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ウイルスとワクチン

割引あり

新型コロナ騒動について考えるために、ウイルスとワクチンについて調べてみました。


ウイルスの仕組み

ウイルスは、タンパク質の殻と、その内部に遺伝情報となる核酸を持つだけの構造であるため細胞ではなく粒子と呼ばれます。代謝を行えず、自己修復や自己増殖もできません。ウイルスはDNAかRNAのどちらか片方で遺伝情報を保存しています。ウイルスは他生物の細胞に寄生して自身の遺伝子を感染させ、感染させた細胞に自身の遺伝子を使わせることで自己増殖に必要なタンパク質の合成と遺伝子の複製をさせています(偏性細胞内寄生性)。

ウイルス増殖のプロセス

  1. 吸着:ウイルスが細胞に感染するには、ウイルス表面のタンパク質が細胞の表面にあるレセプターに吸着する必要があります。ウイルスが合致するレセプターを持つ細胞にのみ吸着できます。

  2. 侵入:吸着したウイルスは細胞の中に侵入します。

  3. 脱殻:侵入したウイルスは自身のタンパク質の殻を脱殻して核酸を放出します。

  4. 複製:細胞内に放出された核酸から、寄生した細胞の機能を利用してウイルス自身のタンパク質を合成し、核酸も作られます。

  5. 成熟:それぞれが大量に生産されると、タンパク質の殻と核酸が集合してウイルスの構造が形成されます。

  6. 放出:形成されたウイルスが、寄生した細胞から放出されます。

細胞は指数関数的に増殖するのに対し、ウイルスは寄生先の細胞内で複製されたたんぱく質と核酸から形成される形であるため一段階増殖となります。

ウイルスは代謝を行う器官を一切持っておらず、エネルギーや水や酸素も不要で、ただ細胞への寄生と増殖を繰り返すのみであるためウイルスは生物ではないと言われています。

ウイルスが病気を起こすメカニズム

「第115回日本耳鼻咽喉科学会総会シンポジウム」 ウイルス感染症の発症機序(pdfファイル)

この資料から「ウイルス感染細胞の運命と疾患」の項を引用します。

ウイルス感染細胞の運命と疾患
ウイルスの病原性は細胞内絶対寄生性に起因する.すなわち,生きた細胞内に寄生して,細胞の代謝酵素系や合成系を利用して自己成分を合成して増殖する.このようなウイルス感染が生じた際にウイルスおよび感染細胞に生じる現象は以下の4通りである
1. 細胞溶解感染(cytolytic infection)
ウイルスが感染細胞で増殖することは,短期的な自己コピー数を増加させるという観点からも合目的である.実際多くのウイルスと細胞の相互関係はこの系に属する.その場合感染細胞には細胞変性効果(cytopathic effect)が観察される.ヘルペスウイルス感染症の際に観察される多核巨細胞などはウイルス複製に伴う細胞融合の結果生じる細胞変性効果である(図6).この細胞破壊の分子機構はまだ完全に解明はされていないが,少なくとも一元的ではない.(中略)
2. 不稔感染(abortive infection)
上述の感染様式が最後まで進行せず,途中でウイルス複製がストップすることがある.実際には以下の2種類のケースが確認されている.
1) 自然免疫系が活性化されてインターフェロンなど,細胞の持つウイルス増殖抑制因子が産生され,ウイルス複製が中断する
2) ウイルス複製に必要な因子が欠けているため完全なウイルスが複製されるに至らない.たとえば,EBVをイヌ腎臓上皮細胞に感染させた場合には,完全なウイルス複製は起こらない.しかし,この感染細胞にウイルスが増殖できる細胞を融合させると,完全なウイルス増殖が誘導され,1.で述べた細胞溶解感染へと移行する.
3. 持続感染(persistent infection)
ウイルス増殖と細胞の増殖が平衡状態にある感染様式である.この感染様式も以下の2種類に分類される.
1) 細胞集団が少数の感染細胞と大多数の未感染細胞からなる維持型持続感染(carrier―state infection).この様式はこの細胞集団におけるウイルス感受性細胞と抵抗性細胞の出現率と感染細胞から産生されるインターフェ
ロンの作用に依存している不安定な持続感染である.たとえば,ウイルスに対する抗体の存在下では,細胞外に放出されたウイルスは中和されてしまうため感染細胞はやがて消滅していく.
2) 細胞集団のほとんどの細胞がウイルスに感染しているが,感染細胞は破壊されず,感染細胞が分裂して増殖する際に,ウイルスも感染した状態で継代される内部共生型持続感染(endosymbiotic infection).この様式では抗体が存在しても細胞内のウイルスは影響を受けない.
4. 発癌感染(transform infection)
細胞破壊とは逆の,感染細胞が無制限に増殖することによって感染しているウイルス自身もコピー数を増加させる溶解感染の対極にある感染様式である.バクテリオファージの溶原化による細菌の遺伝形質の変化と類似の現象といえる.現在までに多くの腫瘍ウイルスが発見されている.(後略)

