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大学入試の数学の問題解説をメインに書いてます。 気軽に読んでいってください。フォローバックは気づき次第行います。

最近の記事

東工大数学2023を解く 大問1

本当は2024年の入試を解いた時の記事と同じように1年分(5問)をまとめて1本の記事にしようと思っていましたが、この大問1、色々書きたいことがあるので別記事にしました。(大問2以降はまとめ記事になるかもしれません。) 大問1 まず1つ確かなことだが、普通に積分はできない。一応、できる可能性もあるかもしれないと思ってネット上にある積分計算のサイトで試してみたが、「原始関数が存在しません」と出てきた。もしかしたらできるかもしれないが、できたとてそれが一般的な高校生にできるもの

    • 阪大理系数学2023を解く 大問5

      2023年度の大阪大学の入試の数学(理系)の問題について思考を交えながら解き進める。 大問5 確率が少し絡んだ数列の問題に整数問題チックな部分も混ざっているが、はっきり言ってこの年の5問の中では1番簡単なのではないだろうか。(まあただ同年の京大で出題された確率の問題に比べたら難しいのだが。)最初にサラッと述べたが、これをきちんと数列として認識できている(確率の問題ということに囚われすぎない)ならばおそらく解けただろう。 とりあえず(1)は求めるだけなのでさっさと求めてし

      • 阪大理系数学2023を解く 大問4

        2023年度の大阪大学の入試の数学(理系)の問題について思考を交えながら解き進める。 大問4 空間ベクトルから入って(2)で軌跡を解く問題で、大問2,3と領域を図示し続けてきたところにまたもや軌跡かとなってくる。先に言っておくがこの問題は計算が面倒になる。 では解いていこう。 まず(1)だが、これに関してはちょっと図を描いた方がわかりやすい。 こうしてみれば次の事実に気づけるだろう。 ・3点$${A}$$,$${P}$$,$${Q}$$は一直線上にある。 ・$${\ve

        • 阪大理系数学2023を解く 大問3

          2023年度の大阪大学の入試の数学(理系)の問題について思考を交えながら解き進める。 大問3 超ざっくり言うとP(a,b)から引ける接線の本数が4本となる時の(a,b)を問う問題で、ある(a,b)の時に相異なる$${t}$$が4つ出てくるかを調べることになるのはそれなりに高校数学を勉強していたら素直に出てくる発想だと思われる。 まずは$${(t,\cos{t})}$$における接線の式だが、微分するだけだが$${y=-\sin{t}(x-t)+\cos{t}}$$である。こ

        東工大数学2023を解く 大問1

          阪大理系数学2023を解く 大問2

          2023年度の大阪大学の入試の数学(理系)の問題について思考を交えながら解き進める。 大問2 ベクトルからの出題となっているが、(2)を見るあたりおそらくは領域を求める必要があるだろうから、その辺の分野にも片足を突っ込んだような問題となっている。 それでは解いていくのだが、ベクトルで大切にしてほしいことの1つはベクトルの内積または絶対値をちゃんと数字(スカラー)として認識することである。だから扱い方はただの実数や文字で置かれた定数($${x}$$とか$${a}$$とか)と

          阪大理系数学2023を解く 大問2

          阪大理系数学2023を解く 大問1

          2023年度の大阪大学の入試の数学(理系)の問題について思考を交えながら解き進める。 大問1 分野は不等式からの極限で、よくある(1)で示した不等式を使ってはさみうちの原理に持ち込むパターンの問題だ。大筋は見えてるからこそ多少詰まっても色々粘りたい。 まず(1)だが、両端の2つをいじるよりも真ん中のゴチャついた式を簡単な形にしたいという目標を持って挑もう。すると、$${\sum_{k=2}^{n} (-x)^{k-1}}$$の部分が等比数列の和の形であることに着目して次の

          阪大理系数学2023を解く 大問1

          東工大数学2024を解く

          まず全体的な感想としてだが、とにかく計算量が多い。一問25分ベースの東大や京大などと比べて一問に35分かけられるから当然といえば当然かもしれないが、大問1,3辺りは計算がしんどくなるところもあった。 分野としては数Ⅲ多めで全ての大問に数Ⅲが絡む部分があった。 個人的な難易度としては5<1<<2<3<<<4だと思ったが、あくまで自分の得意不得意で補正がかかっていると思われるので参考程度にとどめておいてほしい。(それでもおそらく1番難しいのが4なのは多分正しいはずだ。) ではそれ

          東工大数学2024を解く

          京大理系数学2023を解く 大問6

          2023年度京大入試の数学(理系)の問題を思考をめぐらせながら解いていく。 大問6 見た目的には分野は三角関数だが、(2)で実は整数に絡んでくる。 事前に言っておくが、この問題はチェビシェフの多項式という難関大では時々扱われるテーマが題材となった出題でそれを知らないと圧倒的に不利になるので、問題に取りかかる前に次の問題をやってみよう。(僕個人としては(1)と(2)の間にこの問題が入っていても良かったのではないかと思っている。) (問)$${\cos{n\theta}}$

