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音楽デジマ実践のアイデア〜音楽マーケティングブートキャンプ』(第1期)を終えて〜

音楽マーケティングブートキャンプに参加し、アーティストのマーケティングに携わった経験を記しておきます。

音楽は正攻法がまだ無い世界のデジタルマーケティング

業界や業態に合わせてマーケティングには様々な手法が存在しています。
音楽業界にも広義のマーケティング手法は存在していますが、デジタルマーケティングにおいては後進的であることは否めません。
今回の音楽マーケティングブートキャンプでは、そのヒントになる事例を多数獲ることができましたが、磨き上げるべき要素は多々存在し、まだまだ発展途上であると言えます。

音楽デジタルマーケティングの施策は空を掴むような感覚

アーティストにとって自身のSNSアカウントやサブスクサービスの再生回数などのデータは門外不出が一般的、満足なデータの共有をもらえないことも…事情はアーティストによっては様々です。
その中で一部のデータを元に戦略を立てるのはなかなか根気のいる作業でした。
初めて触れるデータたちは指標が無いため良いのか悪いのかの判断もつかないなんてこともあります。
しかし、前例のないことに対して机上の空論を立ち上げるのはどこの業界のマーケターにも必要な仮説思考の能力。
トライアンドエラーを繰り返して精度を上げていくしかないのです。
とはいえ空を掴むような感覚のなかで戦略を立てるのは困難を極めました。
うまくいかない施策は「やらないことが決まる」という成果であることを理解してもらえないことは当たり前。前述の通り正攻法が無いのでアーティストさんもわからないのです。

仮説検証するためのデータ不足が音楽デジタルマーケティングの醍醐味

あのデータがあればなー…と思ったことは何回あったかわかりません。
SpotifyやAppleMusicのアナリティクスはマーケティングにおいて十分なデータを有していないからです。
Webマーケティングの経験のある人ならGoogleAnalyticsに触れたことがあると思いますが、それと比べるとSpotifyで取得できるのは10%くらいのデータ量です。
そしてサービスごとにデータの定義が整っているわけでもなく、それぞれを統合したデータを見ることも一苦労。

Spotify for Artistsで取得できるデータは下記(1部抜粋)
(24h/7d/28d/since2015)
・現在の再生者数
・リスナー数
・ストリーム数
・フォロワー数
・閲覧数
・保存数
・オーディエンス情報(簡易デモグラ)
・プレイリスト情報
・再生場所
・類似アーティスト一覧
など

Spotify for Artists

まず始めに何を考えるべき?

まずはアーティストさんの理解を深めることから始めるといいでしょう。
やりたいことや今後の方向性、何を課題に感じているのかなど、コミュニケーションを取り、アーティストの気持ちを第一にした施策を考案するのが第一歩には大切なことだと考えています。
とは言え、戦略面で何から始めるべきかは別の話。今ある全てのアカウントの情報を把握し、どこに注力するべきなのか、何をすることで収益が最大化するのかという視点はずれてはいけません。

最初にやるべきは全アカウントの整備

サブスクサービス、各種SNS、Webサイトなどしっかりと整備されているアーティストは多くありません。
ファンの目に留まる可能性のある場所は全て整えておきましょう。

すぐできるリスト
・各種プロフィールを最新に更新
・YouTubeおすすめ動画の設置
・YouTubeプレイリストの作成
・各種DSPプレイリスト作成
・プロフィール写真を統一
・SNS毎日投稿リストの作成
・UGCリストの作成
(他にもいっぱいあるけど今日はこの辺で)

知名度がある/ない・ファンがいる/いないで施策が全く違う

兎にも角にも正攻法がないのはおわかりいただけたと思うのですが、線引きはできます。
アーティストに知名度や定着したファンがいるか否かで施策は全く変わります。
何が言いたいかというと、日本/世界で売れているアーティストの真似をしてもインディペンデントアーティストには当てはまらないことがあるということです。
ファンがいるならば拡散力を利用した施策が効果的、知名度がないのならばメディア施策が有効など、アーティストの現状に合わせた施策立案・戦略策定を行いましょう。

さいごに

ここに記したのは概要にも満たない内容ですが、これからの音楽デジタルマーケティングの発展に貢献できるよう、ノウハウをこれからも書いていきます。
音楽家が知っておくべきことをこちらのマガジンに掲載し続けていくのでよかったら読んでみてください。



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