西巣鴨遼 / 遼

フリーのwebライター。 同性愛についての色々を書いています。 読書会と短歌の会を主宰…

西巣鴨遼 / 遼

フリーのwebライター。 同性愛についての色々を書いています。 読書会と短歌の会を主宰していまして、そこで書いた物も載せています。 ※実話ベースでモデルはいますが、盛り盛りなので、あくまでもフィクション、読み物としてお読みください。

マガジン

  • 西巣鴨の短歌

    気まぐれに書き溜めた短歌です。ちょっとエッチかも知れません。すいません。

  • 西巣鴨の読書会

    趣味で主宰している読書会で取り上げた本について、書いた物をアップしています。 同棲愛ネタにはその都度触れたり触れなかったりです。

  • シーシャの世界の男たち

    ハマりたてのシーシャについての記事です。フレーバーを男に例えて書いています。

  • シナリオ『姦しい(6人の)男たち』

    いつも新宿2丁目で遊んでる、6人の仲良しゲイの恋愛と友情と仕事のお話です。シナリオ形式。 登場人物などのモデルはいますがフィクションです。同性愛関係のセンシティブな描写が含まれます。「姦しい」は「かしましい」と読みます。R15推奨。 脚本の勉強はしたことない素人なので、文法や書式は大目に見てください。

  • 恋する西巣鴨

    フィクションかノンフィクションかはあなたが決めてください。 自分や友人の体験談を元にした、同性愛についてのコラムを書いています。 過激な表現などはありませんが、同性愛描写が苦手な方はご注意ください。 LGBTとか、そういう意識は低めな日常系です。 基本1話完結にしてるのでどっから読んでも大丈夫かと。 実話ベースですが、読み物として脚色はしてあります。

最近の記事

  • 固定された記事

Prologue

(※過激な表現は避けてありますが、同性愛についての内容が含まれます。苦手な方はご注意下さい) 某人気占い師いわく、俺の「人生最大のモテ期」だった1年が終わった。 つまり32歳で、独身で、やや低所得なゲイである俺の人生における「モテ」は、今後尻すぼみというわけだ。 なんだそれは。超焦るではないか。知りたくなかった。 20歳の時ゲイになって12年。 干支一周分の俺のゲイライフは、果たしてどの程度充実したものだったのだろうか。 愉快な友達は沢山できたが、男を選ぶ目の方は正

    • 遼短歌、灯台

      海沿いの街に住みたい灯台があるから迷子にならないで済む 終バスの時刻表に寄りかかり誰かを待ちながら飲むビールが好き 身体だけで繋がっていても朝飯くらい一緒に食べるさパンケーキひとつ 見た事ない形の手をした男だから舐めてみたくて薬指の指輪ごと ストロングミントのシーシャ口移ししたらどんな感じ?勃っちゃう? ポリコレもフェミニズムもどうでもいい俺は夜毎ただ雌犬でいい え、みんな…好きな男の生脱ぎパンツこっそり嗅いだりしないの?嘘だぁ 古本の甘い匂いは脱ぎ捨てたお前の

      • 遼短歌、海、桜

        弱ってる時だけお前は優しいから毒でも盛ろうか好きだと言ってよ 「ナマはお前だけ」と愛を嘯くけど枕元のコンドームは減っていく 二枚貝割いて真珠を取り出すように指が動いて何かを探して ぜんぶ俺だけのもんだ俺だけのぜんぶぜんぶ俺だけのもんだ 熱帯の国から来たという男浅黒い肌ビンロウの味 凪いでみたり昂ってみたり呑み込んだり遊泳禁止の海と似ている 金が無きゃ味醂を飲めばいいいじゃない無職のお前が俺は好きだよ バーテンの真似事してる指先がトム・クルーズの1000倍エロい

        • ラジオも細々と更新中です。よろしくです。今回は電車の話。 https://stand.fm/episodes/6624b7935bdc6f690979c81b

        • 固定された記事

        マガジン

        • 西巣鴨の短歌
          11本
        • 西巣鴨の読書会
          16本
        • シーシャの世界の男たち
          6本
        • シナリオ『姦しい(6人の)男たち』
          0本
        • 恋する西巣鴨
          45本
        • 西巣鴨の日常
          5本

