民衆の中のリアル-クールベの絵画についての随想
【月曜日は絵画の日】
絵画において、リアルであることは、よく考えると不思議なことのように思えます。
というのも、古代の壁画から、仏教、キリスト教の宗教美術を含めた近代以前の絵画まで、現実のありのままの光景を描いたものが、実は結構少ない気がするのです。
キリストの磔だったり、古代の神話であったり。いや西洋に限らず、人類の視覚芸術は、「この現実にはない、現実以上の世界をいかに現出して体感させるか」に、長い間多くの賭け金が置かれていたように思えます。
肖像画です