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jibiinkoka/117/10/117_1245/_pdf

ウイルスに感染した細胞は、1)細胞破壊に至る(細胞溶解感染)、2)ウイルスが残ったままウイルスの複製が止まる(不稔感染)、3)平衡状態を維持し、その一部では抗体が存在しても細胞内のウイルスは影響を受けない(持続感染)、4)細胞破壊は起きず、ウイルスの複製は続いて感染細胞が無限に増殖する(発癌感染)、のいずれかの状態になるということでしょう。

吉倉廣氏の微生物学講義録より編集

上のページから、要点を抜き出してみます。

  • ウイルスはさまざまな生物に感染する。動物では哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、魚類、昆虫。植物のウイルスもある。かびや細菌のウイルスもある。

  • 国際ウイルス分類委員会の分類では、全部で3万種くらいのウイルスが見出されている。そのうち、哺乳類と鳥類に感染するウイルスは約650種。

  •  20年ほど前、米国の国立衛生研究所で人に感染するウイルスを整理してみた結果、平均的アメリカ人は一生の間に200回くらいウイルスに感染していると報告がある。これらのウイルスの多くは風邪などの軽い症状、もしくはほとんど症状を引き 起こさないため、私たちは感染したことも気づかない。

  • 天然痘は、紀元前9000年頃、古代エジプトとメソポタミアの大河流域で人 々が農業を始めるようになって、人口が増え始めたために、人々の間で広が るようになったのではないかと推測されている。

  • 狂犬病については、紀元前1885年、メソポタミア文明を築いたシュメール人の法律に、狂犬病に関するものと思われる文章が残っている。

  • ウイルスが初めて分離されたのはわずか100年ほど前の19世紀 の終わりで、細菌が通過できないフィルターで濾過しても感染力を持つすなわちウイルスという存在が明らかになった。ウイルスの存在は、ウイルス粒子という実体ではなく、病気を起こす要素 として見つかってきた。

  • 最近では、ウイルスの遺伝子を検出することで、ウイルスの存在を知ることも可能になり、物質としてのウイルスも取り扱えることができるようになってきた。

2003年発生のSARSについて

続いて、同じ文書からSARSについての部分をまとめていきます。

  • 世界保健機関 WHOが全世界に新型肺炎の発生を知らせたのは3月12 日。15日には初めてSARSの名前を用い、感染地域への渡 航中止の勧告を出した。

  • 4月上旬には、国際的学術雑誌に新型コロナウイルスが患者から分離されたという論文が3箇所の研究所からそれぞれ発表され、数日後には全部の遺伝子の配列が明らかにされた。 

  • オランダの研究所がカニクイザルに新型コロナウイルスを接種する実験を行い、サルは3日目には動きがにぶくなり、4日目には肺炎を発症して呼吸困難となり、WHOは新型コロナウイルスがSARSの最大の原因であると結論した。

  • 感染症の病原体を確定する条件として細菌について提唱されたコッホの原則が、新型コロナウイルスSARSでは極めて稀なことにすべて満たされた。

  • SARSを含むコロナウイルスは核酸としてRNAを持ち、数多くのRNAウイルスの 中でもっとも大きなRNAを持っており、インフルエンザウイルスと同様に変異を起こしやすい性質を 持っている。

  • コロナウイルスは3つのグループに分類されているが SARSウイルスはどのグループのウイルスとも、その遺伝子構造がかけは なれているためまったく新しいコロナウイルスとみなせる。野生動物からの感染が考えられる。