        記事

          読書感想文 『酒に溺れた人魚姫、海の仲間を食い散らかす』

          自分にとって酒を飲むことと、誰かに恋をする(あるいは欲望に任せて誰かと寝る)ということはほとんど同義なのだと気が付いたのは一体いつだったろうか。 酒と色恋。俺の365日はこのふたつで成り立っていると言っても過言ではない。このふたつ以外のことは基本的にどうでもいい。大好きな本を読むことすら、このふたつの前では瑣末なことだ。 俺の中には常に、酒に酔って男に抱かれたいという焼け付くような欲望がある。業務用ウイスキーをストレートで胃に流し込むような、熱い欲望。 じゃあつまり俺は「

          読書感想文 『酒に溺れた人魚姫、海の仲間を食い散らかす』

          遼短歌、初夏

          パーカーのフードをかぶってキスすると世界が全部お前になる気がして 鼠蹊部の血管伝いに舌這わせ脈打つ命をずっと聞いてた カクテルにきゅうりを落とすその指で心の底まで蛇腹に裂かれて ぬるいままのテタンジェ開けて廻し飲み無駄にするから美しい酒 八つ裂きにした生魚指でつまみ皮膚の塩気でねじ込んでほしい 「つまみがねえ」ボヤくお前にサッポロ一番開けてやって麺だけかじった 悪い予感しかない性病検査の日ハーゲンダッツを買ってくれたね ストゼロのダブルレモンのような夏俺は確かに

          遼短歌、空腹

          生焼けの脱法レバーの食感は欲情しているお前に似てる ひび割れたパンケーキだけが見ていたのションベンかけ合う男2人を 甘じょっぱいキューバサンドを分け合って「キューバってどこ?」「さあ知らん」 ローションとバイアグラ2錠缶ビール夢の国への通行手形 夕暮れにイカれたエアコン蝉の声お前の汗でビールが飲めるよ ビリヤードキューを構えて腰を落とす俺を突くのと同じ角度で 愛されてなどいないと知りながら抱かれることは麻薬だろうか 色恋で馬鹿になるのが最高と知らない馬鹿が多すぎ

          読書感想文『透明な夜の香り』

          池袋駅東口の横断歩道をぼんやり歩いていたら、とても懐かしい香りとすれ違った。 週末の池袋はひどい人混みで、俺はその香りの主を視線で追うこともできなかった。 林檎のような、洗剤か柔軟剤のその香りは、あっという間に池袋の雑踏へと尾を引きながら消えていく。 瞬間、全身が総毛立つほどいやらしい気分になった。 キザな言い方になるが、香りというものはあまりにも強烈で、あまりにも儚い。 一瞬で10年以上前の気持ちに俺を引き戻しながら、あっという間に消えてしまう。通り魔みたいだ、と思う。

          読書感想文『透明な夜の香り』

          スタエフも定期的に更新してるのでよかったらお願いします〜。コメントやレターくれると好きになっちゃいます。コラボしてくれる人も募集中です。 https://stand.fm/episodes/65cf17898ddb12d416f3b73d

          スタエフも定期的に更新してるのでよかったらお願いします〜。コメントやレターくれると好きになっちゃいます。コラボしてくれる人も募集中です。 https://stand.fm/episodes/65cf17898ddb12d416f3b73d

          ラジオの更新もしています。仕事の話。一年の振り返りをしました。 よろしくお願いします。 https://stand.fm/episodes/658bb14bc8e26ba524b43a5e

          ラジオの更新もしています。仕事の話。一年の振り返りをしました。 よろしくお願いします。 https://stand.fm/episodes/658bb14bc8e26ba524b43a5e

          孤高のアダルトライターにだって仲間は必要さ【最終報告書】

          人の見え方など簡単に変わる世の中らしい実に愚かな生き方をしてきたと思う。 学もなければ特技も資格も持たない、好きなものは酒と男、そういう自堕落で落ちこぼれな人生だった。 しかし世の中には捨てる神あれば拾う神あり。 爛れた性生活と刹那の夜遊びを繰り広げてきた俺には「アダルトライター」や「風俗ライター」という、クールなんだか間抜けなんだかよくわからない肩書きが一応付き、日々こうして労働を重ねることでなんとか社会との繋がりを得ることができた。 労働とは尊いものだ。 この年齢まで

