに!」と言っていた人が還暦を過ぎて不倫相手を殴っていたというニュースなんて聞きたくなかったな。例のお方が単独会見を開いて「坊やだ…

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9日前
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こういうの出版しろよなマジで。と思う

 子どもたちは自他の痛みや社会の不条理をどのように処理したのか。子ども同士で、支援なき世界を生きのびるための言葉を見つけた物語へのリンクを貼りたい。こういう時、…

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2週間前
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カミングアウトは終わらない

「カミングアウトは終わらない」 刊行から15年めに  15年間。そんな時間が流れたのだと知る。私はあの本に編者として関わっていて、セクシュアル・マイノリティが社会…

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2週間前
24

「マザーズ・プレイヤー」(1994米)

 母を描いた映画は星の数ほど、つまりもっとあっていいのだけれど。一本選んでと頼まれたら何を選ぶだろうか。頼まれることなどないし、頼まれなくても考えちゃうんだけど…

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2週間前
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その隙をスキと

 「スキ」をどういう時にすればいいんだろう。いまだに分からない。  「お、いいねえ」とか「楽しい」とか「ありがとう」とか。ふふっと笑えたとか。「いつも素敵だなあ…

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3週間前
23

vieのような花火/「野蛮人のように」

ロアビル前で花吹雪やっちゃう「THE・少女漫画」  監督脚本は川島透。つまりそういうことで、安定のハードボイルドである。10代半ばで鮮烈にデビューした天才作家(薬師…

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3週間前
19

ハイネケンの約束(いつかの日記)

 雨の中、夜の街に出かけた夜のお話です。   一杯めはハイネケンだった。これは「次にビールを飲む機会があったらハイネケンにしよう」と、池 辰彦さんの記事を読んで…

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3週間前
22

雨やまねえかなあ

 今日は休みをいただいているのでウロウロしていた。でも、どこへ行ってもいいと言われると半端な願望には標識も全部灰色なんだよな。  「〇〇〇〇好きじゃないなんて人…

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3週間前
19

いちご街道と純喫茶(千葉県東庄町)

 利根水郷ラインこと国道356号線の朝4時。ドーンパープルを撮りたかったのだけれど、後続車が停車を許してくれない。そのまま追われていると、でかい太陽が顔を出してし…

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4週間前
25

犯罪の証拠提供者になった経験

 今も係争中だからフェイク混じりでしか書けないのだけれども、ある家族が巻き込まれた事件で証拠を提供した。まだ相続が済んでおらず複数の権利者がいる空き家が解体され…

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1か月前
25

友情に関する短い考察

「まず友達と感じない知人の誰かについて考えてみました。架空の」 「うん」 「その人が誰か/何かに攻撃されていたら何とかして助けたいと思います。人生つまづいてるとか…

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1か月前
24

房総を堪能「アジ好きですか?」@練馬

 練馬の「アジ好きですか?」というお店に行ってきた。門馬直人さんという方がこのお店について書いておられたのだが、あまりにも旨そうで。(この方の記事はいつも腹が減…

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1か月前
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遠吠えよ起これ

 「ボールを寄越せ、同僚男性と同額の給料を、昇進を。マイクを渡せ。大統領にだってなれる」  オオカミという、群れの動物であれと言うこと。  仲間を作り、共に進む…

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1か月前
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あなたは泥酔していた時間を知らない

 北区で強盗にタクシー運転手が拳銃で撃たれたとか、北九州市でロケットランチャーが捨ててあったとか、怖いねと職場で話していたような日ではあったのだけど。電車の中で小便を始める酔っ払いに遭遇すると、もうなんかそれが一番の事件になるものですね。  発車寸前に飛び乗った車両だった。優先席に座った中年男性三人がニヤニヤと口元に薄ら笑いを浮かべながら眺めるその視線の先、向かいの優先席に座ることもなく動き回っている奴がいることはすぐ分かった。しかしただの酔っ払い。ズボンが落ちかけてパンツ

昨夜の日記

 荒天だったりする日の仕事帰りは、「タワーリングインフェルノ」や「ポセイドンアドベンチャー」みたいな状況をつい考えてしまう。今危機になったら誰と助け合えるだろうと電車内の乗客たちを眺めながら想像してる。  「この女性は頑張る人じゃないか」  「この男性は信頼に応えてくれるかも」  有事に頼れる人物だと公共の空間でアピールしてくれている人はそんなにいない。塾帰りの小学生もお年寄りもいるのにね。私は頼もしく見えるはずだ、と自分に言い聞かす。割とタフだよ。革靴もボロいだろ。疲れ切