  • SARSウイルスの感染は、 呼吸器感染と接触感染が考えられる。

  • もっとも効果的な対策はワクチンだが、候補の ワクチンができるまでには1~2年、そしてヒトに接種できるようになるには、さ らに長期間かかる可能性があり、発病した人に対する治療薬については、まだ展望はない。

  • 未承認薬から、培養した細胞でのSARSウイルスの増殖を抑える薬が見つかれば動物実験で実際の 効果を調べることになるが運にまかせるしかなく、一方、新しい薬を開発するとなると、通常では10年くらいかかる。 

2003年当時、いつの間にか収束したSARS騒ぎですが、このときの当初の様子も2019年末からの新型コロナ騒動のときとよく似ていたことがわかります。

感染症との戦い

同じ資料から、続きをまとめていきます。

  •  1796年、ジェンナーが天然痘を予防するる種痘を開発

  • 第2次世界大戦終了後の1959年、天然痘根絶のアイデアが採用され、1966年に本格的な根絶計画を開始、1977年にソマリアで 出た天然痘患者を最後として患者の発生はなくなり、1980年、WHOは天 然痘の根絶を宣言

  • WHOは天然痘に引き続いて麻疹やポリオの根絶計画も発足、感染症根絶の期待が高まる

  • 1993年、WHOと全米科学者協会がエマージング感染症の監視の必要性を提唱(エイズ、マールブルグウイルス、ラッサウイ ルス、エボラウイルスなどの出血熱ウイルス)

  • エマージングウイルスのほとんどは本来の宿主である野生動物では平和共存しているウイルスがヒトへの感染で寄生相手を死滅させるキラーウイルスに変わったもの。SARSもその一種

  • SARSでは患者の咳やくしゃみによる飛沫を吸い込む呼吸器感染が最大の感染様式になっており、ヒトの間で容易に感染が広 がるのが特徴

真偽はともかくとして、この資料では、これまで接触の少なかった野生動物との接触により、本来の宿主では重大な症状をもたらさなかったウイルスにヒトが感染することが、新たなキラーウイルス登場の原因であるとされています。

未知感染症への対策

同じ資料から、続きの部分をまとめていきます。

  • 現代社会の発展に伴い、野生動物の世界と人間の世界の間の距離が縮まり未知のウイルスが人間社会に出現し、SARSウイルスのようにヒト間で広がっていくものもあるはず

  • そのようなウイルスに対して頼れるのは公衆衛生対策

  • 公衆衛生対策の基本は2つ、患者の隔離と、患者と接触して感染した可能性のある人の検疫。

  • 未知の感染症に対して我々が頼れるのは、地球規模での公衆衛生対策

風邪・インフルエンザの症状

ここで、話題を変えて、風邪やインフルエンザの際に各主症状が起こる理由をまとめてみます。

各主症状のおこる理由(コルゲンコーワサイトより)

かぜ症状はなぜ起こる?
かぜは一般に、ひきはじめから1週間ほどかけて治っていきますが、その間に、さまざまな症状が起こります。
かぜの症状は、いずれもウイルスなどの感染に対抗するための、体の防御反応。
では、体がどのようにかぜウイルスに対抗しようとしているのか、その主な発症メカニズムについて見ていきましょう。

https://hc.kowa.co.jp/colgen/column/kaze/cause/
  • 発熱:ウイルスを排除するための体の防御反応のひとつ

  • のどの痛み:ウイルスを排除するための免疫反応に伴う炎症

  • くしゃみ・鼻水・鼻づまり:鼻粘膜に付着したウイルスを排除しようとする鼻炎症状

  • せき・たん:気道の粘膜にウイルスが感染して炎症が起こると脳のせき中枢を刺激してせきが出る。異物排除のために粘膜から粘液から過剰に分泌されるとたんになる。

肺炎が起きる理由

高齢者(65歳以上)では、インフルエンザをきっかけに、肺炎を起こすことがあります。
インフルエンザウイルスに感染すると、気道の表面の細胞が壊され、肺炎球菌などの細菌が肺に侵入しやすくなります。また全身では、炎症を起こす物質が増加し、炎症が起こります。すると細菌に感染しやすくなり、肺炎を引き起こすのです。

https://www.haien-yobou.jp/influenzaha/#:~:text=%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%95%E3%83%AB%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B6%E3%82%A6%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%B9%E3%81%AB%E6%84%9F%E6%9F%93%E3%81%99%E3%82%8B%E3%81%A8,%E8%82%BA%E7%82%8E%E3%82%92%E5%BC%95%E3%81%8D%E8%B5%B7%E3%81%93%E3%81%99%E3%81%AE%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82

