RYOJI

以前出版した本を読んで下さった方に「カミングアウト・レターズ」作ったの俺デスと言ったら…

RYOJI

以前出版した本を読んで下さった方に「カミングアウト・レターズ」作ったの俺デスと言ったら「あなたは(編者として)何をしたんですか?」と澄んだ瞳で聞かれ撃沈。ですよね。ほんと、何やったんですかねえ。2023年にはベトナム語版が出ました。2027年頃には文庫になりますように。

マガジン

  • 看護学生との対話 Archives

    2008年~現在、看護学生からの「講義を受けての感想」にフィードバックした内容。その保管庫です。性的少数者という背景をもつ患者に医療者はどのように向かい合えるのか、セッションの記録になります。

最近の記事

こういうの出版しろよなマジで。と思う

 子どもたちは自他の痛みや社会の不条理をどのように処理したのか。子ども同士で、支援なき世界を生きのびるための言葉を見つけた物語へのリンクを貼りたい。こういう時、「スキ」はぜひリンク先の記事にお願いします。   なんでスキって一回しかできないの?  気持ち的には読み返すたびに「スキ」したい。  絶望に押しつぶされる子どもがいると知っている人だ。  でも救いがあれば子どもは強く立って行けると経験から知る人だ。  そんな人が、子どもたちのそばにいようと思ったこと。  それはご本

    • カミングアウトは終わらない

      「カミングアウトは終わらない」 刊行から15年めに  15年間。そんな時間が流れたのだと知る。私はあの本に編者として関わっていて、セクシュアル・マイノリティが社会的マイノリティである以前に学校内/家庭内マイノリティだという視点を強調しておきたかった。可能性として、やり方は二つあったと思う。ネグレクトの現実を単に言い立てる方法と、親密で豊穣な未来を示唆するスタイルだ。砂川秀樹氏と私は後者をやりたかった。セクシュアル・マイノリティのうちレズビアンとゲイのみを扱う点には悩んだ

      • 「マザーズ・プレイヤー」(1994米)

         母を描いた映画は星の数ほど、つまりもっとあっていいのだけれど。一本選んでと頼まれたら何を選ぶだろうか。頼まれることなどないし、頼まれなくても考えちゃうんだけど。  その一本とは……いやタイトルに書いちゃってるんでね。そうですそれです、なんかすみません。  主演はシュワちゃんロボをやっつけたサラ・コナーとして知られるリンダ・ハミルトン。このテレビ映画「マザーズ・プレイヤー」においては、息子がいるシングルマザーで、HIVポジティブと診断される女性ローズマリーを演じている。ま

        • その隙をスキと

           「スキ」をどういう時にすればいいんだろう。いまだに分からない。  「お、いいねえ」とか「楽しい」とか「ありがとう」とか。ふふっと笑えたとか。「いつも素敵だなあ」とか。言葉を仕事にしている人もそうではない人もいるのだろうけれども、こんなにたくさんの人に書きたいことがあるという、ただそれだけのことに打たれている瞬間もある。「この部分のこの表現が好きなんだ!」と、ただそれだけで「スキ」していることもある。    (それじゃ、ダメかな?)(まだ加減が分からない)  「こんな文章

        こういうの出版しろよなマジで。と思う

        マガジン

        • 看護学生との対話 Archives
          30本

        記事

          vieのような花火/「野蛮人のように」

          ロアビル前で花吹雪やっちゃう「THE・少女漫画」  監督脚本は川島透。つまりそういうことで、安定のハードボイルドである。10代半ばで鮮烈にデビューした天才作家(薬師丸ひろ子)は海辺のコテージを自宅兼仕事場にしていて、ジープを駆って六本木あたりに繰り出し、気分転換したりもする。酔って夜の街を歩いていて、チンピラ(柴田恭兵)にぶつかる。「何様だよ」と言われ激高して引っ叩き、殴り返される。そこに、その最悪の出会いを俯瞰しての花吹雪。やりたかったことを全部やっちゃう我がまま度がたま

          vieのような花火/「野蛮人のように」

          ハイネケンの約束(いつかの日記)

           雨の中、夜の街に出かけた夜のお話です。   一杯めはハイネケンだった。これは「次にビールを飲む機会があったらハイネケンにしよう」と、池 辰彦さんの記事を読んでずっと決めていたから。  こういう時、ぜひ「スキ」はあちらに。いつも有益な記事ばかりなんです。どうなっておられるのか。見習いたいけど見習えないんです。なぜ。  「女性に暴力を振るう男はハイネケンを飲むな」。  いいですね、そういうメッセージを出す企業って。顧客の中に、自社商品に限らずアルコールを摂取して暴力衝動を

          ハイネケンの約束(いつかの日記)

          雨やまねえかなあ

           今日は休みをいただいているのでウロウロしていた。でも、どこへ行ってもいいと言われると半端な願望には標識も全部灰色なんだよな。  「〇〇〇〇好きじゃないなんて人生の半分ソンしてるよ」とか言うタイプにパートナーは腹を立てるのだが、なんであれその〇〇〇〇が人生の喜びの半分を占める人生を送っている人に、怒る理由は見当たらない気がする。――と、タイ料理屋さんでパクチー食いながらいつも思っている。パクチーが喜びの半分を占める人生なら、それくらい自慢させてやりたいもんである――つまり、

          雨やまねえかなあ

          いちご街道と純喫茶(千葉県東庄町)