          孤高のアダルトライターにだって仲間は必要さ【最終報告書】

          こちら連載中のコラム。今回は新宿の竹虎というラーメン屋に行ってきました。 よかったら読んで欲しいです!面白かったらSNSとかで拡散してくれると泣いて喜びます! https://w-terrace.com/archives/4433

          こちら連載中のコラム。今回は新宿の竹虎というラーメン屋に行ってきました。 よかったら読んで欲しいです!面白かったらSNSとかで拡散してくれると泣いて喜びます! https://w-terrace.com/archives/4433

          タイガーズブラッド×ミモザ×モヒート 『手負いの、美しいムエタイ選手』

          タイ料理が好きでよく食べるのだが、咀嚼しているとエッチな気分になることがある。 ふんだんに使われた香草やスパイスで身体が火照っているということももちろんあるが、多分俺が過去にタイ人の男と付き合っていたからだろう。 パクチーや八角やココナッツの香りは、いつだって俺に彼の浅黒く滑らかな皮膚の感触を思い出させる。いや、正直にいえば、彼との相性抜群のセックスを思い出すのだ。 料理だけではなく店員さんたちの話すタイ語、店内の調度品、BGM。実際には行ったことのないはずの熱帯の王国の空

          タイガーズブラッド×ミモザ×モヒート 『手負いの、美しいムエタイ選手』

          ジンジャーエール×ラズベリー×レモングラス 『夜の世界に染まり始めた、甘党のホスト』

          二日酔いの朝はジンジャーエールに限る。 前夜、新宿ゴールデン街でしたたか痛飲。気がついたら路上のゴミ捨て場で寝ていた。一体何があったのか。知っている人がいたら教えて欲しい。いや、やっぱりあんまり知りたくないかもしれない。 這々の体でたどり着いた自宅の冷蔵庫からジンジャーエールのペットボトルを出して、それを一気飲みする。 ジンジャーエールの甘みと炭酸が粘つく口腔を洗い流し、喉を潤す。ほのかな辛さが、乾いた全身を満たしていく。 心なしか体温も上がってほっとした気分にもなる。カナ

          ジンジャーエール×ラズベリー×レモングラス 『夜の世界に染まり始めた、甘党のホスト』

          チャイ×カルダモン×ミルク 『だいぶ年下で、床上手な男』

          芸能人が歳の差婚をすると、どういうわけか騒ぎ立てないと気が済まないのが、我々愚かな民衆というもの。 価値観というのは年齢とともに移ろいゆくものだから、同年代と恋に落ちる人間が多いのはまあ当然のことなのかもしれない。 その日も朝から芸人男性とアイドル女性の歳の差婚のニュースでSNSは燃えていたし、風の噂によると俺の元彼(同い年)の1人は現在、後期高齢者と付き合っているんだとか。俺と別れた反動とかでないといいのだが……。 歳の差というものついて考えながらシーシャバーに向かって

          チャイ×カルダモン×ミルク 『だいぶ年下で、床上手な男』

          スイカ×ミント×レモン 『浴衣が似合う、妻子持ちの男』

          最近、めっきり寒くなった。日が落ちるのも早い。 冬に向かってどんどん暗くなっていくこの時期は大嫌いだ。世の中はクリスマスに向けて浮ついた空気すら漂うが、俺にとってこの季節は暗くて、冷たくて、気が滅入る。全然ロマンチックなんかじゃない。ロマンチックなのは、いつも夏なのだ、俺にとっては。 寒くて布団から出る気も起きない、仕事もしたくない、そんな気怠い週半ば水曜日の朝。 毛布の中でスマホを弄って芸能人の不倫ゴシップを読み漁っていたら、いつもは楽しい気分になるのに、この日はなぜか余

          スイカ×ミント×レモン 『浴衣が似合う、妻子持ちの男』