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『「死ぬとき幸福な人」に共通する7つのこと』

『「死ぬとき幸福な人」に共通する7つのこと』

『「死ぬとき幸福な人」に共通する7つのこと』
小澤竹俊著

著者は、1963年東京生まれで、1987年に東京慈恵会医科大学を卒業し、1991年に山形大学大学院医学研究科の博士課程を修了。救命救急センターや農村医療に従事した後、1994年から横浜甦生病院ホスピス病棟にて病棟長を務め、3000人以上の患者を看取った。2006年にめぐみ在宅クリニックを開院し、2015年には一般社団法人エンドオブライフ・

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『可愛い女』

『可愛い女』

『可愛い女』
チェーホフ著

美人で恋愛好きな主人公オーレンカが、その時々に出逢った人を、熱烈に愛して、彼らそれぞれの色に染まっていく。夫となる男達は、どういう訳だか、あっさり亡くなってしまう。その度に、抜け殻のようになってしまうオーレンカなのだけど、半年もしないうちに次の出逢いに夢中になっていくという非常に魅力的で可愛い女性の物語。トルストイは、オーレンカを、理想の女性だと称賛したらしい。

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『世界で最後の花』

『世界で最後の花』

『世界で最後の花』
ジェームズ・サーバー著

村上春樹訳

第二次世界大戦が始まる前に書かれた本らしいのだけど、今もそのまま通じる。村上春樹による新しい翻訳で再び出版。

第十二次世界大戦が起きた世界。文明は破壊され、町も都市も、森も林も消え去られてしまう。残された人間たちは、ただそのへんに座りこむだけの存在になってしまった。ひとりの若い娘が世界に残った最後の花を見つけるところから、物語は、はじま

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『1984』

『1984』

『1984』
ジョージ・オーウェル著

1949年に発表されたいわゆるディストピア小説。

核戦争後の1984年の世界を舞台に、オセアニアという国家に住む主人公ウィンストン・スミスの日常が展開される。

ビッグ・ブラザーと呼ばれる党首が絶対的な権力を握り、テレスクリーンという監視器や思想警察によって人々の行動や思考が厳しく管理されてる。

ウィンストン自身は、党の都合に合わせて歴史や事実を改竄する

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『わたしを離さないで』

『わたしを離さないで』

『わたしを離さないで』
カズオ・イシグロ著

(再読版)

物語は、主人公のキャシー・Hは、孤児院の友人たちと一緒に、生き方を模索する。孤児院の子供達は、次第に自分たちがどのような運命に置かれているのかを知る。彼らは粛々と、死ぬ運命を受け入れつつも、希望を捨てずに生きる、という話。

普通の教育を受けているのだから、自分の運命を知ると発狂するものではないのだろうか?とか、思ってしまったのだけど。

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『白痴 3』

『白痴 3』

『白痴 3』
ドストエフスキー著
亀山郁夫 訳

登場人物が多くて難解な作品で、ムイシユキン公爵、ロゴージン、イッポリートがナスターシアとアグラーヤという美女を巡る複雑な三角関係が展開される。

文章には独特の引力があって、理解が難しいものの、魅了される。 2度読みしているのに、なかなか理解が難しい。

愛情深く破滅的なナスターシア。
世界をひっくり返す美しさとされるアグラーヤ。

ムイシュキン公

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『マリーの愛の証明』

『マリーの愛の証明』

『マリーの愛の証明』
川上未映子著

マリーは「死ね」という言葉を使うことができなかった。もちろん口に出すことはできないし、頭で考えることもできない。そんなマリーはミア寮というところで暮らしている。最近別れた元恋人カレン(女性)から、自分のことを愛していたのか?と問われる。という話。