インフルエンザウイルス自体による肺炎もありますが、インフルエンザ流行時に肺炎で入院した患者の原因菌は、過半数が「肺炎球菌」だったというデータが引用先ページに示されています。

ワクチン

日本医師会のサイトから引用します。

ワクチンの誕生と発展
ワクチンの歴史は、エドワード・ジェンナーが天然痘に対する牛痘*1種痘法を発見したことに始まります。天然痘はその死亡率の高さや、痘瘡や失明などの様々な後遺症から非常に恐れられていました。「天然痘に一度かかると二度とかからない」ということは昔から知られており、紀元前1世紀のインドや宋代の中国では天然痘患者の膿を人為的に植え付ける「人痘種痘」が行われていたことが記録に残っています。

18世紀のヨーロッパでは、「牛痘にかかると天然痘にかからない」という民間伝承がありました。それに注目したジェンナーは、人体実験を繰り返して、牛痘患者の疱疹の漿液を傷口に塗りつける牛痘種痘法を確立しました。その後、雑菌の混入や他の感染症の伝播、継代による効力低下などの問題に対して改良が重ねられつつ世界中に広まり、1980年にはWHOが天然痘の世界根絶宣言をするに至ります。

19世紀後半、ルイ・パスツールが病原体を動物の体で継代して人工的に弱毒化させる弱毒生ワクチンを開発しました。その後、病原体を無毒化する、より安全な不活化ワクチンがイギリスで開発され、20世紀には孵化鶏卵培養法や細胞培養法、遺伝子組み換え法といった様々なワクチンの製造法が考案されました。

https://www.med.or.jp/doctor-ase/vol40/40page_id03main2.html

ワクチンは、感染を予防する抗体や防御機能を体内に作っておくことにより、病原体が体内に侵入しても発症しないか、軽症で済むようにする仕組みです。

ワクチンの問題1:アジュバント

アジュバントはワクチンが効果的に効くためには必須のものだが、実験的には自己免疫疾患や自己炎症性疾患を誘導するリスクをも負っている。そのため、アジュバント開発は、有効性だけでなく安全性も向上させる研究、すなわち、その分子レベルでの作用機序解明といった地道な努力が必要になると考えられる。特に最近導入されたHPV ワクチン接種後に見られる長期体調不良例の報告や、主に北欧諸国で報告が相次いだAS03 が添加されたH1N1 新型インフルエンザワクチン(日本は特例承認)接種後の明らかなナルコレプシー発症の増加など、新しいアジュバントの使用に対して冷静にかつ科学的に検討すべき課題も指摘されている。

https://www.jst.go.jp/crds/pdf/2020/FR/CRDS-FY2020-FR-04/CRDS-FY2020-FR-04_20103.pdf

アジュバント(Adjuvant)とは、ラテン語の「助ける」という意味をもつ 'adjuvare' という言葉を語源に持ち、ワクチンと一緒に投与して、その効果(免疫原性)を高めるために使用される物質のことです。あくまでもワクチンの効き目を高めるためのものなので、アジュバントだけを投与してもワクチン効果は得られません。
抗原の一部の成分を精製して接種するワクチンは一般的に効き目が弱いのでアジュバントの添加が必要です。

https://www.nibiohn.go.jp/CVAR/adjuvant.html#:~:text=%E3%82%A2%E3%82%B8%E3%83%A5%E3%83%90%E3%83%B3%E3%83%88(Adjuvant)%E3%81%A8%E3%81%AF%E3%80%81,%E3%81%AF%E5%BE%97%E3%82%89%E3%82%8C%E3%81%BE%E3%81%9B%E3%82%93%E3%80%82

