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la la la 54. ラララ・エッティラ”エジプシャンタロット”のお話②(Byラム子)

こんにちは。昨日の続きです。
さて。日本でもエッティラ(エティヤ)を扱える占い師がおらっしゃることを知り、わたしは失礼を承知でその門を叩きました。そしてご縁あって、現在わたしのタロット師匠となっているわけでございます。

このエッティラ師匠も早くからこのエッティラに心を奪われたお一人で、2012年に単身でパリに渡り、このカードの真の解釈についてパリの街をその足で歩き回って秘密を解き明かす旅をされました。
そのような時間と知恵によって解き明かされた秘密ですので、
今後新しいマガジン”ラララ・エッティラ”の中では有料になる記事も出てくるかもしれませんが、それはもちろん師匠の知的財産を守るといった意味ですのでご理解いただけたらと思います。
このマガジンは師匠と二人三脚で進めたいと思っています。師匠がこれはもういいんだよ、というところは大きく解放されると思います。これはエッティラの誇りを取り戻すマガジンでありお金儲けのためではないのであまりアコギなやり方にはしないのでご安心ください。(繰り返しますが本日これは「東の魔女の暮らし」に入っています)

ところで、タイトルにもあるように、エッティラ(エティヤ)は”エジプシャンタロット”のくくりに入ります。エジプシャンタロット、それ何?
・・・というところで、タロットカードの起源についてお話しなくてはなりません。

えっとこれはプロローグな上にわたしがお伝えしたいことは”どのようにしてこのエッティラが抹消されていったか”ですので歴史に関してはすっごく”まとめて”お話します。なので詳しいことが知りたい方は師匠の著書をご覧ください。

タロットカードの起源については現在はイタリアとされる流れが主流ですが、イタリアから流れてきたタロットカードは「マルセイユ版」と呼ばれ17世紀のフランスでは賭博カードとして皆に親しまれていました。(イタリアなのにマルセイユ・・・混乱しますね。笑)
時は1781年、クールド・ジェ・ブランというルイ16世にも仕えたパリでは高名な考古学者がおりました。ある時ひょんなことから彼はその賭博用のタロットを目にします。きっと彼には何かの力があったのでしょう、その時彼には何かが見えた。そして彼はこう言いました。


「このカードの絵は古代エジプトの叡智が記された寓意画(ぐういが)である」

彼のこの言葉によってタロットにはエジプト起源説も生まれることとなり、彼は同年タロットに関するエジプト起源説のエッセイ”原始世界”を出版しました。

そしてそのクール・ド・ジェブランのエッセイをどこかで目にして、その著書で語られた起源に沿った、賭博用ではなく占いに使えるエジプシャンタロットを作りたい!!と考えたのがパリのシャルトル街に住んでいた売れっ子占い師、Etteilla、つまりエッティラ(エティヤ)さんだったのであります。
時代は18世紀末、フランス革命を予言し、彼に視てもらうために皆列をなしたほどの占い師のエッティラさんには、何かタロットエジプト起源説に”そうか!!”といろんなことがピピピと繋がる心の導火線をお持ちであったのではないかと思います。

当時マルセイユタロットカードを手に入れるのは簡単ではなく(17世紀18世紀と書くとたいして経っていないみたいですが、150年ほども前に流行った賭博カードで18世紀カード賭博は完全に廃れていました。わたしたちが大正末期に流行った”かるた”を手に入れるのに近い苦労があったでしょう)、
エッティラはイタリアなどから取り寄せたりして、それを参考にしながら、1879年、エッティラは”グラン・エティヤ”という最初のエジプシャンタロットを完成し発売します。奇しくもフランス革命が起こった年でした。

これが初期のグラン・エティヤ(エジプシャンタロット)です。(復刻版だと思いますが)わたしが持っているのと少しムードが違うのは、わたしのはそれらを改良しレタッチされより芸術的な雰囲気にした第三弾くらいのやつだからです。けれども同じエジプシャンタロットです。

そしてここからがとても重要なことなのですが、
「・・・で、これのどこかエジプト!?」

そうなのです。これこそが18世紀に開発されたこのフランス製のタロットが後に”まがい物”として価値を貶められていく所以なのであります。

クール・ド・ジェブランがエッセイを発表したこの頃は、ナポレオンが「エジプト遠征」を行う少し前、つまりフランスの人たちにとってエジプトは「未だ見ぬエジプト」でありました。つまりエッティラが作ったエジプシャンタロットも、厳密に言うと「空想のエジプト」であったということなのです。その後 19世紀に本格的なエジプト学がなされ、つまりこのエッティラのタロットカードは「エジプトと似ても似つかないじゃないか」ということになってインチキと呼ばれていくわけなのです。

そしてもう一つ、このグラン・エティヤにとって災難であったのが、
19世紀半ばにその名を誇ったロマン派詩人であり隠秘学思想家のエリファス・レヴィの存在でした。(こうやって書いてみると小説やら詩を書いている人がタロットや宇宙の秘密について研究していくのは割とスタンダードな気もしてくる 笑)
この人もやはりクール・ド・ジェブランの書いた”原始世界(エジプト起源説)”には強く影響を受けた一人でしたが、エッティラが ”グラン・エティヤ"を製作するにあたり、エジプトにこだわり、エジプトに結びつけるあまりに、これまであった大アルカナ(カードの中のもっとも主だった22枚)をことごとく破壊してしまったことを強く批判し、次のように言いました。