           利根水郷ラインこと国道356号線の朝4時。ドーンパープルを撮りたかったのだけれど、後続車が停車を許してくれない。そのまま追われていると、でかい太陽が顔を出してしまった。こうなるとサングラスも全く用をなさない。この壮大な風景を毎日見ている人たちが都会に憧れる理由なんてあるのだろうかと思う。それは東京に拠点をおく者の発想だと言われるだろうけれども、私が東京に憧れていた頃だってこんな景色には特別な思いがあったし、それは今も変わらない。小型連休の後半。母の家に向かっていた。実家に異

          いちご街道と純喫茶(千葉県東庄町)

          犯罪の証拠提供者になった経験

           今も係争中だからフェイク混じりでしか書けないのだけれども、ある家族が巻き込まれた事件で証拠を提供した。まだ相続が済んでおらず複数の権利者がいる空き家が解体され始めているのを目撃し、事件性があると判断、持ち歩いているデジタルスチルカメラで作業中の現場を撮影し、その画像を被害者に提供した、ということなのだが。  空き家の権利が複数の権利者にまたがる場合、解体も権利者全員の合意がなければできない。他の権利者が長期所在不明等の特別なケースや、自然倒壊等の緊急事態が例外的ケースと

          犯罪の証拠提供者になった経験

          友情に関する短い考察

          「まず友達と感じない知人の誰かについて考えてみました。架空の」 「うん」 「その人が誰か/何かに攻撃されていたら何とかして助けたいと思います。人生つまづいてるとかヒトゴトにならん」 「はいはい」 「でもその人が自分を見失ってクソ荒れてたら助けようとまで思わない」 「うんうん」 「放置します」 「ぶははははは」 「そこで何とか救いたいと感じたなら、その人はおれにとって友達なんだと思いました」 「なるほどね」 「そんな感じっすね!」 「そういう人って誰か具体的に思いつく?」 「ヤ

          友情に関する短い考察

          房総を堪能「アジ好きですか?」@練馬

           練馬の「アジ好きですか?」というお店に行ってきた。門馬直人さんという方がこのお店について書いておられたのだが、あまりにも旨そうで。(この方の記事はいつも腹が減って困る。でも読んでしまう)  門馬さんでめっちゃ好きな記事はこれ。心にくる。(スキはあちらに) マジでうまかったです。人生で一番のアジフライかも  一口かじってから「あ、画像」と思い出す自分を何とかしたい。  プラチナアジフライ(低温でじっくり揚げた白いやつ)を何もつけずに一口かじって感動した。富津から直送さ

          房総を堪能「アジ好きですか?」@練馬

          遠吠えよ起これ

           「ボールを寄越せ、同僚男性と同額の給料を、昇進を。マイクを渡せ。大統領にだってなれる」  オオカミという、群れの動物であれと言うこと。  仲間を作り、共に進むこと――  孤立しちゃいけないんだろうな。人も群れの動物だ。  「群れはここにいる」と、遠吠えが響き渡ればいい。夜に耳をすます。  男性に生まれて、男性が世界を救う物語にまみれて育った。  でもどうして女性が世界を救う物語が少ないのか疑問だった。  小さな女の子が「これは自分の物語だ」と思えることが大切だ。  

          遠吠えよ起これ

          「だれかの映画史」タコシェ@中野

           何年ぶりだろう。中野ブロードウェイのデイリーチコ、値上がりしたなあ。ソフトクリームの甘味が少なく水のように飲めるから好きなんだけど。ミドルサイズのソフトクリームで暑さを紛らわせ、同人誌の「タコシェ」に行った。タコシェ?「タコの家」じゃないよなと思ったら、本当に「タコ焼き屋の跡地だったから」らしい。知らなかった。  タコシェには「だれかの映画史」という実兄弟による本を買いに行った。兄が文章を書き、弟が絵を描く。その「牛島兄弟」(ユニットにどう敬称をつけたらいいのか分からない

          「だれかの映画史」タコシェ@中野

          愚生の気は遠くなる

           母が死んだあと、死期を悟って多くを捨てたらしい家でブラフマンのCDを見つけた。「時の鐘」。――もちろん20年以上前に、おれが送ったものだけど。母が死んだ後に車の中で聴いていたのはこの「今夜」。きっと母は気に入っただろう。そう思う。  母が通院時に大切に持ち歩いていた文庫本は徐京植の「子どもの涙」とレベッカ・ブラウンの「体の贈り物」。本当に趣味が似ていた、服の趣味まで。だから母からはよく服を褒められた。革靴いいわねと言われて、実は安物だったしボロボロだったから「ボロボロだけ

          愚生の気は遠くなる

          「スキ」はあちらに

           昨日からポレポレ東中野で公開されているようです。(公式サイト)  それでこんな(↓)「映画感想文」があって、よかったです。「これだけしっかり観てもらえたら作り手は幸せだよね」と思いました。「スキ」やコメントはぜひリンク先(綾乃つづみさん)に。   谷川俊太郎や田村隆一って好きな詩人だったから、そういう人たちが認めていたという長谷忠さんの詩集を読んでみたい。「母系家族」「私生子」という二冊がヒットするのだけど、買えない……読みてええええ。つい「いま印税が入ったら嬉しいんじゃ

          「スキ」はあちらに

          Eテレ「理想的本箱」再放送があります

          4月27日(土)21時から是非ご覧いただきたい番組があります。  「カミングアウト・レターズ」に収められた親子の往復書簡からとりわけ映像と親和性が高そうな第一書簡「母さん、あのとき泣いてたか」が映像化され、27歳のゲイである息子役を平埜生成氏が、カミングアウトを受けた55歳の母親役を原日出子氏が演じられてます。それだけでも贅沢なのですが。  この映像が(おそらく本を読んで下さった方は深く頷いてくれると思うのですが)非常に丁寧に作られているんですね。手紙の親子に愛情と敬意を

          Eテレ「理想的本箱」再放送があります