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性で破滅する人、救われる人の違いはなんだろう。

私が性の発信をする決意をしたのは、
本を出版することが出来たからだ。

この本には、私の今までの人生が詰まっている。
こういう自伝みたいな本を書くことができて本当に嬉しかったし、
今まで風俗という仕事に対して、
なかなか消化できなかった後ろめたさや
モヤモヤを言語化することによりスッキリしたし、自信になった。

なんで風俗という仕事をしたのか?という問いに対して、初めて喜ばれて、ありがとうと言われた仕事だったから
と今ならすぐに答えられることができるし、

風俗に対するイメージの悪さとか、否定的なことを言っているのを見たり聞いたりした時は、
私の本を読んでみればいいのに、って自信を持って言えるし、
絶対イメージ変わるから!何より面白いから!って言える本を書けた自分になれたこともすごく嬉しい。

出版する前はすごく怖かった。SNSで宣伝したいけど、インスタだけは家族みんなが見ているから何か言われたりとか、否定されたらどうしようってすごく怖かった。幸い、家族からは何も言われることもなく、むしろ読んだかどうかもわからないし、完全ノータッチだった。

でも、インスタのストーリーは見ていたから
知っているとは思う。家族にはあんまり読まれたくはないけど、私がなぜこうなったかは知っていてほしいし、今ではなくていつか読んでくれたらなとは思う。

知らない人から叩かれたらどうしようって怖かったけど、生憎フォロワー1000人くらいでは全然その域に達していなかった笑

やっぱり叩かれるくらい、それくらいにならないと全然知られていないっていうことだから
仕事にはできない。
仕事にする、プロになる、ということは必ず批判もされるということだ。
(こんなところで安心している場合ではない。)

普段交流のある友人や、インスタ上で交流のある人も好意的な反応だったし、実際の友人たちには、私は一切風俗嬢だったことを話したことがなかったけれど何も言わなかったし、普通に出版おめでとうお祝いをしてくれた。

いきなりSNS上で友達が、私出版しましたー!えー!そうなの!?おめでとう、どんな本!?ってなって風俗嬢の仕事論って、まずは、え?てなるよな、普通は笑

だけど普通の出版、というのもおかしいけれど、
出版をしたという事実だけを見てくれて、捉えてくれて嬉しかった。

でも私がなぜそうなったかというと、やっぱり普段からの人付き合いや人間関係の姿勢や、どう生きているかということはすごく関係があると思う。

私は、家族とは別に強い絆とかそんなのないけど、家族との仲をわざわざ悪化することは
人生において不利なことでしかないし、べったり依存したりする必要はないけど、
変に遠ざけたりする必要もない。
だから家族とは意識してコミュニケーションは取っている。

幸い、ジャニーズが好きだったりサンリオが好きだったりスラムダンクにはまっていたりと、推しが同じで共通の話題があるからいい関係を築けている部分はある。

姉の仕事に協力したり手伝ったこともあるし、その分野が私も好きであるため、そのことは無理せずに出来たことでちょうど良かった。
妹の嫁ぎ先の商売も応援したりと、相手が嬉しくなることだったり、家族の人生を肯定したり応援したりすることを私は意識的にしている。

私は母とも姉とも妹とも性格は全く違うし、
彼女たちが他人だったらあまり関わろうとしないタイプの人たちだと思う。

でも別に厄介な問題ごとを起こす人たちじゃないから本当に助かっているし、物理的に離れていることで、いい関係を築けているから、私は本当に家族とはいい距離感で付き合いができている。

私がもし、わざと連絡しなかったり、家族のメンバーの生き方や好きなことに対して否定的だったり、馬鹿にしたり、全く無関心だったりしたら、私の出版も叩かれていただろうし、風俗をやっていたからそうなんだとか悪く言われたり、
そんな本書くなんて恥ずかしいからやめてくれるとか言われたり、
もうあんたとは関わりたくないとか言われ
たり、だから結婚できないんだとか、一人で不幸だとか言われたかもしれない。

風俗のことについて、家族の誰からも何も聞かれたことはないけど、毎年"私のことを応援してるからね"というバースデーメッセージを妹はくれる。

友人関係に関しても、夜職界隈の人たちが行くようなところは避けていたし、(ホストとか)一般社会で働いている友人と付き合っていたし、
本を読んだり、舞台を見たり、美術館に行ったりと、風俗嬢がしないであろうことをしていた。 別に意識してそうしていた訳ではなく、
元々私にとって好きなことだったし、

ギャンブルとか夜の遊びとか、ブランドものとか美容整形とか、ホストとか薬物とか、いかにも夜の世界の人間がやりそうなそういうものに
興味がなかったから、 
風俗嬢であっても、性を売りにしていても、
破滅しないで済んだのだろう。

私はとても運がいいと思っているけれど、
意識してそういうのにハマらないよう、近づかないようにはしていた。

だから風俗で仕事の本質を見つけられたし、
性の力や愛を感じられたし、
何よりこの本を書くことができた。

風俗で働いている人の中には、家族から孤立していたり問題を抱えている人も多い。 
そういう人はいわゆる可哀想な風俗嬢という
演出で今まで描かれてきた。 
私はそういうのが嫌だったし、まともでいたかったし、ホストに沼ったりするいかにも風俗嬢という見られ方をされたくなくて本を書いた。

そういう人たちと同じにされたくなかったし、 破滅や闇や死とは正反対の部分の、性の生きる力とか愛とか心を動かされる部分を描きたかった。

お客さんも同じだ。
騙されたり金づるにされて殺されたり、
自死しなければならないほど追い詰められたり、
借金まみれになったりして破滅してしまう人。

愛を知って肌の温かさを感じて、性によって生きる力を得て日々の活力にしている人。

お客さんも、風俗嬢も、両方に確実に存在している。それが風俗の世界、性の世界だ。

もしかして私には性の救いの部分、生命力を伝えるというそういう使命があって、風俗の仕事に導かれたのではないのか。
もしそうだとしたら、やっぱりこれは私にしかできないことだ。

光があれば必ず闇がある。
それはどの世界も同じこと。

風俗の世界は、
闇が強すぎて光が当たらない世界だけれど
その一筋の光を私は伝えていきたい。


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