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アシスタントに満足しているが心の中では独立したカメラマンに憧れているけどできるかどうか不安で独立したいと公言できない後輩へ

先日後輩の話を聞きました。
何となく将来が不安なようなので僕の方から話聞こうか?と申し出た次第です。
僕と会うまでに社員カメラマンか独立するのか考えてきて。と伝えました。
そして会って感じたのは表題の通りです。

僕が言いたいことは簡単です。
好きにしたらいいじゃないです。心から思います。幸せは自分で決めるものだから。
彼はアシスタント経験と社員カメラマン経験が合計6年くらいあります。現在は写真事務所でアシスタントとカメラマンをやっています。それで答え出ないの何で?

自分から申し出たけど、
正直何が聞きたいんだろう?と思いました。
結局社員カメラマンか独立かはっきりしませんし。
現状の仕事を具体的に聞いて、満足してる?と聞くと満足してます。と。
じゃあ自分の同世代の平均年収と比べてどう?何も思わない?と聞くと。考えないようにしてます。と。
自分より年下のカメラマンがいい撮影してたらどう?と聞くと。少し悔しそうな笑いを浮かべていました。

なんで素直に言わないんだろう?
と思います。
そうだよね。怖いよね。認めるのは。と寄り添いたくない僕は、現状で満足してるならいいじゃん。と伝えました。問題が起きた時に決めたらいいじゃんと。

そして帰り際、最後の最後に彼は

「独立できると思いますか?」

と聞いてきました。

「今のままでは無理!」と即答しました。
当たり前のことをなぜ聞いてくるのか…

僕はすごいカメラマンではありません。
彼を雇う力はないし、まだまだです。
でも最低限をクリアしたからこそ独立できていると思っています。それは成果物に対してお金をいただける状態ということです。
高額な撮影料をいただいています。リピート率は90%くらいでクライアントには満足していただいていると数字的に実証できています。
それでも彼を雇う力がないぐらいの経営力を頑張ってなんとかしようとしている身としては、お金がないと誰かに言うより、何もしてないのに「僕は何とかなりますか?誰か雇えるようになりますか?」なんて誰かに聞く方がよっぽど恥ずかしい。

もし誰かに聞いたら答えは
しらねーよ。ですよね。

彼は何も調べてない。もし調べてたら何か出てくるはず。失敗したくない。効率的にやりたい。答えを教えて欲しい。
そんな心が透けて見えてしまい、彼に結構キツイ言葉をかけました。サラリーマンの世界ではパワハラになるかもしれません。
ただ、行動していない人にかける言葉はない。



そんな彼がもし何か調べた時に、もしかしたらこの記事を読んでくれるかもしれないので、ここに僕なりの考えを書いておきます。
直接伝えないのは自分で行動してたどり着いたことしか身につかないからです。
これが社会のふるいにかけられるということだと思う。自分で決めて自分から行動して欲しい。
僕のキツイ言葉と彼自身の弱さを克服することを願いつつ、読んでくれた皆様にもお役に立てればと思います。



社員カメラマンになるには
雇われる最低条件は簡単。

1. 会社から与えられる機材費用+給料を越える撮影をできる見込みを示すこと。(機材を与えられない会社はおかしいと思っているので省く)

2.クライアントや現場で様々な人とやり取りができるコミュニケーション能力があることを示す。

3.会社の指示に従えることを示す。

おそらくこの3つだと思います。
1は社員カメラマンとしての撮影技術の最低条件です。細かく言うと会社としては機材のメンテナンス費用や撮影以外の事務費用、営業費用など様々なことがありますが、経営的に1年目の社員カメラマンに求めるものとしては妥当だと思います。素敵なポートフォリオがあれば解決します。

2は撮影技術以外の対人に対する、商品としてのカメラマンでいられるかどうかです。円滑に撮影を進められるかどうかはコミュニケーションにかかっています。技術だけあればいいわけではありません。これはリピート率や口コミなどにも繋がります。いいカメラマンだった、一緒に仕事をして楽しかった、やりやすかった、信頼できたと思っていただけることは技術と同等の武器になります。面接で素敵な笑顔で受け答えしよう。

3は社会人としてのルールです。
会社は、ある手順を踏めば利益が出る。というマニュアルを持っています。当然そのマニュアルに沿って業務をすると利益が出るので、マニュアルに従って欲しいのです。ルールと言ってもいいし、ワークフローとも言えます。つまり自分勝手にされると想定外の事態になり、もし思わぬ出費にでもなれば迷惑以外の何者でもないのです。
社会人なら会社の決まりは守ろうね。ということですが、本質は利益が出る決まり事をつくってるんだから守ってね。です。



独立する場合(1人会社)
ハードモードです。
ハイリスクハイリターンのように見えますが、リスクは下げられます。ただとにかくやる事が多いです。そして一般的なカメラマンという設定にします。大口の広告撮ってる!バンバン仕事くる!というような方はもうそのまま突き進んでください。羨ましいよ。僕もそうなりてぇよ。

1.認知してもらおう
存在を知ってもらわないと話は進みません。そして、BtoBとBtoCでやり方が少し異なると思いますが大体一緒です。
SNSするのか、広告打つのか、片っ端からアポ取りするのか、個展するのか、コンペで勝つのか、前の会社からクライアント引っ張ってくるのか、色々です。HPは絶対つくろう。

2.クライアントに自分の思いを伝えよう
これはクライアントを教育する。ということです。なぜこの写真なのか、なぜこの値段なのか、などなどなど…もっとありますがキリがない。
撮影料が高い!と言われて安くし続けるなら最後は倒産です。考えましょう。

3.他社(者)との違い
同じぐらいの質の写真を納品するカメラマンが2人いるとします。売上も同じとは限りません。まず同じ人間ではないので人間的な違いが売上に関係してきます。コンセプトやブランディングで分けてもいいし、営業力で分けてもいい。何でもいいのでちゃんと売上が上がる違いを出しましょう。

4.メンタルを鍛えろ
上に書いた項目は
言うのは簡単、やるのは難しい。
と思いませんでしたか?
なぜ難しいのか。正解を当てにいこうとするからです。そもそも正解がない。どんな方法でもいいのです。
なので独立するということは逆算ができないもしくは難しいことが多いということです。
ということは、当たり外れを一個ずつ潰していく必要があります。慣れてないときつい。想像するだけできつい。でもこんな状況の時に、どうしよう?と二の足を踏んでいたら何も解決しません。とりあえずYouTubeでも見て勉強と実践繰り返したらええがな。です。とりあえずやれ。というメンタルを身につけましょう。

5.初期費用は最低限に
機材はお金がかかります。
建築写真の場合、カメラボディ2台、レンズ3本、ドローン、三脚、モニター、PC、カメラバッグ、その他アクセサリ類で大体250万ぐらいでしょう。
雇われている時にできるだけ機材は揃えよう。

6.独立が本当にいいのか?
ちゃんと考えよう。
僕は会社のマニュアルを勝手にいじってしまうタイプだったので独立一択でした。こっちの方がよくない?と思うと従えなかった自己中です。
自分の守りたいプライベートもあると思います。
ちゃんと考えよう。


人生と真正面から向き合うと吐き気がする。
だから酒とドラッグと女があるって村上龍がどっかに書いてた気がします。
でも人生で何回かは、せめて一回は真正面から向き合ってもいいんじゃない?

もっと話を聞きたかったらいつでもどうぞ。
ちゃんと質問考えてきたら答えるよ。
行動してなかったら知らないよ。
お互い頑張ろうよ。
こんなことあったなって10年後一緒にメシ食べれたらおもしろいじゃん?

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