エティヤは、自分の占いを体系づけ、金銭的利益を引き出すことに腐心し、
クール・ド・ジェブランによって発見された古い書物を、ジプシー女占い師の領域にもう一度突き落としてしまった。

つまりここで簡単に言うと、ラーメン屋の、のれん分けお家騒動のようなことが起こったわけです。
二人とも直接の弟子ではないですが、親方のラーメンの真髄をあいつは金儲けのために捻じ曲げた、とレヴィは言ったわけであります。

個人的にはジプシー女占い師を蔑みすぎじゃない!?と、数百年も昔の彼に ”せくはら” とか今時のことを言いたくなるのでありますが、笑、
このレヴィさんが、随分と影響力があったことや、生涯にわたりタロット理論の研究に尽力されたという功績もあり、そして、文句を言いはしましたが影響力を持つ彼の先の言葉
「ジプシー占い師の領域にもう一度突き落とした」
という言葉の破壊力はいかほどであったでしょうか、
エジプシャンタロット(グラン・エティヤ)は汚名を着せらせ失墜してゆき、世界の片隅に追いやられ、その後、エリファス・レディの考察を踏まえた「ウエイト版」占いタロットが開発され、それは絶大な人気を誇り、
現在もっとも主力なタロットとなっているということなのです。

ここまでお付き合いくださいましたみなさまは、いかがお考えでしょうか。
「え、じゃあ、ウエイト版でいいのではないの?」
そうお考えになる方も多いと思います。

ただわたしは、それでもなお、このエッティラに強く惹かれて”いやそうじゃないんだ”と言わねばならないと思う衝動に対して考えてゆかねばならないのです。ある程度答えは出ています。

わたしの中ではこれらに携わった人物の中で ”いったい誰が” わたしの考える世界の答えに近いか、ということです。
わたしの中でアラビアのシャルジャにあるイスラム博物館に行ったあのときから”人類が存在する世界の起源”には一つの確信を持っており、それらに派閥が存在することも確信しています。
その中ですっごい勝手な仕分けで申し訳ないのですが、わたしは黒と白、光と闇の存在に分けていて、ラララ世界は光でなくてはなりません。
艶々と美味しそうな色と香りを極端に放つ、クセになる食べ物にはどこか仕掛けがある、その妖術を見抜き、それをすり抜けて正しい答えを掴みとらなくてはいけません。
わたしは、クールドジェブランは、正しかったと思っています。
彼が感じたこと。

だからきっとタロットはエジプトと関係があったのだろうと思います。
次にエリファスレディさん、彼もわたしは正しいと思っていて、彼がエッティラさんに指摘した一部の批判も正しいと思っています。

ただ、わたしはこの「ウエイト版」を作るにいたった関連の人々とはあまり馬が合わなく感じているということなのです。
どちらかの事務所でバイトをするならやはりエッティラさんの事務所でバイトをしたいという感じでしょうか。

実際「ウエイト版」というのはこれ以上ないくらい占いやすいタロットカードです。そして「占ってもらいたくなる」カードです。でもわたしはこの「占ってもらいたくなる」ところにちょっとした"妖しいからくり"を感じてしまうのです。これはクールドジェブランが根拠はないけど「これはエジプトの叡智を記したカードだ!」と言ったのと同じくらい、なんとなくそう感じていることです。そしてラララでいつもお伝えしている以上、そう感じている以上わたしはウエイト版を使うべきではないなと考えています。

”グラン・エティヤ(ブック・オブ・トート)”には難しい局面も結構あります、扱いにくい部分も。けれど、以上のことを踏まえて、感じながらカードを切っていく。それが本当の意味でカードを扱うということではないか、そう考えています。
これからもこのエッティラにまつわるマガジンを更新しながら紐解いて行こうと思います。途中で切るのが難しい内容で今日は長くなりました、お付き合いくださったみなさまありがとう。

なお、本日ここでお伝えしたエッティラの歴史なんかはすべて師匠の著書「ウエイト版”タロット占い完全マニュアル」(著・浅野太志)から引用しています。昨今芥川賞なんかでも引用盗作問題ありますので、念のため、書かせていただきますね。
何度もお伝えしていますが、もっと詳しく知りたい方はこちらの著書をご覧ください。

それではらるらるらん♪
ラララ世界で会いましょう☆

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<ラム子よりお知らせ>
9月か、早ければ8月中旬から、タロットと潜在意識波動カードを用いた独自のやり方で、不器用さんに捧ぐ”ラララ・トリートメント”を基本的にはマンツーマンで始めます。占いとは少し違うけれど、占いという感じで気軽にきてくださるのでも、悩み相談できてくださるのでも問題なしです。
詳細はまた追って後日♪ la la la♪

嬉しいです ( ´ ▽ ` )ノ