Cafe SARI .6 「 エンジェルの初恋 」
何日間か続いた夏日のような陽気の後、今日は朝から久しぶりの雨になった。気温は昨日までの20℃超えを「あれは冗談でした」と言わんばかりにいきなり11℃に急降下。これではとても身体がもたない。そしてここCafe SARIには、今夜はまだ一人もお客がやって来ない。時計は21時を回っている。
沙璃は降り止まない雨の気配を感じながら、今夜は半分諦めたとばかりに、密かな趣味である『note』を立ち上げ、小説の続きを書いている。
ストーリーは決まっていない。いつもビル・エヴァンスのピア