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子どもが荒れて手に負えないとき

前回は、ゲームをやめられない時の対処について書きました。
そんな時にもしばしば生じるのですが、今回は子どもが荒れて手に負えない場合の対処について書きます。この問題は状況や文脈によって対応が変わるので、一括りにできないことは承知の上で、それでも多くの方にとって参考になることもありますので、書いてみます。当てはまりそうな方は、取り入れてみてください。

コミュニケーションの種類は一緒

対応としてはとてもシンプル。スーパーで「お菓子かってー」と地面にひっくり返っている子どもから、ビルを爆破してしまうテロリストまで共通しています。要求に応じないということです。

なぜ応じないのが良いのか?テロリストを例にとって考えてみましょう。

テロリストの要求に応じると、そのやり方の有効性を示すことになります。有効な方法は次も使われ、次第に増えます。つまり、一度要求を飲んでしまうと、エスカレートするのです。ですから、どんなに厳しい状況でもテロリストの要求には応じないことになっています。

スーパーで「お菓子かってー」と泣いている子どもも基本は同じです。周り人の迷惑になるから静かにさせようとお菓子を買ったとします。そうすると、どんなに「今日だけだよ」「次は絶対に買わないよ」と言いきかせても、『泣いて駄々をこねる=お菓子を買ってもらえる』という図式を学習します。すると、次の機会にもやっぱり荒げます。「この前、絶対に買わないって言ったでしょ!」と言っても、有効性は実証済みです。前よりもっと大きく駄々をこねます。前の時も耐えかねたのに、それよりもっとひどい状態なのですから、当然耐えることは難しくなります。結局、親御さんが折れてしまう、といった繰り返しになるのです。

これは親に暴言を吐く子ども、暴力をふるう子どもにも共通します。子どもだけでなく、会社で不機嫌な空気を出す人、怒鳴る人にも同じことが言えます。要求に応じない、取り合わないことで、そういったコミュニケーションは無効だと示す必要があるのです。

やるべきことはシンプル、実践は困難

もし、お子さんのことを手に負えないくらい大変だと感じている場合、もしかしたら、これまでに要求に応じ続けてきた経緯があるのかもしれません。エスカレートしてしまった後の状態ということですね。そうなると、消去するのは骨が折れます。しかし、幸いなことにやるべきことは一緒で、要求に応じないこと。このシンプルな対応は、理解は簡単ですが実践は困難です。

ポイントは、最初の悪化に耐えられるか

実践を困難にするのは、初めはちょっと悪化するという点です。先ほど少し触れたように、今まで泣いて喚いたらお菓子を買ってもらえた。じゃあ、もっと駄々をこねたら要求が通るかもしれないと思うのが自然です。そのため、一時的に悪化します。それでも親御さんが折れないで頑張ると、次第に頻度は減っていき、なくなっていきます。ポイントは初めの悪化に耐えられるか?です。ここで折れてしまうとかえって行動が強化されてしまいます。

初めの悪化に耐えるためには、親御さん自身の心のゆとりが必要です。大変な時こそ、ご自身のゆとりが持てるように工夫してみてください。

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