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リーグワン アピールヒアリング(2)

前回の続き。

試合中にレッドカードが提示された場合や、試合中にはレッドカードが提示されなかったけれど、サイティングコミッショナーがレッドカード相当だと判断した事象があった場合、Judicial Officerジュジシャルオフィサー(以下JO)によるヒアリングが行われます。

それぞれの試合に担当のJOが決められており、チーム、当該プレーヤーと、ヒアリングの日程を調整します。コロナ禍になる前は、よほどのことがない限り対面で行っていました。審判部門長の代理で出席する場合には、東京に日帰りで参加することもありました。コロナ禍を機に、リモートでの開催が一般的になり、現在は全てリモートで行われています。

現在のヒアリングには、JO、当該プレーヤー(反則した)、当該チーム関係者(反則した)とリーグワンの担当者のみが参加しています。反則されたプレーヤーやそのチーム関係者は出席せず、危険なプレーで怪我をした場合などはその後の経過をリーグワン事務局がチームに確認します。

ヒアリングのやり方はJOによって若干違いますが、まずは不正なプレーを当該プレーヤーが認めるかどうか、についてヒアリングします。

認めなかった場合には、その反証に時間が取られ、共有されている映像を、何回もスローにしたり、停止したりして、確認をします。

認めた場合には、その危険度を確認し、出場停止試合数のエントリーポイントを確定します。このエントリーポイントは、反則ごとにワールドラグビーで決められており、重度、中度、軽度に分かれます。大抵は中度になることが多く、頭部への直接コンタクトによる危険なプレーで、中度ならば、6週間がエントリーポイントとなります。

エントリーポイントが確定すると、次は軽減要因があるかを確認します。試合中、試合後に反則した相手プレーヤーを気遣う行為があったのかどうか、怪我をした場合にはその後の経過はどうか、チームとしてどのような練習や取り組みをしているのか、今までの不正なプレーでのカードや処分の歴、日頃のプレーヤーの練習や生活での態度やプレーヤーとしての経歴など、を確認します。
ただし軽減は最大50%なので、6週間のエントリーポイントだと、3週間が最大です。ワールドラグビーは安易に最大の軽減にすることを推奨しておらず、最近の出場停止は、半減+1週間というのが多いように思います。

ヒアリング後、JOは判断をリーグワンに伝え、リーグワンからその日のうちにチームに伝えます。

これで、出場停止期間が決まりますが、プレーヤー、チームはこの裁定に異議を申し立てること(上訴)ができます。

次回はいよいよ、異議申し立てを行なった場合に開かれる、アピールヒアリングについてです。

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