何だこれは⁇なのだけど、案外深い話なのだと思った。

キーワードとして、「虐待」,「愛情」で、検索してみた。そう

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『スタートライン』

『スタートライン』

『スタートライン』
喜多川泰著

『あなたが見たいと思う変化に、あなた自身がなりなさい』

『明日死んでしまうかのように生きなさい。そして永遠に生き続けるかのように学びなさい』

「向かい風が強いいうことは、前向いて走ってる証拠や。」

物語の冒頭に三連発の名言で始まる。

物語は大きくは五部構成で、主な登場人物は伊福大祐、長森真苗の二人。

第一部は、高校生18才の伊福大祐の目線で同級生の長森真

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『普請中』(ふしんちゅう)

『普請中』(ふしんちゅう)

『普請中』(ふしんちゅう)
森鴎外著

実録版、その後の『舞姫』と言われている作品。エリス来日の時にあったかもしれない話だと言われている。

登場人物はドイツ人女性と日本の官僚(渡辺)。渡辺がドイツに留学していた時、二人は恋人同士だったという設定。

普請中(改装中)のホテルで会食する二人なのだけど、男性の態度は冷ややか。そして、そのまま、女性は旅立っていく。という話。

物語のシーンとしては、そ

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『変容』(『丸の内魔法少女ミラクリーナ』その2)

『変容』(『丸の内魔法少女ミラクリーナ』その2)

『変容』(『丸の内魔法少女ミラクリーナ』その2)
村田沙耶香著

ザ村田沙耶香ワールド炸裂という感じで、なかなか面白い。

物語としては、どういうわけだか、"怒りのない"世界に入り込んでしまった主人公の真琴。周りの若者たちは、"怒り"というのは、大昔の人間の象徴だとばかりに、老人らの怒りの感情をサラッと受け流す。
何だ?これは、?という感じで物語は、進んでいく。

自分だけが、周りと違うという違和

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『なべちゃんの嫁』その2

『なべちゃんの嫁』その2

『なべちゃんの嫁』(その2)
辻村深月著

以前書いたレビューをChatGPT に読み込ませて、物語の紹介文を出力してみた。

『大学時代に「よい人」として女子たちに便利に利用されていた青年・なべちゃんが、とうとう結婚することになりました。しかし、相手の「嫁」にはいろいろと問題が…。そんな彼と、大学時代の友人たちは再び集まります。結婚を通じて、彼らが直面する人間関係や幸せについて考える、切なくも温

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『伊豆の踊子』

『伊豆の踊子』

 『伊豆の踊り子』
川端康成著

これも、高校生くらいの時に読んだと思うのだけど、義務感で読んでいたもので、ほぼ、記憶がない。「天城越え」くらいかな、覚えているのは。

自伝的な小説らしい。
始めは、追っかけのように、旅芸人一家を追っかけまわしていたので、変態的な話かとおもっていたが、そうではないのだなあ。

恋愛的な側面もあるのだけれど、どちらかといえば、半分鬱でよくわからなくなっていた時、暖か

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『シャンデリア』その2

『シャンデリア』その2

『シャンデリア』(その2)
川上未映子著

以前書いたレビューをChatGPT に読み込ませて、改めて物語の紹介文を出力したものです。

『『シャンデリア』は、川上未映子が描くデパートの世界を舞台に、贅沢な生活や心の空虚さをテーマにした物語です。主人公が大金持ちになり、高級品の購入にのめり込んでいく様子が描かれ、物質的な欲求が人間の内面を満たすことはできないということが表現されています。読者は、主

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『漫画方丈記 日本最古の災害文学』

『漫画方丈記 日本最古の災害文学』

『漫画方丈記 日本最古の災害文学』
鴨長明著

漫画なのですが、解説は、養老孟司さんが書かれていて、面白い。解説を読んだ後、方丈記のオリジナルが添付されていて、けっこう古典を味わえて良いと思った。

約1000年前、平安時代から鎌倉時代に移り変わる時期の話。
大地震があって、大火災があったり、遷都があったり、世の中の不安定な状況が、今に通じるものをかんじた。

「行く河の流れはたえずして〜」

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