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フランス人が奇妙に思う日本のガールズバー

British Barでフランス人とおしゃべりをしていた時のこと。

彼は、先日、日本のガールズバーに行く機会があったらしい。

「ガールズバーは思ったよりせまかったよ、

お店の女の子が何人かいて、何をするわけでもなく、

ただお話をするだけ。お酒は、普通のバーに比べて、

結構高い値段だった。

お客として来てる日本男性が、

スーツにネクタイを締めたサラリーマンばっかりだったことには驚いたね。

日本のガールズバーっていう文化は、なんか不思議だよね。

女の子とお話したいなら、僕たちが今しているように、

ただ、こうやって普通のバーに来て女の子と話をすればいいのに。

どうしてわざわざ高いお金を払って、

サラリーマンたちはガールズバーに行くのかな?」

ちなみに、聞いたところによると、

フランスには日本のガールズバーのようなものはないらしい。


今まで、あまり深く考えたことなかったけど、

確かに、外国人にそう言われると、

ガールズバーっていう日本の文化って、

なんだか日本社会の奇妙な部分で

コミュニケーション問題の歪みを表しているように私には思えた。


彼らは、女の子とのコミュニケーションをお金で買っているわけで、

どんなに楽しい時間を過ごしても、

それはビジネス、お金での取引。

女の子たちはプロであり、

お客さんとお話をして気持ちよく帰ってもらうのが”仕事”である。

人と人の対等な立場でのコミュニケーションではない。

お互いが、どんな人間なのか、

出身地、生い立ち、趣味、休日することも、

話す内容が事実である必要がない。

あくまでビジネスであり、

”友達”もしくはそれ以上の人間関係を築くことが目的ではないから。




人とコミュニケーションがとりたい。

話をしたい、話を聞いてもらいたい。

出会いが欲しい。好きな人、魅力的な人と

楽しい時間を共有したいという欲求は

人間の原点的なものであって、当たり前のものだ。

でも、その根本的な欲求を満たす手段として、

お金で解決してしまう人が増えるのは、

寂しいことのように思う。

決してガールズバーを否定しているわけではなく、

そういった人間の根本的な人とのコミュニケーションの欲求を

満たす手段が、

「仕事が忙しくて、仕事以外での人間関係をきづくような余裕がない、もし

くは面倒だ。」

といった理由で、

お金を払って、ビジネスとして、擬似的に欲求を満たす、となるのならば

それはとても寂しいことだし、私はその方法は間違っていると思うし、

社会問題だと思う。



もちろん、日本のもともとの文化として、

海外のドラマでよく見るような、

行きつけのバーでたまたま見つけた素敵な異性に声をかけ、

そこで話が盛り上がる、、的な習慣がないのはよくわかる。

外国人の人たちがそれをするより、ずっとハードルが高い。

私自身も、いまだに、一人でイベントやバーに乗り込む時は

結構勇気がいるから。


でも、私が実際、こうやって日本で、

人が集まるバーやイベントに参加して、

その日初めて会った国籍もバックグラウンドも全然違う人と

お話する機会を持って

男女問わず友達ができて、行きつけの場所ができて、

本当に素敵なことだな、楽しいな、と思ったので

日本にも、

ビジネスとしての関係でなく、

もっと、気軽に、その場の人とコミュニケーションをとる、

初対面の人と、お話をする。

仲良くなるという文化が広がればいいなと思った。


フランス人の彼と話さなければ、

日本のガールズバーという文化の不思議について

考えることもできなかったから。




孤独を感じる人が少ない社会になるといいな。










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