30デイズ/ゲイと一緒に30日間

 ドキュメンタリー映画「スーパーサイズ・ミー」で知られるモーガン・スパーロック氏が亡くなった。残念な気がする。私は「スーパーサイズ・ミー」は未見で、氏の作品では「モーガン・スパーロックの30デイズ」シリーズの一本、「ゲイと一緒に30日間」を観たことがあるだけ、なのだが。 【ネタバレ注意】 結末も含め具体的な内容に言及しています  異文化交流は楽しいばかりではなく、拠って立つ価値観が揺らぐ苦しい経験であるかもしれない。それが偏見を抱く相手との交流であれば尚更だ。  この青

ジオニック社製、型式番号MSM-04

 「父さんにもぶたれたことないのに!」と言っていた人が還暦を過ぎて不倫相手を殴っていたというニュースなんて聞きたくなかったな。例のお方が単独会見を開いて「坊やだからさ」と言ってくれたら。それで済むわけじゃないだろうが、なんだか救いがない気分に区切りをつけたいのも本当だ。相手の方にも彼女を育てた父親にも、区切れない思いは続く――ファンも。  私はガンダムファンではない。プラモデルに夢中だった子ども時代があったが、アニメは観てなかったからファンじゃない。そのことにホッとする。

こういうの出版しろよなマジで。と思う

 子どもたちは自他の痛みや社会の不条理をどのように処理したのか。子ども同士で、支援なき世界を生きのびるための言葉を見つけた物語へのリンクを貼りたい。こういう時、「スキ」はぜひリンク先の記事にお願いします。   なんでスキって一回しかできないの?  気持ち的には読み返すたびに「スキ」したい。  絶望に押しつぶされる子どもがいると知っている人だ。  でも救いがあれば子どもは強く立って行けると経験から知る人だ。  そんな人が、子どもたちのそばにいようと思ったこと。  それはご本

カミングアウトは終わらない

「カミングアウトは終わらない」 刊行から15年めに  15年間。そんな時間が流れたのだと知る。私はあの本に編者として関わっていて、セクシュアル・マイノリティが社会的マイノリティである以前に学校内/家庭内マイノリティだという視点を強調しておきたかった。可能性として、やり方は二つあったと思う。ネグレクトの現実を単に言い立てる方法と、親密で豊穣な未来を示唆するスタイルだ。砂川秀樹氏と私は後者をやりたかった。セクシュアル・マイノリティのうちレズビアンとゲイのみを扱う点には悩んだ

「マザーズ・プレイヤー」(1994米)

 母を描いた映画は星の数ほど、つまりもっとあっていいのだけれど。一本選んでと頼まれたら何を選ぶだろうか。頼まれることなどないし、頼まれなくても考えちゃうんだけど。  その一本とは……いやタイトルに書いちゃってるんでね。そうですそれです、なんかすみません。  主演はシュワちゃんロボをやっつけたサラ・コナーとして知られるリンダ・ハミルトン。このテレビ映画「マザーズ・プレイヤー」においては、息子がいるシングルマザーで、HIVポジティブと診断される女性ローズマリーを演じている。ま

その隙をスキと

 「スキ」をどういう時にすればいいんだろう。いまだに分からない。  「お、いいねえ」とか「楽しい」とか「ありがとう」とか。ふふっと笑えたとか。「いつも素敵だなあ」とか。言葉を仕事にしている人もそうではない人もいるのだろうけれども、こんなにたくさんの人に書きたいことがあるという、ただそれだけのことに打たれている瞬間もある。「この部分のこの表現が好きなんだ!」と、ただそれだけで「スキ」していることもある。    (それじゃ、ダメかな?)(まだ加減が分からない)  「こんな文章

vieのような花火/「野蛮人のように」

ロアビル前で花吹雪やっちゃう「THE・少女漫画」  監督脚本は川島透。つまりそういうことで、安定のハードボイルドである。10代半ばで鮮烈にデビューした天才作家(薬師丸ひろ子)は海辺のコテージを自宅兼仕事場にしていて、ジープを駆って六本木あたりに繰り出し、気分転換したりもする。酔って夜の街を歩いていて、チンピラ(柴田恭兵)にぶつかる。「何様だよ」と言われ激高して引っ叩き、殴り返される。そこに、その最悪の出会いを俯瞰しての花吹雪。やりたかったことを全部やっちゃう我がまま度がたま