          京大理系数学2023を解く 大問6

          京大理系数学2023を解く 大問5

          2023年度京大入試の数学(理系)の問題を思考をめぐらせながら解いていく。 大問5 分野は積分、中でも体積についての問題となっている。さっそく問題に取りかかっていこう。 この手の問題では基本的にxy,yz,zxのどれかの平面に落とし込んで断面積を求める→積分するの順序で解くのがセオリーだ。しかし、この問題の重大なポイントは断面積をイメージしづらく、どうやって求めるかに手こずる点にある。というのも、問題文を読んだら次のようにイメージできてしまう。 しかし、これでは普段通り

          京大理系数学2023を解く 大問5

          京大理系数学2023を解く 大問4

          2023年度京大入試の数学(理系)の問題を思考をめぐらせながら解いていく。 大問4 分野は関数とその最大最小で理系で数Ⅲをやってるならば微分して増減を調べてしまえばおしまいである。でも果たして現実的だろうか?できないこともないかもしれないが、微分後の関数は少なくとも$${e^x}$$の項と$${x}$$の項が入り混じっていて到底増減表を書けるとは思えない。だから、ここではもう少し頭を使って解かなければならない。 まずやっぱり気になるのは$${f_{(x)}}$$が$${e

          京大理系数学2023を解く 大問4

          京大理系数学2023を解く 大問2,3

          2023年度京大入試の数学(理系)の問題を思考をめぐらせながら解いていく。 (大問2,3についてはあまり内容がないのでまとめて扱います。) 大問2 分野はベクトル、中でも空間ベクトルの問題となっている。見た感じ、交点が出てくるから、内分比を文字でおき、一次独立なベクトルを使って2通りに表せば解けそうだ。おそらく京大の問題を解くレベルの人ならできるだろう。 1つだけ言っておくとするなら、$${b=\frac{5}{3}}$$のとき、$${QS:SR= \frac{5}{3

          京大理系数学2023を解く 大問2,3

          京大理系数学2023を解く 大問1

          2023年度京大入試の数学(理系)の問題を思考をめぐらせながら解いていく。 大問1 まずは(1)からやっていこう。ちなみにこの(1)、特に言うことは全くない。 積分するのだが、logが絡むので部分積分をすれば良いだけとなる。一応$${x^2}$$や$${\sqrt{x}}$$を置換してもいいが、しなくても解ける。 1点だけ言うことがあるとするならば$${\log{x^2}=2\log{x}}$$が成立するのは積分区間が$${1\leqq x \leqq 4}$$だからで

          京大理系数学2023を解く 大問1

          僕の記事の方針とかについて

          もうすでに10本以上記事を書いた後でこんなのを書くのもなんですが、軽く書きたいことを書いておきます。 僕の書く記事の方針ですが、基本的には大学入試(特に東大京大阪大辺りの過去問を最新年度から遡りつつ)で出題された数学の問題を自分の主観を交えつつ解説していこうと思っています。(まぁ解説と呼べるほど完璧ではありませんが。) 一応、記事を書く前に大手予備校などの解答解説などをちゃんと読んではいますが、数学教師ではないただの数学が他人より少し得意な一般人が書いている以上、絶対的に正し

          僕の記事の方針とかについて

          東大理系数学2024を解く 大問6

          東京大学で2024年に行われた入試の数学(理系)の問題を思考を交えつつ解いてみる。 大問6 関数の問題かと思いきや分野は整数。(1)は解きやすいので勝負どころは(2)となる。一般的には素数絡みの問題では有効な解法は次の2つである。 ①積の形 これが作れたら片方を±1と決定できるため、方程式に持ち込める。 ②倍数判定 積の形にならない場合はmod3,5あたりを試すと上手くいきやすいケースが多い。(特に京大) (1)では積の形を作ることを意識してみよう。 あるあるではあるが

          東大理系数学2024を解く 大問6

          東大理系数学2024を解く 大問5

          東京大学で2024年に行われた入試の数学(理系)の問題を思考を交えつつ解いてみる。 大問5 分野は積分、中でも回転体の体積の問題となる。僕は、こういう問題では役に立つかどうかに関係なく、とりあえず軽く図を描くのだがこれを勧めておく。というのも、問題文の情報が具体的にイメージできる上に、平面図形の場合は特に答えにつながるヒントが得られたり、答えの予想が立てられるケースがあるからだ。 ところでなんでこんな話をしたのかというと、実は図が割と役に立つからである。当の本人は後々に

          東大理系数学2024を解く 大問5

          東大理系数学2024を解く 大問4

          東京大学で2024年に行われた入試の数学(理系)の問題を思考を交えつつ解いてみる。 大問4 関数についての出題でやることが明確っちゃ明確な問題となっている。僕はあまり好きではない。というのもこういう問題は数学の得意苦手に関わらず、ある程度努力をしていたら解法が分からずに詰まるということはない。(特に東大レベルならば数学を苦手としていても手が出ないことはないはず)となるとこの問題の差が出るポイントはやっぱり計算ミスになる。だからそこに気をつけて解いてほしい。 まず(1)だが

          東大理系数学2024を解く 大問4