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学問のすすめ

学問のすすめ


こんにちは。今回は福澤諭吉の「学問のすすめ」(現代語訳)斎藤孝=訳 (ちくま新書)を読んだ感想を独断と偏見で綴りたいと思います。

いきなりですが、皆さんは福澤諭吉の「学問のすすめ」を読んだことありますでしょうか?

福澤諭吉の「学問のすすめ」
一度は皆さんも聞いたことがあると思います。
福澤諭吉は慶應義塾大学の創設者でもありますし、一万円札の人としても有名ですよね。

日本人で福澤諭吉を知らない人はいないといっても過言ではないですよね。

そんな彼が、最も日本の歴史が変化した時代である明治時代に出版したのが「学問のすすめ」です。


この本は時代を超え受け継がれている本であり、
まさに「人生の教科書」と呼ぶにふさわしい本です。

時代背景

「学問のすすめ」は1872年に初編が出版されました。
その後数年かけて順次発行され、1880年に十七編が出版され一冊の本に合本されました。

当時は明治時代真っ只中です。
世界情勢は西欧諸国の植民地化、封建制から民主主義への移行時期という中で、日本が西欧諸国から遅れを取っていた時代です。
(何を持って遅れというのかは議論の余地がありますが…)

その中で日本が白人に植民地化されず、独立するには「学問」が大切だということで、
日本人に啓蒙した本が「学問のすすめ」であると私は認識しています。

今回は私が「学問のすすめ」から学んだことを2つ紹介したいと思います。

一つ目は「学問の重要性」です。

学問の重要性

学問の目的

「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」
これは福澤諭吉の有名な言葉です。

この言葉を聞くと、人は生まれながらに平等であり、貴賤や身分などで差別してはいけない。というような意味で解釈されることが多い。

この意味自体間違いではないのだが、
これに加え、この福澤諭吉が言いたかったのは、「人間の貴賤はその人の働きによって生まれる」ということではないだろうか。

先述した旨の内容を斎藤孝氏(学問のすすめを現代語訳した方)はあるテレビ番組で発言していた。

「なるほど、学問の目的はこういうことか」と感心した。

この世の中を見てみると賢い人も愚かな人も存在する。社会的地位の高い人も低い人も存在する。

どうして人は生まれながらに平等なのにこんなにも差が生まれるのだろうか?

それの答えが「学問をすること」である。
つまり学ぶか学ばないかということ。
しっかり学問をして物事をよく理解している人は社会的地位が高く、豊かな人になり、学ばない人は貧乏で地位の低い人になるということ。

学問の目的は豊かな人生を送るためのものである。

少し別の言い方をすると、サミュエル・スマイルズ氏の
「天は自ら助くる者を助く」ということだろう。

要は
「豊かな人生を送るためには学問が重要」それに加え、

「自分が自分の力で向上心を持って学ぶ」という自助の精神が大切なのではないだろうか。

学問とは何か

「自らが学ぶこと」「学問」の大切さは理解できたが、そもそも学問とは何のか。

皆さんは「学問とは何か」と言われると本を読んで勉強することをイメージする人が多いだろう。

しかし本を読むことだけが学問ではない。

学問とは「実生活で役に立つ学び」であると私は解釈する。

良い大学に通い言語学、物理学、数学、歴史学、宗教学、哲学、理工学、政治学などの分野を学ぶことはもちろん学問である。
本を読むことも学問である。

しかし、それ以外にも仕事のスキルや知識、対人関係、メンタル、実生活で必要なスキルやお金の知識、節約術なども学問であると私は考えている。

一流大学出身の人でも仕事ができない人がいる。とよく言われる。

逆にFランク大学出身の人が社会人になって一流のビジネスマンになることもある。

この差は何なのか?能力の差である。

能力の差はどうして生まれるのか?
それはこれまでの学問の差である。

つまり年齢や出身大学に問わず学問の差で能力の違いが生まれる。


少し話は逸れたので、まとめると
「実際に学びを活かす」ことこそが学問であると言える。

1つ私の経験の例を挙げると

私は現在とある中古車の販売スタッフとして働いている。
上司はFランク大学出身の人であるが、彼は一流の営業マンである。

彼に学歴こそないが、「学問をしている」といえる。
なぜなら「実際に学びを仕事に活かす」ことができているからである。

具体的には彼は成約率がほぼほぼ100%に近い。

私が「なんでそんなに成約率が高いんですか?」と聞いたとき
彼は「社会人になって人生で一番勉強したから。それが今につながっている」と答えた。
「車の知識も皆無で、コミュニケーション力もない。だから一日18時間以上働いたこともあった。月の残業時間が200時間いったこともあった」と言っていた。

これがすべて良いとは言えないが、
学びを実際に活かすことができているので「学問」だと私は定義している。

このように「学問」と聞くと学校の勉強が思い浮かぶが、実はそれ以外にも学問と言えることがある。

2つ目が正確な判断力を身に付けるである。

正確な判断力を身に付ける

人は愚か

人は自分で思っているより愚かな事をする。

「人間が世の中を渡っていく様子を見てみると、自分で思っていることよりも案外悪いことをし、自分で思っているよりも案外愚かなことをし、自分で目指しているよりも案外成功しないものである。」(本書 第14編 P176)

完全に自分に当てはまっている汗

「あるいは物事をなすにあたっては、決してこれを悪事とは思わず、ちっとも心に恥じることはないどころか、本心から良いことをしていると信じて、他賃に意見などされればそれを怒ったりうらんだりしていても、年月を経て後から考えてみれば、おおいに自分の不行き届きであって、心に恥じることもある。」(本書 第14編 P177)

完全に自分に当てはまっている汗

人間というものは人生で案外間違いを犯し、案外愚かな事をする。

だからしっかりと物事を考え過去を振り返ることが大切なのかもしれない。
だからもっと広い視野を持つことが大切なのかもしれない。
だからもっと勉強しないといけないのかもしれない。
だからもっと知見を広げなければいけないのかもしれない。

そうして正確な判断力を身に付ける事が大切なのかもしれない。

この本を読むと非常にそう思わせてくれる。

まとめ


今回は福沢諭吉の「学問のすすめ(現代語訳)」斎藤孝=訳(ちくま新書)を読んだ感想を独断と偏見で綴りました。

この本は本当に「人生の教科書」というべき本だなと強く思いました。
個人的勉強になったことを2つ紹介しましたが、
それ以外にもとても勉強になることが述べられています。

全17編を一つの合本としているのが「学問のすすめ」ですが、各編で独立しているので興味があれば、一度読んでみてはいかかでしょうか?

以上です。ありがとうございました。


下記に各編の題を記載しておきます。

  1. 学問には目的がある。

  2. 人間の権理とは何か

  3. 愛国心のあり方

  4. 国民の気風が国を作る

  5. 国をリードする人材とは

  6. 文明社会と法の精神

  7. 国民の二つの役目

  8. 男女間の不合理、親子間の不条理

  9. よりレベルの高い学問

  10. 学問にかかる期待

  11. 美しい建前に潜む害悪

  12. 品格を高める

  13. 怨望は最大の悪徳

  14. 人生設計の技術

  15. 判断力の鍛え方

  16. 正しい実行力をつける

  17. 人望と人付き合い



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