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持ち込みの手順について~編集者の探し方

「持ち込みのプロ」であるエージェントも、持ち込み先の文芸編集者を、さまざまな形で探しています。持ち込みの成功は、編集者と作品との相性が決め手になります。直接の面識があってコミュニケーションができる編集者、仕事をともにしたことがある編集者であれば、関心の範囲や好みを知っているので、自然な形で紹介につなげられます。

しかし、出版業界で働いていない場合は、どのようにして持ち込み先の編集者を探せばいいのでしょうか。本記事では、その方法をご紹介します。

トークイベントに参加する

まず、王道の方法は、書店などでのトークイベント、小説教室や大学講義などで編集者が登壇する機会があれば、その場に足を運ぶことです。お話を通じて、関心の範囲や好みが分かります。

交流が許されるようであれば、名刺交換など挨拶はしてみましょう。「小説を書いていて……」と口にすると「売り込まれるのではないか」と敬遠されてしまうことも多いので、お話は手短かに。たまに他に待っている方がいるのに、自分のことを長々と時間をかけて話す方を見かけますが、けっしていい結果にはなりません。

自分のことは挨拶程度にすませて、当日のイベント内容の感想をお伝えします。こういう場での編集者は、担当している作家や作品のことを機にかけていますから、的を射た発言をした人のことは忘れないものです。そして、あとでお礼のメールをするところから、売り込みを始めるのがよいと思います。

SNSで検索をする

SNS、特に出版関係者が多いX(旧Twitter)やnoteなどは、書き手が編集者と出会いやすい場所です。SNSで発信している編集者の目的は、宣伝告知やコミュニケーションが中心ですが、書き手の発掘を目的としている方もいます。SNSメッセージやメールアドレスなど連絡を取る方法が公開されている場合には、持ち込み先の有力候補となります。

ただし、相手のことをよく調べずに突然連絡をするのではなく、編集者が働いている出版社や公開している担当書籍リスト、手がけた書籍の取材記事などがあれば、しっかり読みましょう。また、最近ではSNSでオンライントークなどをやっている方もいますので、参加して人となりや興味関心の範囲を知ってから、連絡を取るようにしましょう。

友人知人に紹介してもらう

目当てとする出版社の文芸編集者が見つからない場合でも、もし他の部署に知り合いがいれば、仲介をお願いしてみるといいと思います。

メディアに登場している人に連絡する

実は、出版業界の業界紙や気になるエンタメの記事などを、まめにチェックするのもお勧めです。最近は、編集者や映像ディレクターなどが会社や部署、名前を出して取材を受けて、制作秘話などを語っていることがよくあります。

もちろん業界で名が知れた編集者にはたくさんの仕事が集中していますが、逆に言えば「売り込まれ慣れ」していて、私の経験上、対応が早いことも少なくありません。判断も明快な場合があります。可能性があっても自分で対応できない場合は、周囲のスタッフにまわしてくれることもあります。

次回以降は、持ち込んでからの流れについて、いかにしてお返事をもらうか、お返事次第ではどのような交渉を行うべきかなどをご説明したいと思います。

*文芸作品の持ち込みに関するご質問があれば、コメント欄にて受け付けております。直接お返事をさせていただく場合、note記事にてご質問内容に触れる場合とあると思いますが、あらかじめご了承ください。

お読みいただき、ありがとうございました!