ワクチンの問題2:コロナワクチンの危険性

この話題について検索してみたところ、すでに適切な本が出版されているようでしたので、詳しく記すことはせず、本の紹介だけさせていただきます。

世界中で次々と報告される「ワクチン副反応」の研究論文
免疫学者が「コロナワクチンの危険性」をさらに徹底検証!
●コロナワクチンはそもそもワクチンとして機能していない
●接種後もっとも副反応が集中する「魔の2週間」が統計から外されている
●ワクチンを打つことでロングコビット(コロナの後遺症)の症状が出る?
●ワクチン接種と不妊、心筋炎、脳障害の関連性
●「新型コロナウイルス=人工ウイルス説」を検証
危機に気付いた良心的な医師や科学者が、世界中でコロナワクチンの危険性と、コロナ規制の無意味さを訴えはじめている──。

https://www.amazon.co.jp/dp/4763420453/ref=cm_cr_lh_d_bdcrb_top?ie=UTF8

パンデミック

パンデミックの歴史を調べて見ました。大幸製薬のページからです。

https://seirogan.co.jp/fun/infection-control/infection/pandemic.html

これによると、天然痘は15世紀に旧大陸から新大陸に上陸して、50年間で人口が8000万人から1000万人にへっています。14世紀のペストではヨーロッパだけで人口の1/4から1/3にあたる2500万人が死亡。1918年のスペインかぜでは世界人口18億人のうち4000万人以上が死亡したと推定されています。

私見

古くから天然痘に一度かかると2度とかからなくなるということが知られ、古代中国では人痘種痘も行われていました。ジェンナーはこれを改良したということになるでしょう。しかし、そもそも発症しない程度に都合よく感染させるという仕組み自体が危険を伴うものである上に、アジュバントによる危険性も加わるため、ワクチンが絶対安全であるということはあり得ないでしょう。

そうはいっても、パンデミックを防ぐことができるのであれば、ワクチンを積極的に活用するのは当たり前だという考えかたは当然あるでしょう。しかし、パンデミックがどのような状況で発生したのかを検討してみると、それは病原菌によるものというよりも、劣悪な生活環境で暮らし、免疫力や体力を低下させた多数の人々がいる状況であったからこそ発生したとみることができます。

新大陸の天然痘については次の記述が見つかります。

インディオ人口の減少
 スペイン統治下のラテンアメリカにおけるインディオは、スペインのコンキスタドレス(征服者)によってその文明を破壊され、またスペイン人入植者のエンコミエンダ制による強制労働や、後にはアシエンダ制大農園やプランテーションでの過酷な労働によって急速に人口が減少した。またヨーロッパからもたらされた天然痘やペスト、インフルエンザなどの病原菌もインディオの減少の一因となった。

https://www.y-history.net/appendix/wh0204-001.html

ここには、強制労働や過酷な労働のうえに感染症の影響があったことが指摘されています。

ヨーロッパのペストについては、次の資料が見つかります。

( 5)ペストが流行した理由
① 10~ 14 世紀にかけて中世農業革命が起こった。鉄の生産が盛んとなり、 農器具の改良により生産性が向上した。農耕地を広げるため森林を伐 採している。その結果、ネズミの天敵であるタカやワシなどの食肉獣が 激減して、ネズミが増加した。ペストの流行前は、冷夏の影響で凶作と なり、食糧危機により栄養不足が人々の免疫力を下げていた
② 中世の諸都市は外敵の侵入を防ぐため、外壁で囲うことが多かった。そ の中で生活をし、家畜を飼い、町中が糞尿だらけとなっていた。人の糞 尿も川に排泄されるか、道路に廃棄されるなど不衛生だった。
③ 王侯貴族も含め、人々も清潔に保つことに無頓着で入浴を行わない、更 衣をしないなど、ノミやシラミが服についても放置していた。

https://www.city.higashimatsuyama.lg.jp/uploaded/attachment/9771.pdf

スペイン風邪(1918~1920)については次の記述があります。

この時期は第一次世界大戦の末期でした。第一次大戦が勃発したのは1914年の夏ですが、当時は半年もすれば終わると皆思っていました。ところが第一次大戦は革新的な技術が用いられた大戦でした。機関銃、戦車、毒ガスなどが用いられ、それらに対抗するために塹壕を掘ったため、膠着状態に陥りました。塹壕は湿気が高く非常に不衛生なので、赤痢や発疹チフスが蔓延しました。塹壕にこもっていた兵士は、塹壕足という凍傷と水虫の複合症に悩まされました。これがひどくなると、脚を切断しなければなりません。多くの人がこうした苦しい状況に3年半も置かれていたところに、このウイルスの感染が拡大したのです。