ハイネケンの約束(いつかの日記)

 雨の中、夜の街に出かけた夜のお話です。   一杯めはハイネケンだった。これは「次にビールを飲む機会があったらハイネケンにしよう」と、池 辰彦さんの記事を読んでずっと決めていたから。  こういう時、ぜひ「スキ」はあちらに。いつも有益な記事ばかりなんです。どうなっておられるのか。見習いたいけど見習えないんです。なぜ。  「女性に暴力を振るう男はハイネケンを飲むな」。  いいですね、そういうメッセージを出す企業って。顧客の中に、自社商品に限らずアルコールを摂取して暴力衝動を

雨やまねえかなあ

 今日は休みをいただいているのでウロウロしていた。でも、どこへ行ってもいいと言われると半端な願望には標識も全部灰色なんだよな。  「〇〇〇〇好きじゃないなんて人生の半分ソンしてるよ」とか言うタイプにパートナーは腹を立てるのだが、なんであれその〇〇〇〇が人生の喜びの半分を占める人生を送っている人に、怒る理由は見当たらない気がする。――と、タイ料理屋さんでパクチー食いながらいつも思っている。パクチーが喜びの半分を占める人生なら、それくらい自慢させてやりたいもんである――つまり、

いちご街道と純喫茶(千葉県東庄町)

 利根水郷ラインこと国道356号線の朝4時。ドーンパープルを撮りたかったのだけれど、後続車が停車を許してくれない。そのまま追われていると、でかい太陽が顔を出してしまった。こうなるとサングラスも全く用をなさない。この壮大な風景を毎日見ている人たちが都会に憧れる理由なんてあるのだろうかと思う。それは東京に拠点をおく者の発想だと言われるだろうけれども、私が東京に憧れていた頃だってこんな景色には特別な思いがあったし、それは今も変わらない。小型連休の後半。母の家に向かっていた。実家に異

犯罪の証拠提供者になった経験

 今も係争中だからフェイク混じりでしか書けないのだけれども、ある家族が巻き込まれた事件で証拠を提供した。まだ相続が済んでおらず複数の権利者がいる空き家が解体され始めているのを目撃し、事件性があると判断、持ち歩いているデジタルスチルカメラで作業中の現場を撮影し、その画像を被害者に提供した、ということなのだが。  空き家の権利が複数の権利者にまたがる場合、解体も権利者全員の合意がなければできない。他の権利者が長期所在不明等の特別なケースや、自然倒壊等の緊急事態が例外的ケースと

友情に関する短い考察

「まず友達と感じない知人の誰かについて考えてみました。架空の」 「うん」 「その人が誰か/何かに攻撃されていたら何とかして助けたいと思います。人生つまづいてるとかヒトゴトにならん」 「はいはい」 「でもその人が自分を見失ってクソ荒れてたら助けようとまで思わない」 「うんうん」 「放置します」 「ぶははははは」 「そこで何とか救いたいと感じたなら、その人はおれにとって友達なんだと思いました」 「なるほどね」 「そんな感じっすね!」 「そういう人って誰か具体的に思いつく?」 「ヤ

房総を堪能「アジ好きですか?」@練馬

 練馬の「アジ好きですか?」というお店に行ってきた。門馬直人さんという方がこのお店について書いておられたのだが、あまりにも旨そうで。(この方の記事はいつも腹が減って困る。でも読んでしまう)  門馬さんでめっちゃ好きな記事はこれ。心にくる。(スキはあちらに) マジでうまかったです。人生で一番のアジフライかも  一口かじってから「あ、画像」と思い出す自分を何とかしたい。  プラチナアジフライ(低温でじっくり揚げた白いやつ)を何もつけずに一口かじって感動した。富津から直送さ

遠吠えよ起これ

 「ボールを寄越せ、同僚男性と同額の給料を、昇進を。マイクを渡せ。大統領にだってなれる」  オオカミという、群れの動物であれと言うこと。  仲間を作り、共に進むこと――  孤立しちゃいけないんだろうな。人も群れの動物だ。  「群れはここにいる」と、遠吠えが響き渡ればいい。夜に耳をすます。  男性に生まれて、男性が世界を救う物語にまみれて育った。  でもどうして女性が世界を救う物語が少ないのか疑問だった。  小さな女の子が「これは自分の物語だ」と思えることが大切だ。