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【読書ノート】『「妹」という祝福』(『家族シアター』より)

『「妹」という祝福』(『家族シアター』より)
辻村深月著


主人公(私:亜希)には1こ上の姉(由紀枝)がいる。
由紀枝は真面目だ。そして、親の言うことをよく聞いて、習い事も、成績も良い。そして、何より「イケてない」。「私」は由紀枝ことを馬鹿にしていた。そんな姉とは、当然仲はよく無い。由紀枝のようにはなるまいと、「私」は、ファッションを研究したり、髪型を工夫したり、明るくて、中学では、主流を標榜していた。

そんな、姉由紀枝も、成人して、結婚する。その結婚式の控え室で、姉は、来場者全員に手書きのメッセージカードを準備していた。

『私』は、そんな姉の行為を野暮ったく思う。そして、「私」宛のメッセージカードを見つける。


そのメッセージが、なかなか、泣ける。

物語の主題は何か?
家族の愛、姉妹の愛ということなのだろう。最後に勝つのはやはり、愛のある人間なのだろうなあと思った。

私には、4つ違いの弟がいる。
家の事情があって、弟が小学6年になる時から、別々に暮らしていた。大学時代は、数年被っていたはずなのだけど、ほとんど交流なく、社会人になると、私の方が、海外に出て、結婚して、子供もできて、お互いの結婚式にも出なかったことを思うと、ずいぶん冷たい兄だったのだなあと反省させられる。

弟は親戚付き合いが、上手く、親戚中で、人気がある。私は、田舎の親戚付き合いが、嫌いで、疎ましく思っていたら、親戚との間で、距離感が大きくて、馴染めなかったことを思い出す。いまは、多くの親戚は亡くなってしまったのだけどね。まあ、自分の家庭で十分だったのだろうなあと思った。
やはり、親戚を集めて、結婚式をしないと、難しいのかなあと思ったりした。

本書に戻ると、由紀枝の姉としての自覚やら責任感やらのベースに愛があったことが伝わってきて、やはり、辻村さんの作品は、ストレートにグイグイ来て、感情が揺さぶられた。

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