進路について自分で決めて、それを口に出そうという話をしてきました

先日、中学生のアントレ教育の授業で、起業家という立場で講義をさせていただきました。

私からは中学生の方には自分で選んで決めて、それ口に出していって欲しいということを伝えました。

自立して生活を始めると自分で決めることが増えます。この時に注意して欲しいのが、その選択肢は自分で並べたものなのか、誰かに並べられたものなのかということです。誰かが決めた選択肢から選んでるだけなら注意です。

私が高専で就職活動をするときもそうでした。学校から50社ぐらいの会社のリストが与えられて「この中から好きなところに推薦してあげるよ」と言われました。どこも一流の会社でした。大変贅沢な状況である一方で、それは誰かが作った選択肢一覧でした。そこに私が活躍できる会社があるとは限らないし、当たり前ですが社員を募集してない会社の名前はありません。

そもそも高専を出たら就職するか大学に編入するかという二択が当然と私は思い込んでいました。しかし、その二択すら自分で考えたものではありません。本当は自給自足することやスポンサーを得て寄付で生活するという選択肢もあったのですが私は1秒も考えていませんでした。(結局二択を避けて自営業で独立しましたが)

今回の講義では私が「起業も楽しいよ!」と選択肢を中学生に示しましたが、これも実は誰かが用意したメニューです。起業家が増えると嬉しい人たちがいて、私が派遣されているのです。私は地域に貢献したい気持ちがありますが、会社の宣伝になるからというのもあり会社の時間を使って参加します。私の代わりにマイナースポーツ、例えばエクストリーム・アイロニングの選手が派遣されてくることは10年はないでしょう。エクストリーム・アイロニングの人口が増えても嬉しい人・儲かる人が他の競技より少ないからです。

ぼーっとしていても提示される選択肢は他にもたくさんあります。結婚しよう!友達と旅行に行こう!転職すると幸せ!といったものです。こういうメッセージを街中でよく見ますがこれはそれが発生すると儲かる会社が発信するメッセージです。本当に私たちが結婚したり旅行したり転職したりした人が幸せだから選択肢を用意してくれているわけではありません。

提示されたメニューの中にベストな選択がある場合もあります。またベストな選択をしなくていい場合もあります。ただそれが誰によって用意されたメニューなのか自覚して選ぶ必要があります。

私が中学生だった30年前はプログラマーはマイナーな職業でした。少なくとも私の周りにはプログラマーが有望な職業だと思ってる人はいませんでした。自分で「なんか人気ないけど他の人より上手くできるからパソコンで仕事をする」と決める必要がありました。

なのでもし何かやりたいなら、それを口に出して自分の選択肢の一つにする必要があるし、もし反対する人がいても聞き流す必要があります。

学生の頃、起業するとか社長になるとか周囲にいうのは私はとても恥ずかしかったです。今でも起業家だなんていうのは恥ずかしいです。それでも自分で言わないと周囲には伝わらないし、協力してくれる人も現れません。学生の時、恥ずかしくても周囲に話していたので最初の仕事が友人のバイト先から私に舞い込んできました。

中学生は義務教育の終わりでもあります。高校へ進学するのが当たり前と思ってる人も多いんじゃないかと思います。私はそうでした。でも実は選べるんですよね。ぜひ別の道もあるかもしれないなと考えてもらえたら嬉しいと思います。

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