https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3563

また、1916年から1917年にかけてのドイツで発生したカブラの冬と呼ばれる飢饉状態が発生しました。他国においても、その後配給制を敷くほどの影響はありました。

イギリスでも小麦などの凶作とドイツによる無制限潜水艦作戦の影響で食料問題が深刻化してロイド・ジョージ首相の下に1916年に食糧管理局が設置され、1917年には主要食料の最高価格制が、1918年7月には全面的な配給制が導入されている。フランス・ロシア・イタリアオーストリアなどの国々も大戦中に最高価格制や配給制の導入をして食料問題に対処を迫られている。特にロシアとオーストリアは食料問題に対する人々の不満が革命につながることになった[16]

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%96%E3%83%A9%E3%81%AE%E5%86%AC

スペイン風邪の起源については、次の記事があります。

同ページの終わりの部分を引用します。

散発的にせよ、1916年から17年の冬にかけて欧米で感染者が出たことからみて、米、仏、英で同時に流行が始まっていた可能性が高いと、ウォロベイは指摘する。この冬は日本を含め世界的に記録的な異常寒波が襲来した。特にヨーロッパ戦線ではこの冬将軍が兵士を苦しめた。これが流行を後押ししたのではないかとも考えられている。

もしもそうだとすると、スペイン風邪の起源は大きく塗り替えられることになる。スペイン風邪ウイルスはカンザス州で患者が出たとされる以前からヒトの間を循環していて、それがたまたま第1次世界大戦でヒトの動きが激しくなって感染爆発を起こしたとも考えられる。

https://www.nippon.com/ja/japan-topics/b09904/

当初はアメリカのカンザス州で1918年に豚から人に感染したインフルエンザウイルスが0号患者であると考えられていましたが、その後、それ以前からスぺイン風邪らしい感染症が観察されていたことがわかってきています。もしかすると、他の動物から感染したものでもないのかもしれません。なお、引用先の記事ではヒトの動きの激化が感染爆発の原因とされていますが、それについても疑問符がつくと私は考えます。

先に示した食料不足に加え、暖を取るための薪も不足してきていました。

つまり、長く続いた戦争により社会が疲弊する中で、パンデミックが発生したとみることができるのです。

大幸製薬のページで見たようにインフルエンザパンデミックは複数回起きていますが、このスペイン風邪によるものが桁違いに多い死者を出しています。その原因は世界大戦末期であったことにあると私は考えます。

日本で起きたパンデミックと言えば天平の疫病大流行がありますが、このときも大流行前に食糧不足が起きていました。

 史料1は、天平7年は穀物が十分に稔らず、夏(旧 暦4~6月)から冬(10 ~12月)に至るまで、「豌 豆瘡(裳瘡)」が流行し、若者を中心に多くの人々 が亡くなったことを伝える。飢饉による食料不足で 抵抗力の低下した人々は疫病にかかりやすく、この ときにも同様の現象がみられたことがわかる。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/iatssreview/46/2/46_96/_pdf

同じく大幸製薬のページで確認すると、ほかに1981年からのHIVでは、過去20年間で6500万人が感染、2500万人が死亡しています。HIVについては、1950年代にアフリカで行われた経口ポリオワクチン接種が原因であるとする説があります。

結論

これまで、パンデミックの発生について散々不安にさせられてきましたが、詳しく調べて見ると、パンデミックの発生時には、免疫力の低下や不衛生な生活環境に多数の人々がおかれていたことがわかります。パンデミックを発生させたのは、ウイルスそのものよりも、農耕社会に移行して増えてきた人口に対して、戦争や異常気象などの影響が加わることで生まれた、大量の不健康な人々の存在であったということができるでしょう。つまり、衛生、栄養、休息、防寒装備などがあれば、ウイルスによる被害は極端に拡大していかないものと考えられます。

また、ワクチンに一定の有効性はあるものの、その仕組み自体が持つ危険性という問題があり、積極的に進めてよいかどうかと言われれば、極力利用しないほうがよいというのが私の考えです。ワクチンを繰り返し打たされるような生き方は、本来の生き方とは程遠いものであり、文明的な生き方でもないと私には思えます。

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